2017年02月19日

ベルギー旅2日目(5) 世界で一番美しい広場 グラン・プラス! そのよん

引き続きグラン・プラスを観光している記事の続きです。

前回の記事で、茅葺の建物が見切れている写真を掲載しました。その茅葺の建物、実は大きなクレッシュです!

IMG_0094.JPG
全体はこんな感じ。

IMG_0095.JPG
真ん中の赤い装束の女性がキリストを抱いた聖母マリアで、後ろに立っているのがヨセフでしょう。東方の三博士の訪問を受けています。

IMG_0096.JPG
羊さんと驢馬さんもいます。馬小屋なので…ってお馬さんはどこでしょーか。と思ってよくよく思い起こしてみると、今まで見かけてきたクレッシュでもお馬さんの描写があったようななかったような…。そこで調べてみたところ、キリストは「飼い葉桶のある場所」で生まれたのであって(家畜小屋とか、洞窟とか)、「馬小屋」であるとは限らないという説があるようです。ほー。そうなんですかぁ。洞窟っていうのはそういえば聞いたことがあるような…。
とにかくベルギーではその後もお馬さんのいない羊さんと驢馬さんの出演するクレッシュを見かけ続けるのでした。

さてさて、そんな感じでグラン・プラスをかなり満喫しました。そろそろ次の場所へ向かいましょう。目指すのは王立美術館です。
王立美術館は古典美術館・世紀末美術館・現代美術館・マグリット美術館などなど複数の美術館がセクションで区切られている施設のようです。単館から入場できますが、共通券もあります。全部を1日で見て回るのはちょっと難しそうだったので、せめて興味のある古典美術館と世紀末美術館だけは沢山見学できるといいなあと思っていました。

グラン・プラスからは南東の方角です。そんなに遠くはないので街歩きも兼ねて歩いていくことにします。地図上は1キロくらいに見えたのですが、実際は道が曲がりくねっていて多分1.5キロくらいあったかと思います。

IMG_0105.JPG

IMG_0106.JPG
歩いているうちに色々と素敵なお店の前を通りかかりました。見ての通り、レース店のショーウィンドウです。レース編みのための道具類も飾られていますね。レース、綺麗だなあ。こういうものを身に着けて優雅に暮らしていきたいものですがレースってすぐに引っかけてしまう…。生活が雑である…。

IMG_0108.JPG

IMG_0109.JPG
別のレース店です。こちらもとても綺麗。お手軽なお値段の工業生産品もたくさんありました。テーブルやサイドボードの上に飾ったりするのに良さそうです。思えば色々なレース製品がありました。上記のようなテーブルクロス、ランチマット、一人分のカトラリーをくるんでおく布(箸入れみたいな感じです。持ち歩けそう)、パンを入れる布、ワインボトルに着せる(?)布、勿論ハンカチ、ティッシュカバー、などなど…。
ワインボトルに着せる布(正式名称不明)はデザインも豊富でなかなか楽しかったのですが、何のために着せるのかは謎でした。ワインボトルの首と肩の間辺りにチョーカーのように身に着けさせていました。私はお酒が飲めないので買いませんでしたが、ワイン好きな方はいかがでしょうか。

通りかかるお店を覗いたりなんだりしながら歩き続けます。
IMG_0110.JPG
グレイッシュに打ち沈んだような色合いの石造りの街並み、やっぱり素敵です。冬のヨーロッパの重苦しく垂れ込めるような空もいいものです。

IMG_0111.JPG
歩き回っている途中、大きな兵隊さんを見かけました。マスコットキャラなのか(?)商品化されており、彼がパッケージになっている土産物も見かけました。
こういう、何と言いますか道と道の間の角に位置する、四角形でない建築物って日本ではあまり見かけないので何となく注目してしまいます。

IMG_0112.JPG
これとかも。

IMG_0113.JPG
建物のひとつひとつに趣がありますが、修復や改築の工事中のものも多く見かけました。こんなふうに養生用カバーに絵が描かれて景観に配慮しているのは、いかにも楽しい工夫だと思いました。

ところで、結構歩いているのですが王立美術館にはまだ辿り着きません。と、そうこうするうちに大きな建物が…。
IMG_0114.JPG
…んんっ?? これは、ノートルダム・デュ・サブロン教会です。微妙に道を行き過ぎた!
Google Mapを見て、慌てて正しい道へと引き換えします。いつも適当に歩いてしまうので、まあよくあることです。


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。


posted by 綾瀬 at 18:43| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2017年02月24日

ベルギー旅2日目(6) いざ王立美術館へ

そんなこんなで少し道を間違えたりしながら王立美術館にやって来ました。今回の記事は写真が少ないです。

IMG_0117.JPG
あっるぇー! すごい人だかりなんだけど! 国際色豊かな人々が(自分もな)正玄関前の歩道に溢れていました。とりあえず最後尾っぽいところに並びました。といってもそんな厳密な列があるわけではないのですが。そして私の後ろにもどんどん人が並んでいきます。
ところがこの列、全っ然動きません。ちょっと動いたかなと思いきや、それは列が進んだのでなく単に皆ちょっとずつ詰めただけなのです。
先頭の方を覗こうにも、それは列の折れた先のため、私の位置からは確認することができません。そもそもここに並んでいて本当に合っているのか、それさえ定かでありません。

少し不安になります。先頭まで辿り着いたところで、「ここはチケットを持っている人用の列で、チケット販売列は別だよ」とか言われたら目も当てられません。私はチケットを事前に購入してはいないのです。

ところで、この列に並んでいる時が、空港を除きベルギーで最も多くの日本人を見かけた時間でした。日本語あちこちから聞こえてきたよ。皆さん進まない列に困惑していましたが、日本人以外の皆様も明らかに困惑していました。

この時ちょっと雪が降っていました。頭に対する防寒装備のない私は雪を浴びながら突っ立っていました。粉雪だけど。耳たぶが冷たい…。

15分くらい進まない不毛な列というか集団の中に埋もれていたところ、突然背後から、明らかに私たちに向かって呼びかけるフランス語が聞こえてきました。何を言っているのかは分かりませんがとりあえず振り返ってみると、建物の角の向こうから職員と思しき女性が出てきて、明らかに「こっちこっち〜!」みたいな手振りをしています。

