2017年10月20日

ベルギー旅4日目(2) 朝のお散歩〜鐘楼周辺をうろうろ〜

ぱりぱり音がしそうなくらい、冷気が張り詰めています。日も登ってるっていうのにねえ。青い空が眩しい。

IMG_0482.JPG
そんな青い空をバックに、鐘楼。
左下側に付随している建物は繊維ホールです。

この鐘楼と繊維ホールは、「ベルギーとフランスの鐘楼群」という名前で登録されている世界遺産です。鐘楼群、というその名の通り、ゲントの鐘楼ひとつが世界遺産なのでなく、この地域の56にものぼる鐘楼たちがまとめられて登録されているとのこと。
ゲントの鐘楼以外の代表的な鐘楼というと、ブルージュの鐘楼とマルクトホール、アントワープのノートルダム大聖堂とかが有名です。

IMG_0483.JPG
鐘楼の時計部分のアップ。うっ、写真が曲がってる……。
鐘楼と繊維ホールはゲントのシンボルだ、と後に乗った運河クルーズのガイドさんが何度も強調されてました。

鐘楼は内部見学もできますが、それはひとまず後にして、まだ周辺をしばしお散歩します。

IMG_0484.JPG
こちらは市庁舎! フランボワイアン・ゴシック様式のこれでもかと迫りくる装飾外壁。でも、左奥の方はもう少しシンプルな外壁ですよね。同じ建物なんだけど。こちらはフラマン・バロック様式というそうです。
建築開始から完了まで数百年かかったそうで(ヨーロッパあるあるですね…)、そのため建築様式が混在しているらしい。

IMG_0485.JPG
市庁舎の階段周りの作り。
ゴミ箱完備。いいことだ。
左下のはクリスマスマーケットの屋台ですね。そう、この鐘楼の周辺や、コーレンマルクト(広場)の辺りは、クリスマスマーケット開催中だったのです。この写真は朝だから閉まってるけど、お昼くらいからぼちぼち営業開始って感じ。お店が開くとかなり賑やかでした。
年明けでもクリスマスマーケットをやっている、というのが今回旅先をベルギーに決めた理由の一つだったので、特に買い物もしないのにやたらとクリスマスマーケット会場をうろうろしてしまいました。

IMG_0486.JPG
フラマン・バロック様式の面をアオリで。立ち並ぶ太い黒の列柱、その列柱の上部に光る金色の継ぎ目、お洒落でシックで、強権的な威圧感も感じられて、ほんと素敵。

IMG_0487.JPG
薔薇窓のアップはこんな感じ。遠目だと分かりにくいけどステンドグラスで、アルファベットが刻まれていますね。このアルファベットは何を意味するものなのかな?

市庁舎は、ガイドツアーで内部見学もできたみたいだけどスケジュールが合わなくて断念。内部も色々な様式のお部屋があるそうで、見たかったなあ。

IMG_0488.JPG
そんでまた鐘楼と繊維ホールの辺りに戻ってきた。無計画にうろうろ…。
何だろう、私はお散歩するならするで、この地域をこうお散歩する、みたいな計画を立てる方なので、気が向くまま同じ場所をうろうろ、みたいなのは珍しいかも。どうも、それだけこの辺りが気に入ったようです。

IMG_0489.JPG
繊維ホールの煙突から、煙が立ち昇っていたのよねえ。何の煙なのかな? 煙と言えばその昔仁徳天皇が、夕飯時になっても民草たちの家々から炊飯の煙が上がっていないのを見て徴税を3年間免除したというエピソードを思い出します。史実か伝説かはどうでしょうね?
だから何だってわけじゃないんだけど、この時繊維ホールから上がっていた煙は何の煙だったのかしらと思いまして。

IMG_0490.JPG
繊維ホールの通用門のようなところ。
相変わらず破風が可愛い。そして破風の下、小さいのと大きいのと、揃いの意匠の窓も可愛い。

ゲントは何だか、すごく気に入った街です。
街並みが、とにかく素敵。ロマンチック。
運河。鐘楼。ゴシック建築。ギルドハウス。どうです? このキーワード。あとご飯も美味しい! ベルギーはどこも美味しかったけどな! あ、ベルギーで一番イケメンたち(複数形)見たのもゲント! あまりの格好良さに一緒に写真撮ってもらえませんかって言いそうになったけど、彼らの2.5倍くらいある我が顔の大きさがつらくって寸前で踏みとどまることができました。日本の恥をさらさないで済んでよかったネ。

えー、ゲントの魅力を全然伝えきれていませんが、少しずつ記事にしていくので、ちょっとでも伝わればいいなーと思います。
別にゲントの回し者じゃないのですが、ゲントに行くかどうか迷ってる人がいれば是非行ってみてほしい(*´ω`*)
運河の両岸に立ち並ぶ、それぞれに美しい立ち姿のギルドハウス、本当に素敵だったのです。

あ、次回の記事もまだぐるぐるお散歩中の記事の予定です。
お前の旅ブログいつベルギー編終わるの? って友人に言われるけど、まだだっ! まだ終わらんぞーーー!!


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。



posted by 綾瀬 at 12:46| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2017年10月25日

ベルギー旅4日目(3) 朝のお散歩〜気狂いフリートちゃん〜

ヨーロッパの古い都市は広場を中心に作られている。と、ひとり旅開始前の情報収集中に、よく見かけました。
んで、実際ベルギーへやって来て、本当にそれを実感しています。広場では市が開かれ、市を示す言葉マルクト(マーケットと一緒)が広場を表す固有名詞になっていたり。
実際、ブリュッセルも、ゲントも、この後訪れるブルージュも、広場を中心として円形に発展してきた様子がよく分かりました。中心に行けば行くほど古いし、栄えてるし、そんでお宿も高い・笑
中心地ほどどこに行くにも何をするにも便利で賑やか、っていうのが体感として分かりやすかったのですよねー。
都市の発展してきた歴史を肌で感じやすいというか。
ちなみに世界で一番最初に都市をつくったのはシュメール人らしいですよ。

なんでそんな話をしたかというと(シュメール人は関係ない)、ゲントのマルクトは「コーレンマルクト」という広場で、前の記事でうろうろしていた鐘楼周辺のちょっと西側辺りにあるんですが、この辺りが本当にゲントの中心地! という感じで、お店も多ければ人も多く、この一帯は何度歩いても楽しい素敵なエリアでした。

IMG_0472.JPG
こちらがそのコーレンマルクト近くの通り。トラムの線路が街中に張り巡らされております。

IMG_0473_m.jpg
これもその近く。真ん中に写っているお洒落な屋台?台車?みたいなところでは、ゲント名物、キュベルドンというお菓子を販売しています。
元は薬として食されていたというか、薬の作成過程でできてしまったというか、諸説あるようですが、中にシロップ状の物が入った柔らかいキャンディというかグミ(?)みたいな砂糖菓子だそう。栄養がありそうなので、古い時代には薬だったというのも納得。
実は結局、買いそびれて食べられなかったんだけど…。あああこの時買っておけばよかったな!

