2020年04月04日

2/8  マチネ アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト2020 Bプログラム

あーうー仕事忙しすぎて全然更新できてない。我ながら何ということ。このブログ見てくださってる方はありがとうございます!

というわけでコジョカル様のガラ公演の感想です。公演直前のリハーサルで座長のコジョカル様が怪我をされて演目・演者が急遽変更となるなどトラブルもありましたが、急遽ドイツはハンブルクからは菅井円加さん、シュツットガルトからはエリサ・バデネスさんが参加してくれて、とても素敵な演技を見せてくれました。アリーナ・ソーモワさんが来日しなかったのにはちょっとグダグダの気配を感じないでもなかったですが…。

しかしこのガラ公演、当初はチケット取るかすっごく迷いました。座長のコジョカル始め、フリーデマン・フォーゲル、セルゲイ・ポルーニンといった大スターの出演が予告されており、いやあこれは見たい〜という思いもあったものの、会場がBunkamuraオーチャードホールなんだもの…。この劇場は私の天敵です。高い金を出そうが、安い金しか出すまいが、どこも平等に見づらい。大っ嫌い。オーチャードホールの見やすい席があったら教えてほしい。本当に。
と、オーチャードホールに対するヘイトが隠せないのですが、まあガラ公演だし端が見切れてもいっか〜と思い、3階サイド席のステージ寄り内側の席を取りました。まあ見づらいけど、ガラならぎりぎり許容範囲かな。見切れもちょっとといえばちょっとだし…。でも全幕物だったらやっぱこの席では見たくないな。見づらいんじゃ。見づらいんじゃ。
あと、今回3階席に初めて上がったのですが、サイドじゃなくて中央の席の一列目、の前にある謎のスペースは何なんだぜ? あれのせいで一列目の人絶対手すり邪魔じゃん? 行ってないけど2階席も多分同じだよね。絶対中央の席取らんとこ。と思いました。ほんとなんだあれ。緊急時の避難誘導路…としても無能な配置では?

結論として、やっぱりオーチャードホールで見やすい席は今回も見つかりませんでした。ガラならまあサイド内側ならギリ許容範囲…手すり邪魔だけど…端も(サイドだから当たり前だけど)見切れるけど…って感じ。
5月だったかな? のKバレエの海賊見たいと思ったけど、オーチャードホールだから行かないっス。

あ、そんなに嫌いなオーチャードホールなのに結局どうしてチケットを取ったかというと、推しのキム・キミンさんの出演が決まったからです。これは見なければ。オーチャードホールということも、苦渋の決断で、だ、妥協していい!!


アリーナ・コジョカル ドリーム・プロジェクト
第1部

伝説
振付:ジョン・クランコ
音楽:ヘンリク・ヴィエニャフスキ
キャスト:エリサ・バデネス、フリーデマン・フォーゲル

シュツットガルト組の演技。解説に、
>難易度の高い流麗なリフトを多用して詩情あふれる世界を構築し
と記載があったのですが、本当にリフトが流麗で美しくて、衣装をたなびかせてステージ上を縦横に駆けるという振付もあって、「流れ」を強く意識する作品でした。
停滞することなく美しいものが次々と生み出されていって、伝説の名にふさわしい威風堂々たるリフトなど、神々しさを感じるくらいでした。リフトされてフォーゲルの上に立つバデネスは本当に伝説的に格好良かったです。格調高く美しく、素晴らしい作品でした。


ヴァスラフより
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
キャスト:菅井円加

面白いコンテ。ニジンスキーの未完の作品をノイマイヤーがバレエ化した1幕物の作品からの抜粋のよう。もっと長く見たかった〜。
ニジンスキーらしい大地礼賛を感じさせるような動き、重々しさと神秘性があって素敵でした。いつか抜粋でなく全部見てみたいです。