でも、誰もなかなか動き出しません。皆疑心暗鬼に陥っているのか。

寒空の中放置され、誰を信じることもできなくなった我ら多国籍ツーリスト軍団ですが、女性がしきりと「こっちこっち」するので、最後尾の人からぞろぞろと彼女について列の先頭の反対側に向かって歩き始めました。
私もちょっと迷いましたが、そちらについていくことに決めました。

角を曲がると、裏口みたいなところに誘導されました。こここそ「チケットを持っている人専用」だったら困るなあと思い、先頭を窺うと(窺ってばかりである)、お財布を出してチケットを購入しようとしている白人カップルが、それはここじゃないよみたいなジェスチャと共にチケットなしで中の方へ案内されていました。ってことはチケットはその先で購入できるということなのでしょう。よって私も安心して並び続けることにしました。

多分ここは混雑時の臨時の入口なのでしょう。列が進むまで分かっていなかったのですが、受付っぽいブースのすぐ脇が手荷物検査場となっていました。
ベルギー王立美術館はその昔、絵画に液体をぶっかけたクソボケ野郎がいたせいで、入館前に全入場者に対して手荷物検査が実施されており、大きい鞄なんかも持ち込み不可ということを聞いていました。おお、いよいよ入場が近付いてきたようで安心です。あのまま正面玄関前に並んでいたらまだ凍えていたかもしれません。

私の番が来ました。

イケメン職員「英語でいいですか」
私「えっ…ちょっとなら」
イケメン職員「英語でいいですね。あ、コートはそのままで」
ちょっとなら、という謎の回答をしてしまったことを激しく悔やんでおります。

まあ手荷物検査自体は普通です。電子機器やペットボトルなんかは鞄の外に出して、X線検査の機械に通します。自分自身も金属検査の機器をくぐります。

その後細い廊下を通って前に進みます。廊下の並びに売店があり、廊下を抜けると大きなホールになっていました。

とりあえず目についたレセプションっぽいところに並びます。チケットを売っているのだと思ったのですが、どうもここは総合案内所兼オーディオガイド貸出所のようで、チケット売り場ではありませんでした。チケット売り場はもう少し奥に進んだところでした。

この時、自分が最初に並んだ正面玄関のところを見てみたのですが、こちらにも手荷物検査の機器が備え付けられており、ついでに建物の外の列も既に解消していました。放置されていた我らは一体何だったのか…。

気を取り直し、チケット売り場へと並び直します。単館からの入場もできますが、私は欲張りに極力沢山見たいと思っていたのでオールコレクションチケットをお願いします。全部見るのは流石には無理でしょうが、これとこれ〜みたいに見たいところを厳選して細かく指定するのもめんどくさかったのです。

職員さん「ぺらぺーらぺらぺらくろーぜっとぺらぺら」
私「くろーぜっと?」

王立美術館は大きい鞄はロッカーに預けねばならず、外套類も預けることができると聞いていたので、そのことを言っているのかと思いました。ところが。

職員さん「のーくろーぜっと。あー、日本人デスカ?」※日本語
私「はい」
職員さん「2時間半。2時間半。OK?」※日本語
私「It's OK!(何が2時間半なのか全く分かりません。2時間半入れ替え制? まさか美術館でそんなことはないでしょ…)」

というわけで謎の2時間半というキーワードをゲットし、同時にオールコレクションチケットもゲットしました。これで王立美術館の全てのセクションに入館できます。私のようなわけわからん日本人にご対応いただき職員の皆様どうもありがとうございます。

まず美術館の内部に入るより先に、一旦売店へと戻りました。できれば日本語のガイドブックがないかなあと思ったのです。結構目立つ場所に、「ベルギー王立美術館 古典美術館名作ガイド(ベルギー王立美術館公認解説者の森耕司先生著)」という本があったので購入し、それから手荷物を預けるためのロッカールームへ向かいました。

そこで鞄類を全てロッカーに預け、ガイドブックを腕に、コンデジを首から下げ、貴重品はズボンのポケットに捻じ込み、以後退館までずっとズボンのポケットを気にしながら過ごし続けるのでした。が、ルーブル美術館のモナリザの前みたいに押し合いへし合いしながら見るという場所ではなかったので、特段危険を感じることはありませんでした。

あとこの時私はコートも全て預けなければならないと勘違いしていたので、自分の着ていたダウンもロッカーに突っ込んでしまったのですが、コートを着ている人はその後も普通に館内で見かけ続けました。館内は吹き抜けの構造で、要するに寒かったです。風邪を引かなくてよかったです。

いよいよ楽しみにしていたブリューゲルを見る時です。ブリューゲルの部屋のある古典美術館を目指し、総合ホールからいざ突撃です。

IMG_0118.JPG
ちなみに、王立美術館の外壁にはこんな日本語のパネルもありました。勿論日本語以外にも沢山ありましたが、やっぱりこういうところで見かけるとちょっと嬉しく思います。


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。


posted by 綾瀬 at 12:43| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2017年02月28日

ベルギー旅2日目(7) 突撃! 大ホール

古典美術館目指して歩き始めたわたくしですが。まず適当に突撃した結果、マグリット美術館へと侵入してしまいました。チケットの確認の係の方が、腕に古典美術館のガイドブックを抱えている私を見て何事か教えてくれましたが、一言も聞き取れなかった私は彼の言うことに耳を貸さず(貸したくても言葉が分からず)、I wanna goな姿勢を崩さなかったため、「…OK!」と言われ、そのままマグリット美術館へと…そして室内に一歩足を踏み入れた瞬間に自分の過ちと係の方の言いたかったことをまざまざと思い知るのでした。

そんで…そそくさと踵を返し…係の方が他の見学者の応対をしている隙をついて素早く彼の前をダッシュで駆け抜けました。購入したのはオールコレクションチケットなので、権利的には問題ありません。単にマグリット美術館を一番最初に、目にも止まらぬスピードで見学したというだけで…。

このエピソードですとマグリットに非常に失礼ですね。すみません。私だって本当はマグリット美術館をじっくり見たかったのです。でも、社畜には時間が限られていて…命も限られているんです>< 死ぬまでにどれだけ自由な時間があることか>< 

何が言いたいのか。

えー、とにかく上記のだっせー一幕を経て、とりあえずエントランス近くの大ホールへと戻ってきました。

IMG_0124.JPG
舞踏会でも開けそうなホールです。飾ってある絵画も物理的にデカい!!