そんなこんなできょろきょろしながら街を歩き回ります。
ショルダーバッグを斜め掛けして、首からコンデジをぶら下げて、きょろきょろしながら辺りをうろつきまわるボッチの東洋人。あからさまに観光客ですよね。
にもかかわらず、なぜかこの朝道を訊かれること2回。
(それぞれ別々の方。ムスリム女性と、ヨーロピアン女性。国籍は謎)

何故私に訊く! 教えてあげたいのはやまやまだけど、そもそも知るわけなかろ!!!

見るからに観光客だってば! ついでに英語も通じない観光客だよ!!
同じ観光客でもせめてヨーロッパ人ぽい人に訊けばいいのに…。ていうか、見るからにジモティみたいな人たちもふつーに歩いてるのに…。謎である。

私は日本でもよく外国人に道を聞かれますが…四半期に2、3回くらい…はて。
あ、でもさすがにベルギーで道を訊かれたのはこの朝だけだったよw

IMG_0491.JPG
ぷらぷらしながら、遠目にゲント3塔のひとつといわれる聖ニコラス教会をぱしゃり。
格好いい造りの外観だなあ! 直線的で角が立って、でも全体ではまるまるふっくら円を描いて、塔の柱の隙間に向こう側の空が見えるのも素敵。


IMG_0494.JPG
そのままぷらぷら歩いて、運河沿いの方へやって来ました。この写真を撮った辺りはメインストリート! って感じのところからは一本奥に入っているのでやや静かだし、華やかさもあんまりないです。が、ここにド派手なやつがいるのですよ。

IMG_0493.JPG
こいつ。赤くて可愛いね。

IMG_0492.JPG
やや引きで。

こやつは気狂いフリートという、あんまりといえばあんまりな名前を付けられちゃっている大砲です。どうも、中近世のヨーロッパでは、大砲に女性の名前をつけるのはごく普通のことだったようですね。そうだったんかい。なんかすごいぞ。
フリートと言われてすぐ思い出す、ブリューゲルの「悪女フリート」とは何か関係があるのかな? と思って調べたら、「Dulle Griet」=「悪女フリート」=「気狂いフリート」で、同じ意味みたい。それで悪女フリートっていうのは特定の誰かのことじゃなくて、そもそもそういう概念のことを指してる(ように私は解釈した)。
がみがみ煩い女、荒々しく激高した女、そういう悪女の概念。
た、大砲にはマッチする…?かな…?
フリートというのは女性の名前だけど、元はギリシャ神話に出てくる復讐の女神のことらしい。

赤くて可愛いのに。いや、それにしてもこんなに真っ赤なのはどうなんだ。
ブリューゲルの「悪女フリート」は、一面真っ赤に燃え上がる戦場のような場所を舞台にして描かれた絵だけど、ちょっとそのイメージに通じるかも?
でも、「悪女フリート」よりはやっぱり可愛らしいけどね。気狂いフリートちゃん。

最初は、大砲に「気狂い」なんて名付けられてるもんだから、この大砲の操作手が次から次に狂って味方を殺しまくったとか、そんなエピソードでもあるのかと思っちゃったよ。この手のちょっとオカルトっぽい伝説とか大好物(*´ω`*)
気狂いフリートちゃんにはそんな伝承はないみたいだけど。

IMG_0495.JPG
気狂いフリートちゃんと運河。

IMG_0496.JPG
フリートちゃんのいる運河の対岸。
前述の通りちょっと奥まった場所だから、人もあまり通らず静かな小路で、そんなところに気狂いフリートちゃんはいるのでした。
てか、こんなところまで敵は攻めてくるのかな? 攻めてくるから、あるんだよね。
そのわりには、フリートちゃん1台で大丈夫なのかな? フリートちゃんはレイエ川(という、ゲントの中央部を流れる有名な川)の東側だから、西側から敵が攻めてきた時、水際で食い止める役目なのかな。

中近世の市街地戦が気になりますなあ。


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。



posted by 綾瀬 at 21:16| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2017年10月31日

ベルギー旅4日目(4) 朝のお散歩〜あれっコンデジが…からの聖バーフ大聖堂〜

気狂いフリートちゃんとの記念撮影も終え、そろそろ次の目的地へ向おうかとしていた頃、事件は起こりました。

コンデジちゃんがエネルギー切れとなり、休眠状態へ…。

やっちまったー!! 充電するの忘れてた!
何故か、電池がまだまだ持つと思い込んでいた間抜けな私。連日フルで使っていたくせに、もう2日くらい全く充電していません。
慌ててホテルへ戻り、充電器を差し込みまして(フリートちゃんからホテルはそんなに遠くない)。
とりあえず写真はiPhoneで凌ぐこととしました。というわけでしばらくはiPhone産の写真でお送りいたします。ううっ…。

IMG_0478.JPG
なんだろう…指かな…。私の指が入ってるね…。
うぅっ、こちらが次なる目的地、聖バーフ大聖堂です。修復中&おこちゃま向けクリスマスイベント開催中で、下半分が養生されています。

聖バーフ大聖堂は、12世紀から16世紀と、やはり世紀を跨いで建造された大聖堂で、素晴らしい絵画や彫刻が収蔵されていることで有名です。中でも、ファン・アイク兄弟の「神秘の仔羊」は超が100個くらいつくような有名な絵で、ゲントの至宝とさえ称えられる絵画。ぜーったい見たい!&あわよくば羊グッズでも買いたい、などと思っていたのでした。

その聖バーフ大聖堂は、元々は聖ヨハネ教会という教区教会だったそうで、今も地下室は聖ヨハネに捧げられているのだそうです。
聖ヨハネ教会が何故こんにちでは聖バーフ大聖堂と呼ばれるようになったかというと、そのきっかけはゲント生まれの神聖ローマ皇帝&スペイン国王、カール5世(スペイン王としてはカルロス1世)。マリー・ド・ブルゴーニュとマクシミリアン1世の息子のバカ公フィリップ美公とカスティーリヤ女王フアナとの長子ですね。

このカール5世は太陽の沈まぬ王国の礎を築き上げた辣腕王様だそうですが(アジア人としては、スペインは侵略者なのでビミョーだが)、ともなると戦争戦争の人生で、最後は疲れて生前退位(退位式はブリュッセルで行った由)し、ローマ皇帝位を弟のフェルディナンド1世へ、スペイン王位を息子のフェリペ2世へ譲って隠遁。これにてハプスブルク家は、オーストリア・ハプスブルク家とスペイン・ハプスブルク家の両統に別れることになりました、と。

