2018年05月14日

5/12 ソワレ ウィーン国立バレエ団 海賊

またもの海賊。
5/12(土) ウィーン国立バレエ団来日公演「海賊」(マニュエル・ルグリ版)を見てきました。

ちょっぴりお久しぶりのバレエ観覧です。んでも前回のNBAバレエ団の「海賊」から、バレエシネマでボリショイの「パリの炎」やロイヤルの「冬物語」など実は見ていたのですが〜…感想が間に合わず〜…。
とりあえず生で見たのを優先に感想を。

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ウィーン国立バレエ団 2018年来日公演特集ページ

元パリ・オペエトワールのマニュエル・ルグリ率いるウィーン国立バレエ団の来日公演です。ルグリさんは2020年にウィーン国立バレエ団の芸術監督を退任されるそうなので、日本で彼の率いるウィーン国立バレエ団が見られるのは今回が最後!

ということで、奮発してS席で見て参りました。
会場がBunkamuraオーチャードホールなのですよね。私はオーチャードホール大嫌いなので、正直すっごく悩みました…これが東京文化会館だったらこの値段でもそんなぶつぶつ文句言わないんだけど。

オーチャードホールの悪口を言わせると2時間くらい喋ってしまうので黙りますが、傾斜ゆるゆる・非千鳥配置と、まともにステージ見せる気あるんかい!!!という劇場なのですぶつぶつ。
折角の来日公演がBunkamuraオーチャードだともう萎え萎え。でも、見たいから行った。
案の定前の人の頭で、中央で踊るダンサーの爪先が見えずぶつぶつ。前の人が前のめりになって見る人だったからますますむかつくぶつぶつ。でも前の人は結構小柄な女の人だったので、多分そうでもしないと見えなかったのだろうな〜とも思うのぶつぶつ。
これからもアンチBunkamuraオーチャードホールとして生きていきます。でもどうしても見たい公演はやむを得ず行きます。でも文句は言いますぶつぶつ。
意味不明な縦長劇場で構わんから、千鳥に椅子を配置し直してくれればアンチ度合いは減りますぶつぶつ。傾斜をきつくしてくれればもっと許しますぶつぶつ。

Bunkamuraオーチャードホールのご関係の方には不愉快な記事で申し訳ありません。。。が、言わずにはいられない。

黙りますがって言って全然黙ってない。気にせず先へ!

んで、すごく文句言いながら渋谷・Bunkamuraへ突入。パンフレットまさかの2,500円にビビりながらも購入。楽曲リストやヌレエフの系譜に関する記事があったのはよい。しかしこんなにいい本文用紙使わなくていいから1,600円くらいにならんかね。大嫌いなBunkamuraオーチャードホールなので普段よりお金にセコくなる私であった。でも印刷はすごくきれいだね。アベ印刷という印刷会社さんでした。

さて、今回の来日公演のプログラムは「ヌレエフ・ガラ」と全幕物の「海賊」。
予算の関係でどちらかしか見れない。どちらにするかすごく迷った! ヌレエフの愛弟子ルグリによる「ヌレエフ・ガラ」を見る機会は次はいつだろうか…でもガラより全幕物の方が好きなんだよな〜…などとぶつぶつ迷った結果、3月に見たNBAバレエ団の「海賊」が面白かったので、見比べたいのもあって、「海賊」に決定。
あとガラだと録音かもしれないけど、全幕物なら生オケだろうな〜とも思い。

振付:マニュエル・ルグリ(マリウス・プティパに基づく)
美術・衣装:ルイザ・スピナテッリ
ドラマツルギー・台本:マニュエル・ルグリ、ジャン=フランソワ・ヴァゼル
(バイロン、ジュール=アンリ・ヴェルノワ・ド・サン・ジョルジュ、ジョゼフ・マジリエに基づく)
音楽:アドルフ・アダン他
(構成:マニュエル・ルグリ、編曲:イゴール・ザプラヴディン)
指揮:井田勝大
オーケストラ:シアターオーケストラトーキョー

コンラッド:キミン・キム(マリインスキーバレエ団 プリンシパル)
メドーラ:マリヤ・ヤコヴレワ
グルナーラ:リュドミラ・コノヴァロワ
ランケデム:ミハイル・ソスノフスキ
ビルバント:木本全優
ズルメア:アリーチェ・フィレンツェ
サイード・パシャ:アンドレイ・カイダノフスキー
オダリスク:アデーレ・フィオッキ、ニーナ・トノリ、ニキーシャ・フォゴ