IMG_0132.JPG
後に2階から撮った写真がこちら。吹き抜けに面した2階のアルコーブにまで彫像が飾ってあるのが何とはなしに好きです。

上掲の写真はいずれも入口の方を向いて撮影しているのですが、くるっと180度回転してこの反対側を真っ直ぐ奥へ進むと古典美術館へと続いていました。

でも古典美術館に進む前に何点か、ホールに飾られた絵で私の気に入ったのを。

IMG_0120.JPG
大きすぎて写真が歪んでしまいました。ドラクロワのあの有名な「民衆を導く自由の女神」に似ていると思って目を引かれました。ガイドブックにもコンセプトは一見似ていると記載がありましたが、この大きな絵画はドラクロワではなくワッペルスという画家の作品であるとのことです。
そう、でもこれも自由を求めて立ち上がる民衆の姿を描いた作品なのですね。ベルギー国旗が描かれていて、こちらも目を引きます。当時オランダに支配されていた、現在ベルギーとして独立している地域の民衆が、武器を取って支配者に立ち向かう絵なのだそうです。

IMG_0123.JPG
作者のお名前をメモしていなかったので分かりません…。ただ、この絵を見ている時「こんな色のワンピース欲しいなあ」と何故か物欲が刺激され、何枚もこの絵を撮影してしまいました。
物欲はともかく、何だか落ち着く、暖かい闇のような心地がします。私はこの絵が大層気に入りました。いや、ほんと、物欲はちょっと意味不明ですけどね。。。

他にもこんな絵や。
IMG_0121.JPG
この絵を拝見した時咄嗟に「ヒッこわっ!」と思ったのですが、静謐な詩情と幻想性と太古の原始的な調和を感じさせる作品であるという趣旨の解説がガイドブックに載っており、私の絵を見る目のなさがあらわになるのでした。いや、だって白い人がお化けっぽくて…。詩情や幻想性や調和、などなど、言われると分かる(負け惜しみ?)。

それからこんな絵も。
IMG_0122.JPG
この絵を拝見した時咄嗟に「ヒッこわっ!」と思っ(後略)。いや〜だってさ〜、突然ですが私、ネズミーランドにあるプーさんのハニーハントが恐いんですよ。不気味じゃないですか? 気のせい? とにかくそれと同じ気配を感じたのですよ〜。
でもよくよく見ていると、何だか逆に楽しそうな絵にも見えてきました。特に右側で目立っている鳥ちゃんな。駝鳥ちゃんのようです。ただ狂騒というか熱狂というか、とにかく狂乱に通じるようなものを感じて、その滅茶苦茶なエネルギーがあるからこそ楽しそうでもあり、咄嗟に不気味とも思ったのかもしれないです。
何じゃろと思ってガイドブックを見ると、カーニバルを表現した絵画ということで、狂騒も熱狂も納得なのでした。


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。


posted by 綾瀬 at 12:24| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2017年03月07日

ベルギー旅2日目(8) 突撃! 古典美術館…とてもアホな記事〜いえーい〜

IMG_0130.JPG
突然ですがお気に入りの一枚。
ホールの絵画を堪能し、いよいよ古典美術館へ続く通路へ足を踏み入れます。通路に入る手前の戸口で係の方にチケットを提示するシステムでした。そして入った先の通路には早速彫刻が展示されており、それらを見ながら更に進むと階段がありました。

んで、冒頭の一枚はその階段の踊り場の辺りに置かれていた噴水なのでした。

IMG_0129.JPG
全体はこんな感じです。ってかほんと、写真が真っ直ぐ撮れておらずなんか申し訳ない。今回の旅のために購入したコンデジちゃんに慣れるにはもう少し時間がかかりそうです。

IMG_0131.JPG
それはそうといえーいおっぱいいえーい。
噴水って、どこから水が出るって、おっぱいからですいえーい。

綺麗なおっぱいを堂々と鑑賞できるので芸術っていいものだと思います。昔の王侯貴族だってそうやって言い繕ってヌード画を描かせたりしたわけだしぃ。

はあ、私の知性はアホな男子中学生以下ですね。と述べることさえ各方面に申し訳ないレベル…。

うぅでも芸術作品における肉体美って私は好きですよー。だけど男性の肉体美にはさほど興味がなく、どうも女体美の方が見ていて楽しいです。このブログ書いてる人は女性ですが…でも女の人だってカワイ子ちゃんや美人さんのおっぱい美しい体は好きだよね? ね??

このまま記述を続けるのは何かアレなので一旦切ります。
次はいよいよ古典美術館の内部へ突撃です。ってこの通路や階段も美術館の一部なのですが…。

おっぱいいえーい


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。


posted by 綾瀬 at 23:27| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2017年03月11日

ベルギー旅2日目(9) 突撃! 今度こそ古典美術館〜おっさんたちに魅せられて〜

さてさて、階段を上りきり、2階へとやって来ました。

IMG_0133.JPG
いきなりごっつい絵画がお出迎えです。だって…。

IMG_0134.JPG
このお顔。てかよく見たら足の生皮剥いでますね? こわっ! 神話画なのは登場人物の服装から何となく分かりますが、一体どういう状況なのか。帰国後調べてみたところ…ギリシャ神話の神アポロンが半人半獣の精霊マルシュアス(サテュロス)と音楽勝負を行い、審査員を買収するなどの奸計を用いて(神様だから許されるのでしょうか)マルシュアスを下し、勝利の見返りに敗北したマルシュアスを生きたまま皮剥ぎの刑に処し殺害するところだそうです。
どこから突っ込めばいいのか分かりません。神と勝負する時点で思い上がり甚だしいという罪のようですが…アポロン嫌な奴だな! 神という時点で勝ってるんだから無駄な殺生しなさんな。
おっさん(マルシュアス)も上のような顔になるわけです。マルシュアスの顔の近くに転がっている笛が音楽勝負に使った笛なのでしょうね。

IMG_0135.JPG
相変わらず写真が斜めっています。この後もずーっと斜めってますがご容赦ください。。。
自らの髪で救世主の足を拭く罪深い女。聖書の有名なエピソードですね。
罪深い(とされている)、恐らくは娼婦であったろう女性が自らの涙と髪でイエスの足を洗い、拭き、香油を塗り、罪を許されるというお話です。