ちなみにスペイン王家は優れた王とアホボン王の差が激しいことで有名(らしい)んですが、まあスペイン国王と言って有能イメージがあるのはカール5世とフェリペ2世くらいですよね…とか失礼なことを言いましたが。カール5世のお父さんはアホ公だし、フェリペ2世の息子のフェリペ3世はお父さんから常々行く末を心配され、世間からは「怠惰王」とか呼ばれる始末…。支倉常長率いる慶長遣欧使節団が謁見したのは「怠惰王」です。

スペインの、というか元々はカール5世の、なのかもしれませんが、とにかくカトリックに対しての情熱はヒステリックというか狂信的というか、カトリックによって統一された世界を作りたいのはそれはそうなんでしょうけど、その目的のためにやることが却って自国の衰退に繋がることばかりなのが何だかすごいというか、身につまされるというか。
フェリペ3世の時代に行われたモリスコ追放(どーでもいいけどモスリコと間違って覚えており、正直いつもどっちがどっちだか分からなくなる)っていう出来事があるんですが、これは当時スペインに暮らしていたモリスコ(イスラム教からカトリックへの改宗者、だけど実際はひそかにイスラム教を信仰し続ける人も多かったよう)たちを強制的にスペイン国外に追放するという施策で、このモリスコたちの多くは農業従事者だったため、彼らが強制追放された後は農業が成り立たずにスペイン全土が深刻な食糧不足に陥ってしまうとかいう、ギャグか? と言いたくなるような事態が引き起こされています。
目先の感情で突っ走ってはいけないなーと、教訓にしたい。いや、我が身の人生と一国、引いては世界の行く末なんぞあまりに大小差がありすぎて、卑近な教訓に落とし込むのも実感湧かないが。

何の話だっけ? スペインの王様の悪口…じゃなくって、えーと、聖ヨセフ教会が聖バーフ大聖堂に変わったきっかけね。

そうそうそんでカール5世なんですが、相次ぐ戦争内乱また戦争で、とにかくお金がない!(後継者のフェリペ2世は登位することでお父さんの作った借金も引き継いだそう。王様と言っても金策は大変なのですねえ)
お金がなけりゃーどうするかってえと、庶民から絞り上げるしかないですわね。んで、戦争税を新たに作ったんだか増税したんだかして、それをゲント市民たちに課した。

ゲントの市民たちは大いに抵抗したものの、神聖ローマ皇帝にしてスペイン国王でもある(他にも多くの国の君主ですらある)カール5世には敵わず、遂にはゲントが中世から保持してきた自治的な特権を剥奪され、議会による謝罪を強いられ、反抗者たちが辱められるという事態にまで発展。。。この時、反抗者たちは首に絞首刑用の縄をかけられたことから、ゲント市民たちは「縄持ち」と呼ばれるようになったとか。ひええ。
長らく商業都市として権勢を誇ったゲントにはスペイン兵が駐留し、城壁は破壊され、そりゃもーえらいことだったようです。戦争状態ですよね、そこまでされちゃうと。

そんでカール5世は、ゲントに城砦を作ることにしたそう。
この時、実はゲントには既に「聖バーフ修道院」という宗教施設があったそうですが、カール5世はここに目を付けて、ここを壊して城砦にしよう! と決めたとか。 
思い留まるようお願いしてもどーしてもダメで、結局当時の「聖バーフ修道院」は破壊され、後には城砦が作られてしまったそうなのですが、この時修道士たちの属する聖堂参事会を聖ヨハネ教会へ移すことだけは許可されたそうで、こうして「聖ヨハネ教会」は「聖バーフ修道院」へと名前が変わったそう。そんでもってこの「聖バーフ修道院」はフェリペ2世の時代の司教管区改編でゲントの司教教会となり、大聖堂へクラスチェンジし、今に至ると。

てかこの記事長いな!
この後「神秘の仔羊」のことを書こうと思ったんだけど、また長くなりそうだからとりあえず聖バーフ大聖堂の入口が分からずにぐるっと周囲を一周しながら撮った写真を少し載せます(*´ω`*)

IMG_0480.JPG
また指が写ってるね??? 気にしないでね。
側面の方に回って。大きいテラスが素敵だなあ〜。

IMG_0481.JPG
更に入口を探して。段々裏口の方というか、人の少ない方へやって来てしまいました。そこにあった可愛いドア!
ドアにめぐらされた黒い鉄の補強具が超可愛い!

IMG_0486.JPG
もう一丁、ドア。別のドアですが、こちらもなんて可愛らしい形。左側に見切れている鉄格子のはまった窓も雰囲気があって可愛いねえ可愛いねえ。古びて若干苔むした石の壁面も雰囲気満点。中世の人々もこんなドアを屈んでくぐったのかなあなどと妄想が広がります。

IMG_0482.JPG
で、その開いているドアの近くの外観を。ほんと、裏口って感じで、クリスマスマーケットをやっている正面っぽい方とはかなり雰囲気が違いますが、黒く濡れ光る外壁も、立ち並ぶ大きく取られた窓たちも、いやあ素敵です。ゴシックのほの暗さを感じる。ルネサンスの突き抜けるような明るさはまだ先の時代!

IMG_0484.JPG
前の写真とほぼ同じ場所なんですけども。
一番下の、向かって右から二番目の窓から小さな明かりがぼやっと窺えるのが気に入って、つい撮ってしまいました。
窓の向こうに見える明かりが好き。しかし一歩間違えば覗き魔となるので容量用途には要注意って感じです。

この辺りで、殆ど聖バーフ大聖堂のぐるり(デカい)を一周しています。やばい。何故入口が見つからないのか。若干焦り始めたところ、ようやく入口が見つかって、っていうか一周し始めた開始地点のすぐ隣で、つまりは反対方向にぐるっと回っていればすぐに辿り着けたものを、気付かず遠回りしていたのでした。

アホですが、可愛いドアや窓が見られたので問題ありません。


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。



posted by 綾瀬 at 20:57| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2017年11月06日

ベルギー旅4日目(5) ついに神秘の仔羊へ 前編

やっとこさ聖バーフ大聖堂の中へ入ることができました。
でも! 何故か! 写真がないの!! 朝から頑張ってうろうろしたせいで疲れていたのか、何故か内部の写真がマジで1枚もありません…。何やってるんだー…。

大聖堂の中は、大聖堂という格式高い施設だけに大層重々しく、威儀を正した内装でありまして、内陣と身廊を物理的に区切ることになる壁面が黒と白の格調高い色調で造形され、とても美しかったです。内部はかなり広々としていて、大聖堂だけを見学するのにもある程度時間を取った方が楽しいと思います。