ディアナとアクテオン
振付:アグリッピーナ・ワガノワ
音楽:チェーザレ・プーニ
キャスト:ナンシー・オスバルデストン、オシール・グオーネ

古典です。エスメラルダのディベルティスマンから。
演者のオスバルデストン、グオーネ、お二人を不勉強にして今回初めて知ったのですが、お二人とも素敵なダンサーでした。オスバルデストンはポワントで片足立ちになり両手を挙げて静止するという難技を見せ、グオーネも素早くブレない回転に高い跳躍などクラシックバレエらしい技量を発揮して、気迫溢れる演技で大いに会場を沸き立たせていました。お二人ともやったるでオラアッって感じで、好感が持てました。特にグオーネは舞台と体を大きく使ってダイナミックな演技を見せており、この1演目だけなんて勿体ない〜、コンテも見たい〜と思いました。ミュンヘンバレエ団のプリンシパルとのことなので、いつかドイツに行ったらミュンヘンバレエ団も見に行きたいな〜って思いました。
ドイツは…大変だね、ハンブルク、シュツットガルト、ベルリン、ミュンヘン…東西南北……。行くところいっぱい!


ABC
振付:エリック・ゴーティエ
音楽:フィリップ・カニヒト
キャスト:ヨハン・コボー

ちょっとコントっぽく、大喜利っぽい。と、当日の私のツイートに書いてありました。ABC、アルファベットに合わせて天の声(ナレーション)にあれやれこれやれ言われて、舞台上のコボーがそれを一生懸命演技するというコミカルな作品。と、コンセプト自体にギャグっぽいっていうか滑稽みがあるんだけど、パのひとつひとつの美しさや格好良さは健在で、すごく楽しんで観ておりました。
天の声がさ〜、結構無茶言うのよね・笑 言われる方は大変・笑笑
私は…コボー様のブラックスワン面白かったです。素晴らしいポールドブラ! でもわざと大仰にやってるでしょって感じで面白い! という。
ほんと休む間もなく次から次へと言われて、最後の方は普通にヴァリエーションが入ってくるから鬼のように踊らされておりました。面白かったです。


モノ・リサ
振付:イツィク・ガリリ
音楽コンセプト、作曲:トーマス・ヘフス、イツィク・ガリリ
キャスト:エリサ・バデネス、フリーデマン・フォーゲル

今回、どの演目が一番好きだったかっていうと、この「モノ・リサ」かこの後に演じられた「エディット」のどちらかかなって思っています。
アクロバティックでダイナミックで、かつ繊細というか、1ミリや0.1秒のズレが即演技の失敗に繋がるような、精密さを求められるスリリングな作品でした。
男女1対のダンサーが自らの肉体を使って、剣と剣の刃先がぶつかり合うように鋭く応酬を繰り広げます。手足の動きだけでも複雑なのにもちろん手足だけでなく体全体が大きく目まぐるしく動かされて、二人の体の位置も絶え間なく入れ替わり、次々に様々なシルエットが作り上げられて、一瞬毎にそれが変化していく、とてつもなく面白い振付でした。これを表現するのにどれほどの技量が必要か、見ているだけで息を飲んでダイエットになりそう(意味不明ですみません)。
そこまで上演時間が短い物でもなかったのですが、もっとずっと見ていたいと思っているうちに終わって、演じられている時間が何だか一瞬のように感じました。
凄まじい運動量と熱量でお気に入りの作品です。バデネスとフォーゲルの、卓抜し、磨き抜かれた技量に心底うっとりしてしまいました。


エディット
振付:ナンシー・オスバルデストン
音楽:エディット・ピアフ
キャスト:ナンシー・オスバルデストン

こちら、本人振付本人上演、で、世界初演だったのですがすごくお気に入りの作品ですぴかぴか(新しい)
こんな素敵な作品を日本で世界初演してくれるなんて本当に光栄だ。ありがとうありがとう…! そんでもってこういう優れた作品がどんどん紹介される国であってほしいな〜って思いました。
で、こちらの「エディット」。エディット・ピアフの「水に流して」に乗せて演じられました。このガラでは唯一のボーカル入りですね。「水に流して」の原題は、「私は決して後悔しない」というものだそうです。その原題の通り、様々な苦難に揉まれて心も体も引き絞られるようになりながら身を捩って踊る、その最中には苦しげに、つらそうにも見えるのですが、終盤に近付くにつれてどんどん清澄な境地が表れてくる踊りでした。
つらいことも悲しいことも沢山あったけれどこれが私の人生、その時にできる最大限のことをしてきた、悪くはなかった…という、こういう人生が送れたのであればそれはそれでよかったのだろう、人生の終わり方として、ある種の理想の一つであろう、という印象を受けました。
諦観ではなく悟りというか、切ないながらも爽やかさが残る作品で、色々なダンサーが色々なアプローチをできる作品でもあると思います。とてもよかったです。