IMG_0137.JPG
この絵はご覧の通り祭壇画ですが。

IMG_0139.JPG
なんぞこのおっさん。
と思って何となくおっさんに注目してしまいました。この絵は中世イタリアはミラノ公国を代々治めたスフォルツァ家の一門の方からの注文で制作されたものだそうです。スフォルツァ家の紋章というのが、鷹と青い蛇(蛇というモチーフの元ネタはドラゴン的な怪獣)が男を飲み込んでいる図案を組み合わせたものだそうで、このおっさんは、蛇こそ青くないものの、その「青い蛇が男を飲み込んでいる」ところの表現だそうです。蛇というより原義に近いドラゴンっぽい怪獣の姿で描かれていますね。鷹はどこいったかというと、向かって左側のパネルの豪奢な衣装の男性(この人もスフォルツァ家の人間の姿だそう)の肩にとまっています。

IMG_0138.JPG
無理にアップで撮ろうとしたのでボケてしまいましたが、この赤い服の方の左肩の上ですね。

はからずもおっさんたちに着目することしかり。
私なりにとても楽しんでいます。


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。


posted by 綾瀬 at 16:29| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2017年03月17日

ベルギー旅2日目(10) 突撃! 今度こそ古典美術館〜犬とその他動物たち〜

ガイドブックを抱えたまま館内をうろつき続けている記事の続きです。ガイドブックを見ながらですと、作者のことや社会背景や、絵の鑑賞ポイントなどがよく分かるのでとても楽しいです。

IMG_0142.JPG
この絵は左から右へと時間が流れて一つの物語を成しています。
左側のパネルの左端、白衣の男性が奥方をはじめとする人々に付き添われて進んできます。白衣は死装束で、左のパネルの手前で彼の首は胴体とサヨウナラしてしまい、その首を赤いドレスの奥方が白布の上に受け取っています。そして右側のパネルでは、夫君の首を抱いた奥方が焼けた鉄の棒を手にし、正面に座る偉いっぽい人に差し出しています。偉いっぽい人はぐうの音も出ないみたいな顔をしています。

右側のパネルの奥方一瞬で随分老けたな、旦那が処刑されてるっぽいからそりゃ老けもするわな、というアホな感想をもって鑑賞した後ガイドブックを見ると、この大作の制作中、下絵まで済ませたところで作者のボウツスという画家は亡くなり、左側の、まだ若く見える方の奥方(赤いドレスの奥方は勿論全部同一人物なんですが)は弟子か別の画家の筆になるもののようです。奥方が老けたというのでなく(恥)、画家の腕の違いのようですね。
この写真だと解像度を落としてしまっているので全然分かりませんが、細かいところを見るとやっぱり右側のパネルの奥方の方が格段に人間らしさがあります。左側の方の奥方は、つるっとしていて綺麗なんだけども能面のような冷たい、単なる装置のように見えてしまいます。あと同じ赤い衣装でも、衣装の質感が断然右側の方がよいです。
物語は、赤い衣装の奥方が焼けた鉄の棒を握って、皇后の讒言により皇帝に処刑された夫の無実を証明するという筋立てだそうです。焼けた鉄の棒を握っても火傷を負わないという奇跡で、神によって潔白が証明されるという理屈です。奇跡でもなけりゃ筋が通らんだろうという無理難題によって身の潔白を証明するという神明裁判は中世においてはよくあったことのようです。異端審問に悪用されたりもしたそうな。古代日本でもあったようですよ。
勿論、ぐうの音も出なそうな顔をしている冠をかぶった豪奢な衣装のおっさんが皇帝で、人を陥れるしょーもない皇后は右側のパネルのいっちゃん奥で(この写真だと豆粒くらいの大きさになっちゃってますが)火刑に処されています。
神によって正義が実行され、これで鑑賞者もほっと一安心です。

IMG_0144.JPG
玉座に座る皇帝の足元にセレブ犬がいたので撮りました。ダックスフントでしょうか。
犬が好きです。猫も好きですが。

以下、実際の鑑賞順とは異なりますが気に入った動物たちを。

IMG_0171.JPG
クエンティン・マサイスによる「聖アンナと聖母子の三連祭壇画」。(すみませんタイトル分からなかったので勝手につけました。主題は間違っていないと思います。た、多分…)

IMG_0172.JPG
左側のパネルの右下に座ってます。コッカー・スパニエルみある。

IMG_0173.JPG
ピーテル・アールツェンによる「聖パドヴァのアントニオの巡礼の帰り道」。

IMG_0175.JPG
やっぱりコッカー・スパニエルみある。

IMG_0176.JPG
犬ってよくこういう表情しますよね。うへへか〜わいいな〜もう! 情けないポーズがたまらん。

IMG_0192.JPG
ヤコブ・ヨルダンスによる「王様が飲む」。
一気に画調がバロックっぽくなってきました。王様だ〜れだ!ゲームで盛り上がる庶民たち。未だ革命遠きこの時代(16世紀)に庶民が描かれている様子はさすがフランドル絵画らしい。

IMG_0193.JPG
ご馳走ちょうだい〜とおねだりする犬。とても可愛い。超可愛い。今も昔も変わらぬ、ごちそう目当てにお愛想振り撒くわんこ。ビーグルみある。

IMG_0194.JPG
ちなみにわんこにおねだりされているこのノリノリのおっさんは作者のヨルダンス自身の模様。このおっさんノリノリである。
中央の王様は彼の師匠にしてお舅さんの画家、アダム・ファン・ノールトとのこと。家族仲良く盛り上がっていて何より。犬好き一家だったのかもしれません。飲みすぎて一部アレしているおっさんも画面左側にいますが……。
楽しい祭りの一日です。でも単なる馬鹿騒ぎだけの祭りというのでなく、王様の王冠には聖母子の絵が描かれています。

犬ばかり着目してしまいましたが。
IMG_0155.JPG
こちらは絵画の詳細が分かりませんでした。どうもアントワープで活躍した画家たちのグループの手による祭壇画のようですが…。

IMG_0156.JPG
リスもいるよ! 上の絵のどこにいるか探してみてね。


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。



posted by 綾瀬 at 23:22| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2017年03月21日

ベルギー旅2日目(11) 突撃! 今度こそ古典美術館〜美女たちといえーい再び〜

今回は美女特集です。鑑賞した絵画の中でお気に入りの美女たちを勝手に紹介します。ぽろりもあるよ!

