2018年08月12日

8/8 世界バレエフェスティバル Bプロ(1)

3年に1度東京で開かれる世界バレエフェスティバルを初めて観覧して参りました。

公式サイト

3年に1度だしーと奮発してS席です。
とはいえ仕事と予算の関係で全部のプログラムを見ることは叶わず、Bプロのみ。チケットを取る段階ではAプロ、Bプロの演目も決まっていなかったので、「演目も分からんのに26,000円も払うなんてすごいな」と思いつつ、バレエというのはそんなもんじゃろと、仕事の兼ね合いで一番都合のつきやすかった8月8日、Bプロ初日を観に行くことにしました。
勿論本当はAプロも、ガラも、特別全幕のドンキも見たかったよー。でも、結果的にはBプロは私の見たかった演目が目白押しで超ラッキーでした。それにお気に入りのダンサーも何人か見つかったし、今後のバレエ観覧ライフの充実への大きな助けともなりました。
それと当日の予報では台風直撃コースでぎりぎりまで無事開演されるか(そして終演まで保つか)ドキドキしていましたが、意外にも行きも帰りもそんな暴風でも豪雨でもなく、これまたラッキーだったのでした。

19演目、4時間以上にわたる長丁場で(若干腰と背中が心配で)したが、割りと頻繁に休憩を入れてくれたので助かりました。その分1回1回の休憩時間が短いのでトイレは争奪戦でしたが…。

指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル(「ソナチネ」「椿姫」)

― 第1部 ―
「眠れる森の美女」
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オレシア・ノヴィコワ/デヴィッド・ホールバーグ


格調高く美しい「眠り」。最終幕、オーロラ姫とデジレ王子の結婚式のパ・ド・ドゥ。ノヴィコワさんの腕と足の動かし方、止めた時の形、とても美しく見惚れてしまいました。でもこの演目を見ている時、すごく心が動いたのですが、何だか違和感があって、瞬間的に「もしかして私が今感動しているのは踊りの方じゃなくてオーケストラの方…?」という思いが芽生えたのも事実。オーケストラ良すぎで踊りが負けてる。そんなあ。
でもこの日のオーケストラは最高に素晴らしかったです。「もっと演奏聴いてたい」って、はっきり思ったもんね。音が豊かで広がりがあって厚みを感じて、とにかく心地よかった。
オーロラ姫もデジレ王子も気品があり、姫と王子!!というのがよく伝わってきて、決して悪い踊りではないと思ったのですが。
初っ端で座が温まってないっていうのも関係あるのかなあ。受け手(つーか私)のテンション的に、公演が始まったばかりだから、大団円の結婚式っていう気分じゃないっていうか…? ガラ形式だから当たり前だけど、ひとつひとつの演目の時間は短くて、やっぱ全幕見たいっちゃーと思いました。

「ムニェコス(人形)」
振付:アルベルト・メンデス
音楽:レムベルト・エグエス
ヴィエングセイ・ヴァルデス/ダニエル・カマルゴ


人形っぽい動きは面白くて好き。結ばれ得ない宿命の人形たちの姿が分かりやすく、コミカルな動きで表現されていてよかったです。まずは女の子の人形が目覚め、兵隊の人形にちょっかいを出し、なかなか思いが通じずすれ違うけれどやがて仲良くなって二人で踊って、なのにいつしか女の子が動かなくなり、兵隊が慌てて起こそうとして、やっと女の子が動いたと思ったら今度は兵隊が動けなくなって、やがて夜が終わって…という、束の間の愛の絶頂とその前後のすれ違い(前半は思いのすれ違い、後半は運命のすれ違い)がとっても切ない演目でした。物語としてはもしかしたらありきたりかもしれませんが、これは人形らしいコミカルな踊りだからこの程度の凹み具合で済むのであって、ドシリアスな踊りだったらめっちゃ凹みそう…と思ったものです。
人形に仮託してるけどさ、人間の営みだって宇宙規模から見たら一夜の幻のような儚さでしょう。
で、人形っぽい動きは面白いし好きなんだけど、超絶技巧が次から次へ、という振付ではないので、折角のヴァルデスさんとカマルゴさんなのでもっとガンガン踊ってる姿も見たかったなー、とも思ったり。

「ソナチネ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:モーリス・ラヴェル
レオノール・ボラック/ジェルマン・ルーヴェ