海賊
振付:マリウス・プティパ
音楽:リッカルド・ドリゴ
キャスト:菅井円加、キム・キミン

ガラのお馴染み演目、海賊のアリとメドーラのGPDD。私はキム・キミン様推しなんですが、今回1年半ぶり?くらいに生で見て、すごくびっくりしました。
めっちゃ上手くなってない!!!!????
いや、元から超上手いですよ、当たり前だけど。マリインスキーのプリンシパルだし。だけど、ちょっと膝とか肘とか爪先とか、特に膝とか、気になることがあったんですよね。でも今回、全然、本当に1回も気にならない! どころか、腕も足も綺麗だなって思いました。すごい、すごいよー見る度に美しくなっていくキミン君!…。てか、マリインスキーらしい繊細さ、優美さも更に磨きがかかって、唯一無二の跳躍も健在で、本当に怖いものなしの素晴らしいダンサーexclamation×2 しかもまだ若いしexclamation×2 これからもマリインスキーで研鑽を積み、更なる高みを目指してくだされ…。
で、つい押しのキミン君のことばかりテンション高く語ってしまいましたが、菅井円加さん。すごいダンサーですね。軽やかで優美なメドーラ、可愛い! と思っているうちに、女性バレリーナ最大級の見せ場のグラン・フェッテ。これも軽やかに優美に回っていらしたんだけど、1回転の終盤でスピードが緩やかになるんですよね。一瞬、おバカな私は回り切れない…?って思っちゃったんですがそうじゃなくて、そこからまたスピードアップしてくるんって回るんですよねー(長音記号1)exclamation×2
これ、すごくないですか!? 回転スピードを自由自在に操れるんですか!?
キミン君と菅井さんのGPDDは、異なるバレエ団所属ながら共通する優美さや軽やかさがあって、相性が良いように感じました。楽しい、素敵な海賊でした。また見たいぞ!


第2部
マルグリットとアルマン
振付:フレデリック・アシュトン
音楽:フランツ・リスト

マルグリット:アリーナ・コジョカル
アルマン:セルゲイ・ポルーニン
アルマンの父:ヨハン・コボー
公爵:木村和夫
東京バレエ団 ほか


今回のガラ公演、Bプログラムを選んだのはこの「マルグリットとアルマン」を見たかったからなんですね〜。
で、どうだったかというと、ズコーって感じでした。
コジョカルが怪我の影響で省エネ気味なのはしょうがないとしても、ポルーニン全然踊れてないんだけど大丈夫…? って感じでした。重い重い。動きにキレがない。つまんなくて途中ちょっとウトウトしてしまいました。
ポルーニンの素晴らしい演技の動画って検索すればいくらでも出てくるので、ポルーニン出演の舞台を見に来る人って、そのレベルを期待してしまうと思います。私もそうです。で、これだったので、ほんと、申し訳ないですけど拍子抜けでした。これがポルーニンでなくて無名の新人さんとかだったら、すごいと思いますよ。でもポルーニンに期待していたレベルにははるかに届かず…って感じです。
で、このポルーニン演じるアルマンは、見たことのないタイプのアルマンでした。荒々しく、激しく、DV男だったので、こんなん家族のことがなくても病気じゃなくてもマルグリットは別れるべきと思います・笑
ただその荒々しさ、激しさはマルグリットへの愛ゆえで、彼女への愛が裏切られたと思ったからこその爆発的な感情の発露だというのは分かるのですが、それってやっぱり彼女を全然見ていなくて、自分の思いしか見えていないからですよね〜。若くて視野が狭いっていうか。まだいい男じゃないなって感じ。その役作り自体は、稀に見る分には結構悪くないと思いました(いつもこういうアルマンが見たいかっていうと、それは別)。劇中、一番アルマンの感情が昂るシーンがあって、札束をマルグリットの顔に思い切り叩き付けたんですよね。そこはポルーニン、コジョカル双方の演技も素晴らしく、私は良いなと思いました。マルグリットの愕然とした様子は本当に可哀想でしたし、アルマンはひどい奴ではあるけれど、彼には彼の知らない事情、彼の思いがあって、すれ違う二人がやっぱり可哀想で、アルマンの迫力にはこちらも打ち据えられたような心地がしました。ま、また見たいタイプのアルマンかどうかは別として…。
しかし、どんなに演技が良くても踊りがいまいちだとそちらの印象の方が強く残ってしまって何だかな〜な第2幕でした。当日の自分のTwitterを見たら、ポルーニンがこんなに踊れないならフォーゲルと代わってくれてよかったのにということが書いてあって、ひどい言い草と思いつつ、まあ我ながら本心だなと思います。