IMG_0153.JPG
フィリップ美公と女王フアナの夫婦の肖像。フアナはあの有名なカスティーリャ女王La Loca狂女フアナです! 超美人!!

IMG_0154.JPG
美人ですねークールビューティー!! 旦那のブルゴーニュ公フィリップはまあ…私の好みではない…でも、美公とか端麗公とか言われるくらいで当時からイケメンで有名だったらしく、イケメンの名にふさわしく浮気性で(こんな美人で身分が高くて子供も沢山産んでくれた奥さんがいるのに…)、イケメンの名にありがちにアホでカスティーリャ中から総スカンをくらっていたようで、女王様はご苦労なさったようです。
奥様がカスティーリャ女王というだけで自分も王様気分でカスティーリャの領土を勝手にフランス貴族に分け与えるなどアホオブアホな行為を重ねる屈指のアホ旦那ではありましたが、そんなクソの役にも立たない足手まといのアホ旦那でも愛してしまったのが運の尽きということで、アホすぎて嫌われまくって毒殺だったのではないかという噂の立つ夫の死の後、元々危うい均衡の上で揺れ動いていた(それもアホ旦那の度重なる女遊びのせい)彼女の精神は遂に崩壊してしまい、今に至るまで狂女という名を残してしまうのでしたとさ。
そんなに人を愛せるのがすごい。私だったらそんなクソ馬鹿旦那は何としても闇に葬り去るところです。そんで再婚するわ。
この絵が描かれた当時はまだフアナは正気を保っていた頃なのではないかと思います。理知的で明晰そうなお顔をしていると思います。はあ美人だなあ。

IMG_0157.JPG
おっぱいいえーい。
この絵を見た時、この主題は何かどっかで聞いたことがあるような…でも分からん!思い出せん!とりあえず中央のチャンネーいい女だなげへへ…みたいな感想を持ちまして、帰国後に調べたところ、旧約聖書のダニエル書輔弼部分の中にあるエピソードを描いたもののようです。
そのエピソードというのは、画面左端の見るからにいやらしいおっさんふたりがおっぱいいえーいという私とよくよく共通するすけべ心により画面中央、麗しのスザンナ(人妻)の水浴姿を覗き見した挙句、帰ろうとするスザンナの前に立ちはだかって「一発やらせなかったらお前がイケメンと密通してたって告発したるからな」と脅して関係を迫り、それを拒んだスザンナは偽の告発によって窮地に立たされるものの、最後にはすけべおっさん二人の証言に食い違いがあることから潔白が証明されめでたしめでたし、というものです。
おっさんらしょーもないな…。クズである。

IMG_0158.JPG
スザンナは美人!金髪の表現や、髪飾りの透け感がとても美しいです。

IMG_0159.JPG
この人たちは侍女的な人たちでしょうか。この人たちも美人さんです。

IMG_0160.JPG
おっぱいいえーい。

私もしょーもないクズおっさんらと大して変わりませんな…。

長くなったので一旦切ります。
ちなみに次回も美女特集ポロリもあるよは続きます。私はどれだけ美女が好きなのでしょうか…。


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。


posted by 綾瀬 at 12:48| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2017年03月25日

ベルギー旅2日目(12) 突撃! 今度こそ古典美術館〜美女たちといえーい再びの再び〜

前回に引き続き美女特集です。敢えてもう深くは言うまい。

IMG_0161.JPG
スケスケの綺麗なチャンネーとおっさんと服を着た綺麗なチャンネー。

IMG_0162.JPG
前回ご紹介したスザンナとおっさんの絵でもそうでしたが、こちらのチャンネーもとても綺麗な髪飾りです。腕輪も綺麗ですねえ! 何やら悩まし気なこちらの美女の眼差しが気になります。

IMG_0164.JPG
衣服の表現も大層繊細で優美です。レースの透け具合、布地の光沢、皴に対する光の当たり方…。何と言いますか、「綺麗な絵」らしい「綺麗な絵」を見たなあという充足感がありました。

ところでこの絵の場面は一体どういうところだったのかと言いますと…帰国後に調べたのですが、ロトと娘たちという旧約聖書にある有名な近親相姦のエピソードだそうです。つまりこの綺麗なチャンネーたちは真ん中のおっさんの娘達…。
色々あって神様が街を滅ぼすぞーってことになり、ロトは家族を連れて街を脱出するものの、振り向いてはいけないという神の仰せに背いてつい背後を振り返ってしまったロトの妻は塩の柱となってしまい(ここ超有名なエピソードですね)、逃げおおせたロトと娘たちはその後洞窟へ落ち着くのですが、そこで娘たちはロトを酒で酔わせ、近親相姦に及び子供を産むという……。
それも子孫を残すためやむを得ず、というところのようですが、この絵の上ではそういう要素はあまり表出していないように思われました。

そしてこの作者、女の人の表情がどれもこれもよく似ています…。おっさんの方が活き活きと描けているように思えます。それでも私は美女が好きです!

IMG_0165.JPG
お馴染みアダムとイブパイセン。ポーズもあってか、イブからはチャーミングで可愛らしい印象を受けました。楽園から追放される身ではあっても、罪に打ちひしがるというのでなくどこかポジティブで、明るい感じがするのです。とイブに夢中になっていたら写真がやたらと傾いてしまい(いつも傾いてるけど…)あれこれ悔やまれてなりません。

IMG_0166.JPG
さーて今度の美女は。
これも分からなかったので帰国後に調べました。裸の美女はギリシャ神話に登場するアンティオペという女性で、アンティオペはゼウスと結ばれて双子の男の子を産んだ女性とのことです。で、ゼウスはアンティオペと結ばれる時、アポロンに生皮剥がされて殺害されたサテュロスに変身していたそーで、この絵でもサテュロスの姿で描かれてるっぽいんですが、おっさんふたりいますね? どっちがゼウス? どっちもサテュロスっぽい雰囲気の姿かたちですが…。あ、サテュロスって種族名(?)であって固有名詞ではないらしいです。多分。だから二人いてもいいっちゃいいんだけどでもいずれにせよゼウスはどっちだ? 分裂したのか? よく分かりませんが、ゼウスとアンティオペが結ばれた証に羽の生えたエロスの姿も描かれていますね。