しかーし、私の一番の目的は「神秘の仔羊」です。
というわけで大聖堂の見学は後回しにして、「神秘の仔羊」が置かれている小部屋へとまっしぐらにGOしました。
確か、翼廊の端っこの方だったかな? チケットブースっぽいコーナーがありますので、そこで「神秘の仔羊」部屋へのチケットを購入します。4€だったと思う。大聖堂だけの見学は無料です。
何と、「神秘の仔羊」には日本語オーディオガイドのご準備がおありです。おおおーすごいぞ聖バーフ大聖堂! 日本語ガイドがあると嬉しくなってしまう。
でも、オーディオガイドの受取所はチケットブース(ぽいところ)でなく、その先にある「神秘の仔羊」部屋の中のカウンターです。最初、チケットブース(ぽい)で「めいあいはぶあんおーでぃおがいど?」って言ったところ「中にあるよ」と丁寧に教えてもらったのでした。

んで。中へ。
「神秘の仔羊」部屋は、まあほんと小部屋と表現するのがぴったりのちいさーなお部屋でした。
そのお部屋の中央に鎮座まします「神秘の仔羊」。パネルの背面もきちんとみられるよう、見学者がぐるりと周囲を一周して見学できるようになっていました。
オーディオガイド受取所は小部屋に入ってすぐの場所だったのですが、ここの係員の兄ちゃんが…いや、いいんだけど…。

スマホでずっとオモシロ動画見てるの……。

いや、いいんだけど……。

ニヤニヤし、時に「ぐふふ」としか表現しようのない忍び笑いを漏らしつつ……。

スマホでずっとオモシロ動画を……。

「めいあいはぶじゃぱにーずおーでぃおがいど?」と言いましたところ、無言でオーディオガイドの設定をし(ちゃんと日本語に設定してくれた)、ラミネート加工された英語の説明書を渡してくれましたが、その時も視線だけはスマホのオモシロ動画へ!!!

オモシロ動画から意地でも目を離さない。いっそ天晴れなその姿勢。

チケットブースのお兄さんが丁寧でプロフェッショナルな対応だっただけに、あまりの対極姿勢に「お、おう」となってしまいました。

ちなみにオーディオガイド受取所の兄ちゃんは、私が見学を終える時もずっとスマホの動画見てました。こちらを一瞥することすらなく…。

ま、まあ私はいいんだけど。でも多分この兄ちゃんは監視員的な役割も兼ねてると思うんだけど、いいのか聖バーフ大聖堂。あと「ぐふふ」はちょっとキモいぞ兄ちゃん。多分必死で笑いを抑えようとしてるんだろうけど。

いや兄ちゃんのことはもういいね! 
私が「神秘の仔羊」部屋に入った時、中にはそこそこ人がいました。10人くらいかな。お部屋が小さいので、それくらいの人数でも結構「混んでる」感があります。15人くらいいるとやや見づらいと思う。
室内は、部屋全体の灯りは絞られ、中央にある「神秘の仔羊」がライトアップされていました。

とりあえず並んで最前列へ。あとはオーディオガイドを順番にぽちぽちしながら説明を聞きます。
聖バーフ大聖堂自体は写真撮影禁止ではなかったと思いますが、こちらの「神秘の仔羊」部屋は写真NGでした。なので、見学後に売店で購入したポストカードをちょっとだけご紹介。

IMG_1183.JPG

こちらが、「神秘の仔羊」オモテ面のパネルです。オモテ面?で表現合ってるかな。パネルを開いた状態です。
「神秘の仔羊」は祭壇画で、祭壇画と言うとよく三連祭壇画が連想されるかと思うのですが、この「神秘の仔羊」はなんと24枚ものパネルから構成されていて、こちらのオモテ面は勿論、パネルを閉じた状態の時に信者たちが目にすることになるウラ面にも、素晴らしい絵画が描かれています。

で、こちらのオモテ面の中央下部の絵が、有名な「仔羊」。

IMG_1182.JPG

仔羊はキリストです。すっくと四本の足で立ち、こちらを見据えている仔羊ですが、体に穴が開けられ、そこから血が迸って盃へ注がれています。
何故彼は、今まさに命が流れ出しているのに穏やかにこちらを見据えているのか? 逃れようとしないのか? もがき苦しまないのか?
その答えは、前述の通りこの仔羊がイエス・キリストであり、私たちの罪を背負って犠牲となる救世主だから…、だと思います。私はキリスト教徒でないのでまあ私の罪は置いといてください。

何だかねえ、キリスト教徒ではないですが、敬虔な気持ちになる絵でした。

天使たち、聖人、聖者、信徒たちに囲まれて、臆することなくこちらを見返す仔羊…。
そうそう、この信徒たちなのですが、色々な人種・民族のひとびとが描かれています。
主に左下にいる人々ですね。服装、特に帽子などの被り物で判別しやすいでしょうか。東欧風、中東風、中国風、などなど…。
これは仔羊の栄光を讃えるための「あらゆる国民、部族、民族、言語からなる大勢の群衆」を表現しているものだそうです。
正しい行いをする人々には、どのような出自であろうとかように天国の門は開かれているというわけです。
ちなみに右上奥の一群は女性ばかり! この一群が一番人数が多いそうです。
ポストカードの写真では分かりづらいですが最前列の女性たちは自分自身を示すモチーフを手にした聖女たちです。向かって左から、仔羊を抱えた聖アグネス、塔を持った聖バルバラ、矢を持った聖ウルスラ、花籠を持った聖ドロテア

夢中になってじっと絵を見ていました。

底抜けに明るい草地の緑と空の青(※写真だと色飛んじゃってますが、実物はすっきり鮮やかなのです)。
上等な装束をまとった多くの信仰者たち。
今まさに犠牲にならんとしているのに暗さも悲愴さもなく、毅然とこちらを見返してくる仔羊…。
大地には花々が咲き、果実が結実し、遠目に見える都市は美しく整然と発達し…。

何とも引き込まれる絵画です。
まだ書き足りないので次回へ続く〜〜〜。

にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。




posted by 綾瀬 at 13:37| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2017年11月15日

ベルギー旅4日目(6) ついに神秘の仔羊へ 後編

IMG_1183.JPG

前回も掲載しましたが、「神秘の仔羊」を含む祭壇画のオモテ面全景。
下段中央の「神秘の仔羊」については前回の記事であれこれ思うがままを綴りましたので、今回の記事は上段について述べます。

上段中央の、赤い立派な装束を身に纏った威厳のある男性。この方が誰か、と言いますと、誰だか分からないのだそうです! 正確には、「父なる神」か「キリスト」か、が判明していないのです。