ルグリ版「海賊」は人気キャラクターのアリが登場しません。その分コンラッド始め、名前あり男性キャラクターズがガンガン躍るので見応えがありました。
全体を通して思ったのは、ウィーン国立バレエ団のダンサーの皆さんの技術の安定。安定して美しい。腕と足の使い方、動かし方、止め方が優美であった。ルグリさんが芸術監督になるまでそんなに一流! て感じのバレエ団ではなかったなんて嘘のようです。
コールドは合わせるつもりはないと思われる。ただし、海賊とか、バザールの庶民たちの群舞だから、ぴしっと一糸乱れぬ感じに合ってなくてもOKというか、自然な感じでよい。これが妖精とか、宮廷の群舞とかだったらもっと合っててほしいな〜と思うでしょうが。

メドーラ、グルナーラは共に、手足が長くしなやかで嫋々としており、といっても弱々しくはなく、美しさに見とれてしまう。
グルナーラのリュドミラ・コノヴァロワさんはサービス心旺盛(?)という言い方が正しいか分からんですが、がんがんダブルを入れてくれるので会場が湧く。なんだろう、でも女性らしくお淑やか、な感じがして大変好み。
勿論メドーラのマリヤ・ヤコヴレワさんもグラン・フェッテにはダブル入れて、いや、ダブル入れればいいってもんじゃないんですけど、美しい腕をしなやかに開いて軸ぶれずにテンポよくダブル入れてくれるので、見ていて気持ちいい。
女性陣ではオダリスクも美しかった! いや〜綺麗だった。振付がいい。3者がそれぞれ個性のある踊りを見せつけてくれて、もっと見ていたいと思った。こんな綺麗な妾をランケデムにあげちゃうなんてパシャはなんて太っ腹なんや…。私だったらメドーラもグルナーラもオダリスクたちも全部自分のもんやでえ。いやさすがにあげてはいないのかな。おもてなししてあげただけ? でも私にはあげたように見えた。
あと、小気味好い衣装捌きで踊ったズルメアも好印象。衣装が重ねの色目のように色違いのスカートが何段にも重なっていて、それを抓んでスカートの裾が弧を描くようにして踊っていて、目にも鮮やか。

前述の通り、男性陣もよく踊る。
主役のコンラッド、キミン・キムさんは、うん。すごかった。すーーーーっごかった。
しょっぱなの踊りで軸が傾いたような気がして「あれ?」って思ったんだけど、その後はずーっとすごかった。
メドーラとのグラン・パ・ド・ドゥ。空中で停止しているような跳躍。あまりの跳躍の高さ、滞空時間の長さに会場からどよめきが。
この人はいつ地上に降りてくるんだ? と思うくらいで、その後キミンさんのキャッチコピー(?)「永遠に下りてこないのではと思わせる高い跳躍」を知り、いやこれほんとだぜ? と思った次第。
もっと跳んで!! ずっと跳んで!! などと無茶なことを思ってしまう。彼が跳んでいるところをもっと見たいんじゃー。
高く跳べばなんでもいいわけじゃないけど、海賊団を従えるボスなんだから、コンラッドにはその力強さで周りを圧倒してほしい。そういう意味でもハマってた。
ただ、衣装が膨張色だからか? なんか、膨らんで見えるのよね。ビルバントがシュっとしてるだけ余計に。
あと、見せ場の跳躍の時の姿勢は文句なく真っ直ぐで美しかったけど、時々関節が目立つ?のが 気になったりも。膝、肘ね。もしここが目立たなければ、もっと夢中になっちゃうよー。
でも跳躍が神だからな。大柄でオーラのあるダンサーだから、他の役も見てみたい。あ、秋(冬?)のマリインスキー来日公演のドンキ見ます!