IMG_0167.JPG
アンティオペと二人の子供たち。右の子やたらドヤってます。アンティオペは幼顔の美人ですねえ。

あと何点か気に入った女性の絵を。

IMG_0169.JPG
威厳のある、身分の高い貴婦人の肖像。誰かの奥さん、というよりはこの方自身が君主のように見えます。この方がどなたか、はっきりとは分からなかったのですが、どうもネーデルラント総督を務めたパルマ公妃マルゲリータさんであるようです。彼女は神聖ローマ皇帝カール5世の庶子で、そうなるとつまり庶子とはいえハプスブルク家のお姫様というわけで、そりゃ威厳も備わりますなあ。
マルゲリータさんじゃなかったらすみません。


IMG_0170.JPG
この人は、一般的な美女というのには当てはまらないでしょうが、力強い庶民のお母ちゃん! って感じで気に入ったので写真を撮りました。顔も骨が目立ってごつごつして、身体つきもたくましくて、繊細とか優美とかそういう私好みのフレーズとはかけ離れているけれどとっても好ましい。何とも頼りがいがありそうで。それに、描かれている食材たちも鮮やかで目を引かれました。
作者はわんこ特集の記事でご紹介したコッカースパニエルみあるわんこたちの絵(主題は聖パドヴァのアントニウスですが)の作者、ピーテル・アールツェンで、庶民の生活をこれまでにない切り口で描いた風俗画、また鮮やかな静物画などで評判を博した画家だそうです。うーん分かる(気がする)。
フランドル絵画によく描かれた庶民の姿って、本当に心を奪われます。

IMG_0195.JPG
最後にいえーい再び。いつも胸部によく注目してしまうのでたまには臀部も…。
作者はこれもわんこ特集でご紹介したノリノリ王様ゲーム一家を描いたヨルダンスです。こちらは「豊穣のアレゴリー」というタイトル。臀部もよいのですが、瑞々しい果物たちも素敵です!


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。


posted by 綾瀬 at 22:31| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2017年03月30日

ベルギー旅2日目(13) 突撃! 今度こそ古典美術館〜いつの間にかブリューゲル〜

あまり細かいことを気にせず、一応道筋に沿いながら適当に進むこと、ここまでで1時間くらいでしょうか。私の目の前にそれは突然現れました。

IMG_0177.JPG
こ、これは!
かの有名なピーテル・ブリューゲル(おとん)の「イカロスの墜落」ではありませんか!!
ふと室内を見渡すと、そこにはどこにもブリューゲル、ブリューゲル、ブリューゲル(息子もいる)!
いつの間にか私は、古典美術館で最も見たいと思っていたブリューゲルの部屋へやって来ていたのでした。
本の中でしか見たことのないフランドル絵画の大家ブリューゲル(主に父)の傑作たちに囲まれ、弥が上にも興奮は募ります。この時脳裏をルーベンスの絵を見て絶命したネロ&パトラッシュの姿が何とはなしに過ぎりましたが今回のベルギー旅行では残念ながら二人が絶命したアントワープへは行きません。無念。

しかしまあ私はネロたちのように絶命することなくただ興奮していただけです。キモい。でも、ブリューゲルの絵を実際に見る機会など人生においてそう何度もあるものでないのでキモいのは大目に見てください。

IMG_0178.JPG
墜落したイカロスの溺れる足。中野京子先生の「怖い絵」シリーズでもおなじみのブリューゲル。空を自由に飛ぶという偉業に挑み、実際に成し遂げ、そして高く上りすぎたが故に墜落して死にゆく男に対し、誰一人として注意を払う人物はいません。英雄は呆気なく死んでしまいます。世の中そんなもん。

でも、ブリューゲルが言いたかったのは「世の中そんなもん」ではなく――恐らくは、そんなもんである世の中に対しても負けず、自由のために戦いを挑み続ける人々への称賛と、過酷な圧政を行う宗主国スペインに対しての非難であったろうと思われます。
と言うのも、色々理由はあるのですが、この絵の背景ってフランドルっぽくないですよね。どこなんだろう、と思っていましたら、解説書によるとナポリだそうです。ブリューゲルはイタリアに遊学していますから、ナポリを描いても何ら不思議はありません。でも、わざわざ何故ナポリ?

この時、実はナポリはスペインの領土となっていたそうです。しかも当時のナポリを統治していたのはフランドル総督でもある悪名高き(?)アルバ公…。血の審問所を設立し、多くのプロテスタントを虐殺しました。結果的に彼の弾圧によってネーデルラントは独立戦争へ突き進むこととなります。そうして最終的にスペインは富裕なるフランドルを永遠に失うことになるのでありました。という事情が分かってくると、その因縁が絵の中から浮かび上がってくるようです。

フランドルを愛するブリューゲルと、フランドルを支配し、蹂躙するスペインとの関係性は切っても切れません。

この絵はブリューゲル本人の真筆でなく、コピーだそうです。コピーといっても贋作だというのとは違って、昔は作品を作者本人や別の画家がコピーして複製することはよくあったようです。ちなみにこの「イカロスの墜落」のオリジナルはまだ見つかっていません。恐らく失われてしまったものと思われます。

ところでスペインってカトリックの守護者的立ち位置の巨大な帝国ではあるのですが、カトリック擁護だけを突き詰めていった結果没落してしまうというあたり、何と言いますか学ぶところがいっぱいあるなあと思います。商売上手なユダヤ人を追放し、当時最先端の技術を持っていたムスリムを追放し、同じキリスト教徒でも異端とみなしたプロテスタントを迫害し…自分たちとほんの少しでも考えの違うことは許せなかったのでしょうか。反発され、最後には独立され、お金も稼げなくなり、テクノロジも失い、戦争に次ぐ戦争、でも結局カトリック一色の世界を作り上げることはできず…。
ああスペイン行ってみたいなあ〜。生ハムとパエリアが呼んでいる…。

話が長くなりすぎました。

IMG_0179.JPG
ブリューゲル(父)による「ベツレヘムの人口調査」です。

IMG_0190.JPG
そしてこちらがブリューゲル(長男)による父の作品のコピーです。
両者は同じ部屋の別々の壁に掛けられていました。

ブリューゲル(父)は妻との間に息子二人と娘一人をもうけたそうですが、かなり早くに亡くなったため、息子たちに絵の手ほどきをすることはほぼできなかったと言われています。でも二人の息子はそれぞれ優れた画家になりました。あと娘さんは画家と結婚したようです。画家一族!