と、言いますのも…。

この中央の赤い装束の方は、両脇に聖母マリアと洗礼者ヨハネを従えて描かれています。言うまでもないよーな気はしますが一応書いておくと、向かって左側の青いシンボルカラーの衣装の女性が聖母マリア、向かって右側の緑のマントの方が洗礼者ヨハネです。

キリストが、両脇にこのお二人を従えた構図というのは、キリスト教においては伝統的な、言葉は悪いですがいたってよくある構図です。ていうか、お約束。

じゃあ赤い装束の方はキリストで決まりなんじゃ? と言うと、この赤い装束の方はキリストを描く時にきわめて一般的な条件を必ずしも満たしていないのです。
例えば、キリストを描く時、大抵は手に傷が描かれ、足元は素足のまま。でもこの絵は、手には傷はないし靴も履いています。
それから、キリストが物を持つ時には多くは本を持っている姿で描かれるところが、ここでは王笏を持っています。

それだけでこの方がキリストでないとは言えないのでは? という気もします。なんせ傍らに聖母マリアと洗礼者ヨハネを従えた構図で描かれていて、この時中央に来るのはイエス・キリストというのがお約束なのですから。

でも、この赤い装束の方にはイエス・キリストとは言い切れない、「父なる神」を示す表現があちこちにちりばめられています。
例えば、頭にかぶった三重の宝冠。これは三位一体を示す教皇の冠なのだそうですが、キリストよりは「父なる神」を示すものだそうです。
また人物の背後の金色の部分や、肩から垂らしているストラにはラテン語で聖句が記されているのですが、ここに記された聖句はいずれも「父なる神」を表す聖句であるそう。
それに、この赤い装束の方を「父なる神」と推定すると、このパネル全体を通しての「三位一体」が完成する、という条件もあります。

…というのは。
下段中央の「神秘の仔羊」。ここで描かれている仔羊は「イエス・キリスト」そのものです。んで、その仔羊の頭上に目を向けると、そこには後光に包まれた鳩の姿が描かれています。これは、鳩の姿を借りた「精霊」です。ここまでで、キリスト教における重要な神の捉え方である「三位一体」のうち、「イエス・キリスト」と「精霊」までが揃いました。あと、足りないのは「父なる神」の像だけです。

とすると、上段中央の赤い装束の方が「父なる神」であれば、ここに「三位一体」が完成するわけで……。

じゃあ「父なる神」で決まりか、と言えばやはりそうでなく(!)。
この赤い装束の謎めいた方は、キリストを示すモチーフにも取り巻かれているのです。
何かと言いますと、玉座の後ろのタペストリーに描かれているモチーフで、
・自らの血を雛に分け与えるペリカン
・葡萄の蔓
・ペリカンの頭上に渡された銘帯(に、ずばり「イエス・キリスト」と書かれている!)
これらはいずれも、紛れもなく「イエス・キリスト」のモチーフです。一部、モチーフどころかずばり書かれてるようですが。

他にもあって。
前述の通り、イエス・キリストを中央に聖母マリアと洗礼者ヨハネが隣り合っている構図はキリスト教のお約束ですが、この絵ではもう一つお約束が描かれています。洗礼者ヨハネが指を差しているのですが、彼が指を差すのは常にイエス・キリストであるというのがお約束です。

もしこの方が「イエス・キリスト」でなく、「父なる神」であるとすると、異例中も異例、もしかしたら世界で唯一の構図であるかもしれないようです。
こういった条件から、私はやはり中央の赤い装束の方は「イエス・キリスト」なんじゃないかな〜という印象を持ちました。

でも、それならば何故「父なる神」のモチーフがあちこちにちりばめられているのか。
絵画というのは見る側の知識や教養が問われるものですが(近代に至るまでは)、と言うことは勿論、描く側の画家にも一流の知識や教養が問われるわけで、作者が意図的にこういった謎めいた人物を描いたのは間違いないと思います。

最初に述べた通り、結局、この方が「イエス・キリスト」なのか「父なる神」なのかは結論が出ておらず、議論が続けられているそうです。

作者は異例な「イエス・キリスト」を描いたのか。異例な「父なる神」を描いたのか。あるいは、両者の融合した姿を描いたのか。
全ては謎に包まれています。

ところで、この絵はドイツの大画家デューラー大先生も見にいらしたそうです。
デューラーはこの絵を見て、どういう結論を導き出したのでしょうか。

私はデューラーの絵をまだナマで見たことがないので、いつか見るのを楽しみにしています。

最後に「神秘の仔羊」の作者のことを少し備忘録として書いておきます。
作者のファン・アイク兄弟のうち、メインの作者は兄のヒューベルトだったと推定されています。この兄のヒューベルトは、他に彼のものと判明している作品が現代に1作もなく、事跡も殆ど伝わっていないため、一時は実在さえ疑われていたようです。一方、弟のヤンはこの時の領主であるフィリップ善良公の目に留まり、宮廷画家として迎えられたことからも一族の中で知名度抜群。そうしたことから、メインの作者は弟のヤンと見做されていたこともあったようですが、現在では祭壇画の大部分を兄のヒューベルトが手掛けたことが分かっているそうです。特に下絵については、アダムとイブ以外は全てヒューベルトが描いていると、逆に言えばアダムとイブは明確にヤンが描いていると判明しているそうです(アダムとイブは、上段の一番端と端のパネル)。

お兄さんのヒューベルト、こんなに素晴らしい絵画の作者なのに他に作品が1作も残っていないなんて残念すぎる…!
もしかしたら、まだ判明していないだけで世の中のどこかに埋もれていたりもするのかもしれませんが…。

文字ばっかでスミマセン。
「神秘の仔羊」は本当に素晴らしい祭壇画でした。
まさに至宝そのもの。唯一無二の素晴らしい絵です。
ベルギーへ行かれる方は、是非是非ご覧になることをおススメいたします(*´ω`*)

にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。



posted by 綾瀬 at 00:11| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2018年01月10日

ベルギー旅4日目(7) 神秘の仔羊を満喫したのでいざゲント名物ワーテルゾーイへ

ちょっぴり間が空いてしまいました。

えー、そんな感じでゲントの至宝「神秘の仔羊」を満喫いたしました。私は最前列ともいえる場所でじっくり見学していたのですが、そろそろ部屋を出ようかとふと背後を振り返ると、そこには人・人・人!
私が入室した時には10人かそこらで、多少手狭感はあったもののまあぎゅうぎゅう詰めではなかった。でもじっくり(4、50分くらい…)見まくっている間に、いつの間にか狭い小部屋は通り抜けることもできないくらいの満員御礼になっていたのです。ここは東西線か! でも満員電車に慣れてるからまあ平気。
そこまで人が増えていたのに何故全然気付いていなかったかと言うと、オーディオガイドをしていて周囲の音がシャットアウトされていたことと、多分私やその近辺の人々くらい前列となると、そこに至るまでが人また人の幾重にも連なる壁になっていて、後から入ってきた人がなかなか前に出られなかったからではないか(つまり、前にいすぎたおかげで周囲がそこまで混んでなかった)と思われます。電車の入口周辺が混んでいて奥がガラガラな現象と若干似ている。いや電車の入口周辺が混んでるのはみんな出入りしやすい場所にいたいからだろうけどさ。

とにもかくにも、ふと振り返ると本当にびっくりするくらい人が増えていました。大人気! あの狭い部屋にすし詰め状態なのだから30人以上は余裕でいたね。40人…も、頑張れば、いたかも。まあ、1クラス分以上は余裕でいたよ。50人はいなかったと思う。

最前列で図々しく満喫しまくっていたので、さすがに少し慌てました。隣の人には譲り合っていたけど、自分の背後にまさかこんな人の波ができていたなんて!