ランケデムもいっぱい踊りました。頑張れ奴隷商人。
ビルバントに与したにもかかわらずその後宮廷では海賊たちに捕縛されたりなんか可哀想。でも悪人じゃけえしょーがない。
ランケデムのミハイル・ソスノフスキさんは、とにかく華がある人ですね。出てくると目を吸い寄せられる、主役じゃないのに主役オーラ…。踊りが大きくて、安定感があって…なんというか、君本当は奴隷商人じゃないね? とも言いたくなる華やかさ(ランケデム役がハマらないっていうわけじゃないよ)。
劇中、結構手を打つ動作が入っていたんだけど、ランケデムの手拍子が一番力強く響いていました。

ビルバントは日本人プリンシパルの木本全優さん。キミン・キムさんがライオンのようなら、木本さんは黒豹のようなしなやかで俊敏な動き。きびきびしてキレのある、格好いいビルバントでしたね〜。シュッシュと敏捷な踊りが見ていて気持ちいい!
コンラッドとの一騎打ちも両者ばんばん跳んでいて見応えがありました。あと、演技という意味では一番演技してたな〜って思いました。私がビルバントだったらコンラッドはムカつくぞー。あんな上司は許さん!

と、大いに楽しんだルグリ版「海賊」ですが、シナリオ的にはまあ突っ込みどころ満載な気も…。「海賊」のシナリオは元がそんな感じなのでしょーがないのかもだけど。
だってねえ。サイード・パシャ何も悪くねえぞ! 巡礼者に宿も食べ物も与えるいい奴じゃん! 悪い点っちゃ、奴隷買ったくらい? でも当時の法的には全く合法的な普通の売買のような。花園の夢を見るちょっとスケベなおっさんってことくらいか? でも、花園綺麗だし、別にスケベな演技もないし、何も悪くないのに自分が金出して買った奴隷を強奪された可哀想なおっさんって感じだった。
そんで、特に悪くないすけべなおっさんってだけのパシャに何故グルナーラはそんなにも心寄せたのか? 惚れたの? えっなんで? って感じ。
いやいいんだけど。誰を好きになったって自由だけど。でもパシャ見せ場ないし、金持ちで権力者ってだけしかいい点が描写されてないし、その金持ちの後宮で女としての頂点を極めたいってんなら別にいいんだけど、グルナーラはどう見てもパシャが好きなようだったので、「えーそんなに? なんでこのおっさん?」感が。いやグルナーラがパシャの胸に飛び込むところは素敵だったし、いいんだけどさ。

そんで一番シナリオが「……」なのは、海賊ども、あんたらコンラッド派とビルバント派どっちやねん? ってところ。メドーラを取り戻しに行くコンラッド一行(含むビルバント)、って、ビルバントはどさくさに紛れてパシャの宮殿でコンラッドを亡き者にでもするつもりだったのかな。じゃないと自分が裏切り者だってバレちゃうし、当然そうだと思うんだけど、その割に宮殿で裏切りが露見した時、ついてきた海賊どもは何をするでもなく…。このついてきた海賊どもがコンラッド派なら、そもそも最初のビルバントの企みは成功しないだろうし、ビルバント派なら、一緒にコンラッドやっつければいいのに…、と…。
ビルバント派だったけどいざ事が始まるとビルバント不利に見え、コンラッド派に寝返った日和見主義の海賊どもと解釈することでとりあえず納得しておく。
最後の嵐で、いつ裏切るか分からない日和見主義共も一気に始末できたしコンラッド、ヨカッタネ。

だってなんか間抜けに見えちゃうのさ。自分が裏切られたぼっちということも知らないで宮殿に突撃かますコンラッドも、のこのこ宮殿に付いてきてメドーラに「こいつ裏切り者やで」とチクられてそのままなし崩し的に一騎打ちになり死んでしまうビルバントも。あとズルメアほったらかしだし。
まあバレエのシナリオの変なところって、踊ってる時は気にならないけどね。ただ芝居がはけた後に、「あれ? そういえばあれって…」みたいになるだけで。

と、シナリオについてあーだこーだ言いましたが、踊りはとにかく美しく、女性も男性もエレガントながらきびきびしていて非常に好印象。
素晴らしい、美しい舞台でした。他の演目も見たいバレエ団です。

あ、折角の生オケでしたが、オーケストラはダメでした。本当にプロ? って思った。特に一幕、二幕はじめ。金管が……。高校の吹奏楽大会とかでこんな演奏してたら銀賞も危ないでしょう(偉そう)(金管はトチると目立つからね)。
ただ後半になるにつれて盛り返し、音の広がりも膨らみもよくなってきたので、その後は気にならなくなりました。
posted by 綾瀬 at 22:32| Comment(0) | 雑記・バレエ
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