息子による上掲のコピー作品は、父の残したデッサンか版画を元に作成されたものだと見做されています。息子の作品が全体的に茶色っぽいのは、使われている画材の質の差だそうで、要するに息子の作品の方は低品質の画材を使ったため劣化して茶色くなってしまい、元からここまで全部が茶色かったわけではないそうな。

父の作品の方が色鮮やかですが、その色鮮やかさを残すためには高価な画材を使わなければならないというわけで、やはりいいものには金がかかるんだな…と思いました。アホな感想で恐縮です。

この絵も勿論、スペインへの批判を含んでいます。ベツレヘムの人口調査、という聖書に記されている紀元前の出来事を描きながら、ここに描かれているのはフランドルの人々です。
本来豊かだったフランドルの人々は、スペインの圧政によって困窮していました。紀元前のベツレヘムに仮託して、ブリューゲルはフランドルの人々の苦難を描いているのです。

人口調査は画面左下の建物で行われています。人々はここで税金を納めなければなりません。サラリーマンであるわたくしも普段所得税だの住民税だのなんだのとおサラリーから差っ引かれているわけですが、ここに描かれている人々は税金が給与から天引きされているわけではないので自分で稼いだお金を持ってこなければなりません。
でもフランドルの人々は長年の過酷な弾圧で手元にお金がなく、現物(主に鶏)を納めるしかない人たちも大勢います。

受付には、そうした現物納入するしかない貧しい人々が集まっています。幾分裕福そうな身なりの一部の人々はキャッシュでお支払いしていますが、そんなことができるのはごく一部の人々のみで、多くは現物を手に押し合いへし合いしながら自分の順番を待っています。

それでもって貧しい人々は、税金を納めた後飲み屋で一杯やろうぜというわけにもいかず、仕方なく野外で焚火にあたって少しでも暖を取ろうとしています。画面中央奥側の、何やら倉庫っぽい趣の建物のところにたむろしている人々の様子がそれだそう。

う〜ん過酷だ…。ぱっと憂さ晴らしに一杯やることも、お家に帰ってぬくぬく温まってごろごろすることもできないくらい、経済的に困窮しているのです。私だったら雪の積もるクッソ寒い中納めたくもない税金を納めるなんて胸糞の悪い一仕事を終えた後は、お家に帰って大好きな紅茶を入れてストーブに当たりながら電子書籍で漫画なんか読んでごろごろしたいところです。でも、そんなことが許されるのは大金持ちだけなのですね。庶民にはそんな贅沢は夢のまた夢…。

それもこれも全てスペインの容赦ない圧政のせいです。
そんな時代がいずれ終わることを、後世の人間である私たちは知っています。でも、当時を生きていた人々が後の歴史を知る術はありません。彼らにできるのは、希望を託し、自分たちの戦いがいつか報われるのを信じることだけ…。

けれど、この絵画にもスペイン統治時代の終わりは示唆されています。画面右側奥に要塞のような建物が見えます。この建物、拡大すると分かるのですが、半分崩れかけているのですね。軍事的な施設である要塞が崩れかけている、つまり武力で無理矢理フランドルを征服したスペインが、そのスペインのフランドル支配が崩壊しつつある…ということが示されていると思われます。

長くなったので一旦切ります。
次回もブリューゲルのお部屋を見学しまくります。

にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。


posted by 綾瀬 at 08:04| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2017年04月03日

ベルギー旅2日目(14) 突撃! 今度こそ古典美術館〜もっかいブリューゲル〜

ベルギー王立美術館、古典美術館のセクションでブリューゲルの部屋を見学している記事の続きです。

IMG_0187.JPG
こちらもやはりピーテル・ブリューゲル(父)の作品、「鳥わなのある冬景色」です。
雪と氷に蔽われた寂しげな冬の景色。凍り付いた川の上では子供たちが遊んでいて、活気があるようなのに、やはりどこか寂しくて、少し不気味な感じさえします。

この作品もやはりフランドルの農民たちの生活の苦境を描き出した絵画です。タイトルの鳥わなは、画面右側に描かれています。戸板みたいなのにつっかえ棒をして、鳥が来たら棒に括りつけた紐を引っ張って鳥を捕まえるという、私は狩猟には明るくありませんが、それにしたって随分原始的な罠だなあといった印象の罠です。
でもよく考えると、こんな、雪の時期に鳥用の罠があること自体が不自然です。狩りのシーズンはこんな厳冬の時期ではないはずです。それとも王侯貴族のスポーツシューティングでなければこんなもんでしょうか?

ガイドブックを読みますと、やはり真冬は狩猟期でなく、シーズンではなくても飢えを凌ぐために農民たちが一縷の希望を託して仕掛けた罠であることが解説されていました。鳥たちもやたらと痩せていて貧弱ですが、その鳥たちを何とか捕らえて命を繋ごうという必死の努力なのです。
そこまでしないと生き延びてゆけないほどにフランドルの民は困窮していました。もともと豊かな大地で、中世には隆盛を誇った都市も多く抱えているというのに…。
この絵は少しずつ死に忍び寄られているように思えました。全体が、死によって蔽い込まれていくような印象を受けました。息が詰まるような厳しすぎる冬の景色です。


IMG_0188.JPG
こちらは一転、打って変わって楽しいお祭りの光景です。
ピーテル・ブリューゲル(長男)による「謝肉祭の争いと四旬節」です。ただ、こちらはやはり父ブリューゲルのオリジナルを息子ブリューゲルがコピーした作品であるとのことです。

楽しいお祭り、と書きました。でもそのわりに、細かいところをよく見ると何だかあちこち不穏な気配がします。
まず、謝肉祭と四旬節なのですが、四旬節の最初の数日間が謝肉祭のカーニバルで、その後が四旬節のメインな日々である肉を断ち何をするにも節制しなければならない時期、それが終わると復活祭、というのが超おおざっぱな時系列です。なのでガイドブックによりますと、謝肉祭と四旬節の節制が同列で一枚の画布の上に描き出されるのは画家の極めて独創的なアイディアであるとのことです。ほうほう。