ヤバい! と内心焦りまくりながら人波を掻き分けて出口の方へ向かいます。あっ、オモシロ動画兄ちゃんにオーディオガイド返さなきゃ!

えくすきゅーずみーを連呼しながら(でもよく考えたら皆オーディオガイドしてるんだから聞こえないね)ようよう兄ちゃんにオーディオガイドを返却しようとします。その時一緒に、貸与されていた英語の説明書も返そうとしたのですが、傍らにいた見学者のお兄さんにちょいちょい、と手招きされ、説明書を貸してくれとジェスチャされました。
なので説明書はこちらのお兄さんにお渡ししたのですが、このラミネート加工された説明書さえ足りなくなるほどの人数が、この時「神秘の仔羊」部屋に詰め寄せていたのでした。
なおオーディオガイド本体は足りていた模様。

オモシロ動画兄ちゃんはその間も動画を見て「ぐふふ」って言ってて見学者たちに目を向けることは決してないのでした…。いいけどさ・笑

その後は大聖堂内部を見学し、売店へ寄って絵葉書などを購入。ご満悦で聖バーフ大聖堂を後にしたのでした。

ちなみに売店で購入する際、「あなたはラッキーよ」と売店のおねいさんに言われたのですが、私が何故ラッキーなのかは私の極めてつたない英語力では全くもって分かりませんでした。
おねいさんは、私が英語が分からないのでなく単に聞き逃しただけだと思って3回くらい言い直してくれました。

なお、後ろに並んでいたおじさまが「この子英語分からないみたいだよHAHA」とおねいさんに言い(そういう英語はよく聞き取れます)、その場はお開きとなったのでした。別におじさまは感じ悪い風じゃなく、私が困っていたので助け舟を出してくれた模様。何の話か。

IMG_1181.JPG
絵葉書は3枚買ってた。もっと買えばよかったなあ。絵葉書はそんなには買わない方なのですが、気に入った絵があるとつい買ってしまう。でもガイドブックに挟みっぱなしにしてしまう…。うっ整理整頓できない性格が…。

さてさて、何はともあれじっくり楽しみましたので、お腹が減りました。というわけでお昼ご飯タイム!

聖バーフ大聖堂近くのブラッスリー、Bridgeへ入りました。事前に調べていたのでなく、適当にぶらぶらして入りやすそうなところに入りました。
でも、食べるものは決まっていた。私はゲントで、どうしても食べたい料理があったのです。

IMG_0489.JPG
ゲント名物、ワーテルゾーイです!
クリーム入りの煮込み料理です。元々は魚介の煮込みだったのだそうですが、鶏肉も使われるようになって、私がいただいたのは鶏肉の方のワーテルゾーイでしたね。ニンジンやセロリ、じゃがいもなどの野菜もゴロゴロ入っていて滋養満点って感じ。

これがすっごく美味しい(*'▽')
鶏肉はほろほろだし、クリームはくどくなくて、スープは野菜の出汁もよく出ていて、しっかりした味付けだけど優しい味って感じ。
和風では勿論全然ないんだけど、おふくろさんの味って感じだったよ〜。夢中で食べてしまいました。量、多いんだけどね。美味しいから完食しちゃった。セロリ苦手なんだけど、全くもって平気だった。多分ここで今までの人生におけるセロリ総摂取量をはるかに超えるセロリを食したね。味覚が変わったわけじゃないので、日本に帰ってきたらやっぱセロリ食べられないんだけども……。

IMG_0490.JPG
鶏肉。大きい。この大きいのがどすんと2切れ。何グラムあるのかしら。ワーテルゾーイが入っている器も大きくて、ラーメンどんぶりだとしてもかなり大ぶりのラーメンどんぶりで、上げ底ではなかった。相当な大容量!

ワーテルゾーイはどこのお店で食べても提供量が多いという噂を事前に入手していたため、朝飯抜きという万全の態勢で臨んだのですが、完食した後はお腹がはちきれそうでしたね、ほんと…。

IMG_0491.JPG
でも食後のコーヒーはいただいた。右下辺りに見切れてるけど、ベルギーでは食後のコーヒーを頼むとちょっとしたお菓子もお茶請けとしてついてくる。

美味しいお昼ご飯でした。大変ご満悦(*´ω`*)
素敵な絵を見て、よく分からんけどラッキーだったらしいし、ご飯も美味しくて、食べ終わるのが残念なくらいで(でもお腹いっぱいでもう食べられない)、こんなにいい思いができるのだからやっぱり私はラッキーなんだなあって思った次第。

ゲント最高だなー!


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。



posted by 綾瀬 at 22:35| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2018年01月17日

ベルギー旅4日目(8) 満腹からのクリスマスマーケット散策

満腹でいい気分になりましたので、一回ホテルに戻って充電し終わったコンデジを回収し、再びゲントの街をお散歩し始めました。

IMG_0497.JPG
建物と建物の間に見えてきましたるは市庁舎です。朝も同じところうろついてましたが。

IMG_0498.JPG
フランボワイアン・ゴシック様式方面をうろうろ。

IMG_0499.JPG
お昼過ぎくらいだったかと思うので結構人も多い。

IMG_0500.JPG
フランボワイアン・ゴシック様式の窓の部分のアップ。また写真傾いてる…。
なんでこんなに写真が傾くのかしら。根性が曲がってるからかしら。

IMG_0501.JPG
何枚似たような写真を撮るんだって感じですが、気に入ったらしくこちらの界隈の写真めっちゃいっぱい撮ってる。折角なので載せる。

IMG_0502.JPG
フラマン・バロック様式の方へ来てみました。鐘楼にも近く、クリスマスマーケットが開かれています。
手袋とか帽子とか、雑貨の屋台。カナダ製のぬくぬく毛織物の屋台とかもあって、そこはベルギー製じゃないんかい? と思ったんだけど、カナダ製の毛織物とくればかなりもこもこぬくぬくなイメージ…。きっとそのイマジネーションはベルギー人にも共通なのでしょう。故に「カナダ製」が売り物に。