私は物語のあるバレエが好きで、見る時も演劇的アプローチで見てるんだろうなあ、というのが自分自身で分かります。そうすると、音楽をバレエという言語で表現するバランシン作品とは相性が悪く…。見ていて、何を表現しようとしているんだろうとあれこれ考えた挙句、すーぐ男女の愛かな? と短絡してしまうという…。男と女が舞台に上がってたら何がどーでも男女の愛かよバッカじゃねーの? と自分でも思うんですが。そしてどこまでも底の浅い頭の悪さが完全に露呈していて書いてて恥ずかしいんですが。実際、男女の愛が表現されることもあれば、そうでないこともいっぱいあると思うのです。
今回は最初からバランシンの「ソナチネ」と分かっているのだから、あれこれ考えようとせず、見たままを楽しもうと意識して観覧に臨みました。
爽やかなブルーとピンクの衣装が美しく、その衣装を翻して踊る二人が美しく、心地よく見ることができました。しかしふと気が付けばバランシンはこの音色をこの振付でどう表現しようとしたんだろう、とかあれこれ考え出してしまい、振付と音楽が合っていてすごい! 素敵! と思うこともあれば、なんか(私の)音楽の受け取り方と違うな〜と思うこともあり(バランシンに対して烏滸がましいにも程があり、書くのをほんとためらいましたが、まあ正直に書きます)、結局ずっと考えてた。馬鹿の考え休むに似たり。あーああー。
そうやってあれこれ考えてると結局、綺麗に踊っていたなという印象ばかりが残って、折角の踊りをちゃんと堪能できていたか我ながら謎。でもルーヴェさんのピルエットは好きだ! って思ったのをよく覚えている。
相性が悪いバランシンとはいえ寝なかったし、またいつか見てみたい演目です。
あと、舞台上で演奏されたピアノもよかったです。

「オルフェウス」
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー、ハインリヒ・ビーバー、ピーター・プレグヴァド、アンディ・パートリッジ
シルヴィア・アッツォーニ/アレクサンドル・リアブコ


オルフェウスはギリシャ神話のあれですね。奥さんが亡くなって、冥府に奥さんを取り戻しに行って何とか地上まで連れ帰ることの合意が取れたものの、地上に着くまでは振り返ってはいけないという言い付けを破って振り返ってしまい、という黄泉平坂。
でもこの作品は舞台を現代に移し、オルフェウスはバイオリニストという設定。
大好きなノイマイヤー、なんだけどちょっと眠たくなっちゃった。えーなんでだ。ソナチネで寝ないで頑張ったから…? 初の生リアブコめっちゃ楽しみにしてたのに…。
寝はしなかったし、断片的にはここが素敵だったとかあーだこーだ覚えているのですが(奥さんが出てくるところとか、ラストのオルフェウスの嘆きとか)、集中して見ることができなかったのでコメントは控えます。あああ勿体ない……。いつかリベンジしたい。


ローラン・プティの「コッペリア」
振付:ローラン・プティ
音楽:レオ・ドリーブ
アリーナ・コジョカル/セザール・コラレス


睡魔から復活。
コッペリアって苦手なストーリーです。だってDQNが老人に嫌がらせして特に反省もしない(反省は版によるかな?)話に見えてしまうのだ…。フランツは馬鹿で、気が立っている時だと「死ねばいいのに」とさえ思うほどムカつく。スワルニダは特に気が立っていない時でも「何こいつ死ねばいいのに。ていうかフランツみたいなクソ男は捨てとけ」と思う。えー、公序良俗に反する発言で申し訳ございません。フランツとスワルニダに対する私の悪意がすごい。でもそれも演出によりけりだと思うし、プティ版のコッペリアは初見だし、ガラでパ・ド・ドゥだけ抜き出してみるならDQNストーリーも気にならない。やったぜ。
そして初の生コジョカル&コラレス。期待に違わず、明るくてとびきり可愛くて、素敵なカップルでした。きびきび若々しく踊って、大嫌いなフランツ&スワルニダ(死ねばいいのに)ということもちょっとしか気にならない。ちょっと気になるの? と我ながらその執念深さにびっくり。どっちかっていうと、大嫌いなフランツ&スワルニダなのにこんなに可愛く楽しく踊られて好感を持ってしまいそうで困るって感じ。だって楽しそうで可愛かったもん。コジョカルさんは可愛いし、コラレスさんは活きがいい! プティ版コッペリアを全幕見れば、私のこのフランツ&スワルニダに対しての悪意も払拭されますでしょうか。

2幕以降は次の記事で!

posted by 綾瀬 at 18:31| Comment(0) | 雑記・バレエ
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