posted by 綾瀬 at 18:10| Comment(0) | 雑記・バレエ

2020年04月09日

ベルギー旅7日目(20) 危機一髪! 自業自得の滑り込み

目的の電車は50分後…。の予定だけど、Delayなうだから、そこからどれだけ遅れるかも分からない。かといって焦ったり苛々したりしても、状況を変えることなどできないのだ。ただ待つだけしか…。
というわけでそわそわしながら50分後の電車を待ちます。全ては自業自得。ちゃんと電車の時間を調べていなかった。インターネットは何のためにあるんだ? そのスマホ(ブルージュで割れた)は? iPad miniは? 使いこなせないなら宝の持ち腐れ。無能。無能綾瀬。ウッ…。

悲しみが押し寄せます。相変わらずそわそわドキドキして心臓に悪いので、少しでも心を落ち着けようと、私は「他人の失敗」を思い出すことにしました。さいてー!
同僚Aがやらかしたミスでピーーーの損失(私にも守秘義務があるのでこれ以上は)、同僚Bがやらかしたミスでピッピピピーーーーーーーの損失(私にも守秘義務が)、あれ? それに比べれば大したことなくない? 仮に私がここで飛行機に乗れなくたって、次の便の振り替えてもらうだけでしょ? 有償かもしれないけど、100万も200万もかかるわけじゃない。高くてもせいぜい10万くらいでは? そりゃ安い金額ではないけど、大人だから払えないことないでしょ? あれ? 全然問題なくない? 仮に今乗れなくたって! 最悪、今日が無理でもホテル取ってブリュッセルにもう一泊すればいいだけだし。あっ、でも帰国の次の日友達と京都旅行の予定だから、そこがずれるのはまずい。最悪、友達には先に行ってもらって後で追いかけよう。そしたら東京じゃなくて関空でもいいな。
などと、最低なことに同僚たちの数々の失敗を思い出しているうちに、私は本当に冷静さを取り戻したのでありました。最低過ぎない? でも何かヤバいことが起こった時、このクールダウン方法は今後も私に採用され続けるのでした。だって同僚たちのあれやこれなミスに比べたら私の大したことない、10万や20万で片の付く失態なんてマジで大したことない…。さ、最低だー!!

と、最低な人間性を美しいベルギーの地で改めて認識しているうちに50分が過ぎ、絶賛Delay中だった電車もほぼほぼ予定通りの50分後に到着したのでした。待っている間に冷静を取り戻した私はiPad miniで萩尾望都先生の王妃マルゴを読むなど余裕の態度を示しつつ、電車に乗り込みました。

行きと違って電車はかなり混んでおり、座れず。適当に端っこに寄り、王妃マルゴを読み続ける私。ま、50分でちゃんと電車来たしね。でもDelayの影響か、私以外にもそわそわしている人たちが結構いました。