IMG_0503.JPG
こちらはチーズの屋台ですね。あとは写真はないけど、蜂蜜や生姜のなんか加工したやつ(なんかってなんだ)、砂糖漬けかなあ? そんな感じのお店もあったり。

他にはやっぱり飲食店が一番多い。ソーセージ(でかい)や、パスタ、ワッフル、その他焼き菓子のお店など。お食事系の屋台には漏れなくビール飲むコーナーがありました。やっぱりお肉焼いてるとねえ、いい匂いがするんだけど、お腹いっぱいでなかなか購入に至らず…。売っている食べ物もひとつひとつが結構大きかったし。

それとよー分からん雑貨の屋台も多かったです。ちょっとしたインテリア小物とか、木彫りのネックレスとか、子供向けのおもちゃとか。なんか日本のお祭りにもありそう。わざわざ今買わなくてもよいのでは? と正直ちょっぴり思っちゃう感じの…。

意外に、クリスマスらしい飾りの屋台なんかは少なかったですね。12月25日を過ぎていたからかもしれませんが。

クリスマスマーケットが年明けも開いているのがベルギーをデスティネーションに選んだ理由の一つだったのですが、よくよく振り返ってみるとクリスマスマーケットでは何も買いませんでした。う〜〜〜む、今思うと蜂蜜とかは買ってもよかったかも。

どうもクリスマスマーケットの写真が少ないな〜。買いもしないのに写真撮りづらかったと思われる…。
もやもやしつつ、写真の奥の方に見えている鐘楼へ向かっててくてくと歩きます。


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。



posted by 綾瀬 at 23:18| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2018年01月21日

ベルギー旅4日目(9) 貴婦人とビミョーな顔の獅子とドラゴンさんと

IMG_0504.JPG
思い切りアオリで撮ってみました。鐘楼に付随している繊維ホールの小塔です。

ゲントの街の鐘楼と繊維ホールは有料で内部を見学することができます。鐘楼が先にあって、繊維ホールは後からつくられたそうですが、いずれも13、4世紀〜15世紀頃に建てられたそうです。鐘楼には立派なカリヨン(鐘)が設置されていて、このカリヨンも構造を間近でじっくり見学することができました。

ま、順を追って、まずは繊維ホールの見学から!

見学者入口の所へ行くと、少し列ができていました。といっても7,8人くらいですぐに自分の番がやって来たのですが。
受付でお金を払い、中へ入るとそこがもう繊維ホールです。
繊維ホール、と言うだけあって、元は毛織物商人たちの会合や取引のためのホールとしてつくられたそう。でも、一時は牢獄としても使われていたとか。

IMG_0508.JPG
繊維ホール全体はこんな感じ。木組みの天井が美しい。床の幾何学模様の装飾も美しい。

IMG_0509.JPG
細部にはこんなふうに装飾に彩られた紋章や金言?家名??のようなものが描かれています。
落ち着いたペールグリーンの地色がとっても綺麗。

IMG_0505.JPG
こういう大きめの絵が描かれている壁面もありました。暖炉の上の部分や、その横の壁とか。
こちらは何か物語の一場面でしょうか。

IMG_0506.JPG
全体が分かりづらいけど、ややヒキでこんな感じ。

IMG_0522.JPG
順番にまた少しアップで。
さっき写したのと同じけど、物語の一場面のような壁画。光の加減で白く抜けちゃってるけど、背景に描かれているのはやっぱりゲントの街並みだよね。塔や聖堂のような建物の姿が窺えます。

IMG_0523.JPG
真ん中部分のアップ。
なんか得も言われぬビミョ〜〜〜〜な面持ちの獅子と、中世風に前髪を頭頂部近くまで剃り上げたヘアスタイルの貴婦人。ライオンさんなんでこんな表情なのでしょ。

わーこの絵は一体何を物語っているのか。すっごく気になる!
ゲントの地に伝わる伝承かなあ。貴婦人が持っている紋章や、獅子が掲げている旗は誰の物なんだろう。
何とも中世らしい中世!って感じの壁画で、貴婦人の描かれ方といい背景の街並みの様子といい、ヒジョーに気になります。
でも残念ながら説明的なものが見つからなかったので、この絵の由来や意味合いは分からずじまいです。
ご存知の方は教えてください。

IMG_0521.JPG
ライオンさんたちの隣の壁に描かれていたものです。
う〜んこれは何が書かれているのでしょうか。ラテン語由来の金言…的なものにしては文字が少ない気がするので、鐘楼や繊維ホールの建設・維持に功績のあった名家の家名などでしょうか。
全然分かりません。勘で言ってます。

IMG_0520.JPG
そうそう、ゲントの鐘楼のてっぺんには黄金のドラゴン像が鎮座なされているそうです。
ドラゴンはゲントの街の守護獣だそうで、こんなパネルがありました。色んなタイプのドラゴンさんが描かれています。巨大な翼を持つ子、赤くて空を飛んでいる子、舌がぐるんぐるんで九尾の狐ならぬ六尾のドラゴンな子、などなど。なんか漫画チックでコミカルな子も。

鐘楼のてっぺんのドラゴン像は何度か代替わりしているそうで、ゲントの住民の皆さんの思い入れが窺い知れます。なお、初代のドラゴン像は鐘楼内でお会いすることができます(*´ω`*)
ドラゴンって、西洋においては悪の化身として描かれることが多いように思うのですが、ゲントの街のドラゴンはよくよく街の人々に親しまれ、愛されているようで何よりでございます。いっつもやっつけられてばかりで可哀想だもんね、ドラゴン。


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。



posted by 綾瀬 at 16:23| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2018年01月31日

ベルギー旅4日目(10) 武器もあったりして

IMG_0513.JPG
武器があったのですよ。繊維ホールに。
とげとげボール。

IMG_0514.JPG
とげとげメイス。ネトゲで見たことある。

IMG_0511.JPG
こんな感じで格好良く飾られていてですね。

IMG_0510.JPG
しかも一面だけでなく、二面はあった。
ネトゲで見たことある(また言った)武器がいっぱいだね! メイス、クロスボウ、バトルアックス、バスタードソード…。

やっぱり武器ってかっこいいなあ! と、見ていて思うのです。
中二心をくすぐられるだけかもしれないが気にしない。
あと、当たると痛そう(痛いじゃすまない)。

実際、こんな武器をぶんぶん振り回して戦っていたのかと思うと、ああ痛そう。グロイ。うえぇ。みたいな気持ちにはなるんだけど、飾られている武器って洋物も和物も本当に素敵。美しいな〜って思うのは日本の武器の方ですけれど。西洋の武器は、特にとげとげメイスとかそういうのは、何ていうか本当に、グロい。それしか言うことないのかって感じですが。

平和な時代で何よりでございます。

IMG_0516.JPG
これは繊維ホールの奥の方から入口に向かって撮った写真です。ちょっと分かりづらいかもしれませんが、窓が並んでいます。向かって左側の面が少しは分かりやすいかな。この窓が、超絶可愛い!