画面中央下部を見ると、左側に大きな樽に乗ったデブおっさんがいます。デブおっさんは、奇妙な扮装をした一行を従えて豚の頭を刺した串を持ってふんぞり返っております。
一方右側には、やたらと頼りない体つきの、ほっそりとというか明らかに栄養の足りていないガリガリの人物が椅子に腰掛け、パンを焼く時のヘラをデブおっさんに向けて持っています。ヘラの先にはこれまた貧弱貧弱ゥとしか言いようのない悲しげなお魚さんが2匹、ひっそりと乗っかっています。

デブおっさんの少し後ろに、パンの乗った丸テーブルみたいなのを頭に載せてる頭湧いてんじゃないかというような黒マントの人物がいます。実はガイドブックによりますと、こういう極端に張り出した丸い被り物を頭に載せているのは、当時におけるスペイン人の表現だそうです。実際に当時のスペイン人がこういうのを被っていたかどうか分かりかねますが、被っていたとしたら巨大な菅笠みたいな感じでしょうか。

いずれにせよ、丸々太ったデブスペイン人一行。身に着けている衣服も心持ち上等そうな気が…。
一方、哀れなほどに痩せ細ったフランドルの民衆たち…。
この一点だけを見ても、画家の言いたいことはつまりそういうことなのですね。そこだけについて述べましたが、さすがに登場人物の多い絵画だけあって、細かい隅々まで見るともっと色々なエピソードが窺い知れ、大層面白いです。


IMG_0189.JPG
こちらも楽しそうなお祭りの光景です。
やはりピーテル・ブリューゲル(長男)による「劇と聖人行列のあるケルメス」という絵です。
ケルメスって何ぞ?と思ったのですが、村の守護聖人を祝うお祭りのことだそうです。ほうほう守護聖人。いかにもキリスト教っぽいですね。フランスなんかでは自分の誕生日より守護聖人の記念日みたいなのを大事にする習慣があるとも聞いたことがあります。本当かどうかは知らない。

画面全体が、いかにも田舎の村って感じの重量感のある焦げ茶色に彩られているように見えます。タイトルの通り画面中央では劇が催され、押し合いへし合い大人気。その下の方ではいかにもお祭り然とした巨大鍋でお料理がこしらえられています。もうあちこち飲めや歌えや踊れや騒げやの大騒ぎです。楽しそう。

これまで見てきた絵に比べて、暗い感じがしません。でもここにもスペイン人は描かれてるのです。って解説読まないと全然分かんなかったけど。

スペイン人の目印でもある例の丸い被り物を探します。が、あそこまで大きな丸いものを頭にかぶっている人物は見当たりません。どこだーと思いきや、実は画面中央下部、よりやや左寄りの宴会の席で、樽をテーブル代わりにして突っ伏している人物がいます。頭には黒くて丸い鉄の兜みたいなのを被っています。こいつだ!

謝肉祭と四旬節の絵と違って、丸い被り物は誇張されておらず、控えめに描かれています。ところで彼、いい気持ちで酔っ払ってしまったらしく、大事な武器(クロスボウみたいなの)を足元に取り落としています。おいおい…。

鬱陶しいスペイン人が寝こけている間に、フランドルの民衆は宴を謳歌し、飲み、食い、笑い、踊り、歌い、騒いで楽しむのでした。




IMG_0191.JPG
こちらもピーテル・ブリューゲル(長男)による作品、「屋外での婚礼の踊り」ですが、これもまた父ブリューゲルのオリジナルに対するコピー作品であるとのことです。ちなみに父ブリューゲルのオリジナルはアメリカのデトロイト美術館にあるそう。いつかアメリカも行ってみたいものですね。

ミュージアムショップで買ったガイドブック「古典美術館名作ガイド」には、長男と父の作品を両方並べて掲載してくれているので、パッと見比べることができるようになっていました。
なんか全体的に長男の作品の方が皆ブッサイクに改変されて…いや、気のせいかな。コピーと言っても、そっくりそのまま写すのでなく、自分の解釈やら改変ならを加えた、現代の感覚で言うならば「父ブリューゲルの作品にフィーチャーされた」オマージュ作品のような印象を受けました。

だってぇー、父ブリューゲルの作品にはいかにも婚礼らしく、新郎新婦のダンスが描かれているのに、長男ブリューゲルの作品には何故かその新郎新婦のダンスは描かれていないのです。他にも色々改変が加わり、若いチャンネーがおばちゃんになったり、そこそこ若そうな兄ちゃんが赤ら顔のおっさんになったり、やっぱり全体的にみんなブッサイクに改変され…あわわ。

ですが両方とも、楽しそうに踊り、抱き合うカップルがあちこちに登場しています。チッいちゃつきおってからに…と私が口走ったかどうかはさておき、やっぱり、この絵に登場する皆様はそんなに裕福な人々ではない、と言うかはっきりいって貧しい一般民衆たちが殆どです。

でも楽しそうに踊って、抱き合って、愛の喜び、生きる楽しみを謳歌しているように見えます。ほの暗いものが全くないわけではない(特に父の作品の方)のですが、愛とか生とか、そういった前向きな喜ばしいものへの祝福を感じさせます。

ところで、画面のテーブルを囲んでお金らしきものを見つめている一団がいます。真ん中に座っている花冠を被った女性が花嫁と思われます。あんまりお金がなさそうで、ちょっと浮かない雰囲気です。でもこれが父ブリューゲルの作品ですと、テーブルの上には一枚の硬貨すら残っておらず、貧困はいよいよ深刻です。少しなりとお金を足したのは、長男ブリューゲルの情けのようなものでしょうか。分かりませんが、多少容赦したというか、手を加えたというか、とりあえず明日すぐに食べ物が買えなくなるといった状況ではないことに少しは安堵します。

あと、この絵に出てくる男性たちはコッドピースという、現代の感覚からするとかなり謎なファッションを身に着けていますね。コッドピースというのは、あれです。股間に着けている布です。これが大きくて、高く持ち上がっていてご立派であればあるほどお洒落でイケてるという当時の摩訶不思議な流行です。ホルバインのヘンリー八世の肖像なんかでも超ご立派様なコッドピースが描かれています。

どこがお洒落…と思うのは現代の感覚であり、ま、子孫繁栄しないといけないですからね。ご立派様でございます。


にほんブログ村ランキングに参加しています。
もしよかったら応援のポチをお願いいたします。1日1回まで有効です。


posted by 綾瀬 at 12:46| Comment(0) | 16年12月ベルギー