IMG_0515.JPG
うーむ、光がふんだんに入り込み、そのおかげで室内も明るいわけですが、反射しちゃってよー分からん。光の加減が綺麗は綺麗だけど。

IMG_0507.JPG
なので暗いところの写真も(これはこれで暗すぎて窓以外の部分が分かりづらいけど)。
ステンドグラスの赤い縁取りの色合いが超プリティ!! このプリティな窓の向こう側に古都の風景が見えるとか超最高じゃん。
鎧戸的なものは内側に向かって設えられていますね。

IMG_0517.JPG
屋根と壁を支える石造りの梁。内部も全部石なのかなあ。中は木造なのかなあ。天井は木造っぽいし。

IMG_0519.JPG
こんな感じで、ドアの上部に紋章が描かれているところがありました。

IMG_0518.JPG
うーんかっこいい。でも、何の意匠かなあ。
王冠、はいいとして。クロスする2本の…木の枝???と、周囲を舞っている筋斗雲のような(……)ものと、綺麗に結ばれた房飾り。
私には紋章学の知識はこれっぽっちもなく、紋章どころか家紋の知識さえありませんが、意味が読み解けたらさぞや面白いだろうなあと思います。今から勉強するにはなかなか難しいと思いますが……。

IMG_0524.JPG
格好いい暖炉がありました。
こちらにもふんだんに描かれている紋章たち!
真ん中のは獅子のモチーフでしょうか。頭巾をして頭を隠しているのかな。緑色のマントみたいなのが広がっているけれど。
向かって左のは、なんだ、全然分からん!ケープだかマントだかっぽいものを羽織り、坊さんの被るような被り物をした首から上だけの人物(?)のように見えます。ドラクエあたりにモンスターとして出てきても違和感ない。で、この彼は、首から下には獅子の意匠の紋章をぶら下げていますね。
向かって右側はオーソドックスな獅子のモチーフの紋章でしょうか。獅子がお洒落してて格好いい。

暖炉はかなり大きくて、火を焚いたらば燃料代すごくかかりそうかなり暖かくなりそうと思いました。
暖炉もこのひとつだけでなく、複数あったかと記憶しています。ホール自体も大きく、立派な造りで、装飾も美しかったです。これだけのホールを作り、維持し、活用できたというだけでゲントが中世いかに繁栄していたかがつくづく偲ばれます。

私だったら、仮にこのサイズの暖炉があったとしても、燃料代を捻出できずにノー暖房のまま極寒の玄冬を迎えることでしょう。ベルギーでノー暖房とか凍死の危機です。

繊維ホールは見どころが沢山あって、お洒落で格好良かったです。
天井が木組みなのも落ち着いていてお気に入り。
でもみんな、速攻塔の方にのぼって行ってしまって、ホールを見学している人はあんまりいませんでした。
勿体ないと思う貧乏性であります。


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。


posted by 綾瀬 at 21:24| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2018年02月06日

ベルギー旅4日目(11) いざ鐘楼を昇ります! エレベーター万歳!!

繊維ホールを思う存分見学したので、いよいよ鐘楼へと昇ることにいたしました。ゲントの鐘楼にはエレベーターがあるのでーすひゃっほーーー!!

足腰に自信のないことについては自信のある私としては、徒歩で昇るのはつらすぎるのでエレベーター様様でございます。
昔フィレンツェのジョットの鐘楼に昇ったことがあるのですが、ここはエレベーターがなく、徒歩で上がるしかありませんでした。414段もあったんだよ!!ヘタレな私に昇れる段数か!!!

でも、昇りました。途中何度も休憩をはさみ、中二階的スペースでは端っこに座り込みしながら、何とか最上段まで昇り切りました。なんせ有料だったからね。お金払ってたからね。無料だったら多分最後まで昇ってない。途中でやめてた。
そんでそこまでして昇ったにもかかわらず、展望スペースには5秒くらいしかいなかったからね。

だって私高いところダメなんです。


恐いんですぅぅぅ、心臓はどきどきばくばくするし、足は震えるし、気持ち悪くなるし、恐怖から逃れるためにいっそ飛び降りてもいいのでは?とかいう危険思考が咄嗟に脳裏を過ぎるし、完全にヤバい人である。

高くても平気な時と平気じゃない時があるんですが、大体、塔的なところはダメです。
だから鐘楼的なものにはねえ、あんまり心惹かれないんです……疲れるし……が、この時はとりあえず自分の足で昇らなくてよいというメリットがあったので、高いところ怖いという心を押し殺しててっぺんまで昇ることにしたのでした。

IMG_0525.JPG
繊維ホールから鐘楼へは直接通路で繋がっていて、その通路が、遺構っぽい感じになっていました。その遺構の中にいらっしゃった背中合わせの方々。
鎖帷子っぽいもの着てます。中世騎士風の格好ですね。元々ここにあった像が復元された的なものなのか、そうでなく新しく設置されたものなのか、分かりませんが…。

IMG_0526.JPG
微妙に角度を変えてみる。

IMG_0532.JPG
ついでにアップも撮ってみる。私は何がしたいのか。

IMG_0531.JPG
通路には他にも、こんなふうに石板が展示されていたり。

IMG_0530.JPG
鉄製の長持ちが展示されていたりしました。
重厚な造りで、留め具なんかも重々しく、間違って閉じ込められたら死ぬな。って思いました(唐櫃だったら大声で叫んで喚いて暴れれば外の人に気付いてもらえるかもしれない)。

IMG_0533.JPG
いよいよ鐘楼の内部へ! 綾瀬調べによるとBELFORTというのは塔という意味のようです。

さあエレベーターだエレベーター! 私は楽しててっぺんまで昇るのだ!!!
…と思いきや!

IMG_0534.JPG
!!!!!!!

階段!!! まさかの!!!

ジョットの鐘楼414段の悪夢再びか!? いやだーーーあんなにぐるぐるぐるぐる階段昇るのはー!!! 昇るだけでなく降りるのもこわかったよーーー!!! 狭いし暗いし段差きついしすれ違うの大変だし、絶対に嫌だ!! 絶対に階段は嫌だ!!!

思わず肝が冷えましたが(すぐ冷える肝である)、階段はほんのちょっとだけで、この先に開けたスペースがあり、そこに無事エレベーターが設置されていました(*'▽')
ヨカッタネ。


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。



posted by 綾瀬 at 12:39| Comment(0) | 16年12月ベルギー