そしてブリュッセルセントラル駅へ到着。停車する駅が多かったのか、予想していた1時間よりちょっと時間がかかって、所要時間1時間20分くらいだったかと。荷物を持って電車を降り(ヨーロッパの都市間特急って大体、電車の戸口のところが階段になっているから大変)、駅のホームを右往左往しながら空港行きの電車の発着ホームを探します。最初降りたところが間違えていて(何故間違えたかは最早覚えていませんが、焦って意味不明な行動をとっただけだと思います)、不安を覚えて電子掲示板のある辺りに戻り、改めてホームを確認。幸いなことに、私がホームに降りるとすぐに空港行きのICがやって来て、おかげでここでのタイムロスはほぼなし! 乗り換えに要した時間は、右往左往していた時間を含めて10分くらいだったかと思います。

とはいえ、油断はできない。もともとすげー遅れてんだ! まあ飛行機に乗れなくたって同僚たちのミスに比べれば大したことじゃないけどな! 最低! 私最低!!

結局、ブリュッセル空港駅に着いたのは、フライトの1時間40分くらい前でした。おお〜余裕! よかったじゃん! っていうほど、実は余裕じゃない。だってやっぱり、予測していた通り手荷物検査が混んでいる…。
この手荷物検査は空港に入るための検査なので、勿論中に入ったらこれとは別に出国前の手荷物検査もある。あまりに時間がかかるようなら係の人に頼み込んで先に行かせてもらうようにしないと…、と思いながら列に並びます。最後はもうそうやってお願いするしかないと思いますが、できるならそうはしたくない。何故なら英語でそれを伝える自信がなかったから…てか今思うと、それさえ英語で伝えらんないんかい! それくらい伝えられるだろ! 航空券見せてアイハブノータイムとか言っとけばいいだろ! と思います。

でも結局、ここも15分くらいで通過できたかな。ここまでくると大分本来の意味で心も落ち着いて、走ったりすることもなく穏やかな心地と態度でANAのカウンターへ向かうことができました。

んで、ANAのカウンターにやって来た私。間に合った! よかった! 全ては自業自得だ。海外でちゃんと調べ物をしておかないなんて、英語力のない私には死活問題だった。要反省である。でも、私を落ち着かせてくれた同僚たちよありがとう(最低)。

「ぼんそわー!」
間に合った安堵やら何やらでやたらと元気よく、カウンターにいた金髪白人のおねいさまに挨拶する私。

「こんばんは」
おねいさまは日本語でわたくしめに…。そうだよね、ANAのカウンターだもん…。ぼんそわーとか言った自分が急に恥ずかしくなる。恥ずかしがる必要はないと思うんだけどさ。

で、荷物も預けまして、出国前のセキュリティチェックも無事クリアして…って、私ここで止められてしまいました。ブーツに仕込んでたホッカイロ外すの忘れてたため。

間抜けである。
セキュリティチェックの係のおねいさま「これはなに!」※威厳のある言い方
あたくし「ホッカイロ」※どう考えても日本語商品名
おねいさま「なに?」
あたくし「ホットカイロ」※意味不明
おねいさま「あーうん…?」
あたくし「ホットカイロ」
おねいさま「……」
あたくし「ホットカイロ……」※携帯でホッカイロの英語訳を探そうとするもエジプトのカイロばかりが引っ掛かり、おねいさまに示すことができない

よく分かんないけどブーツを返却され、行っていいよと言われたので出国検査に進みました。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。もう二度と靴用ホッカイロを仕込んだまま飛行機に乗ろうとするような真似はいたしません。

と、若干のトラブルはありましたが、もう飛行機に乗り遅れる心配はない! あんまり時間はないけど、トイレに行ったりちょっとだけ免税店を覗いたりする時間もありました。

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なのでおビールを買ったよ。チョコも買った。
私は下戸なので、おビールは直近で会える(会えた)友達に配りました。

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これは売店などで見かける度に買っていたお気に入りのジュース。旅の最後の水分として購入しました。

んで、そんな買い物をしていたらいよいよ搭乗のアナウンスも始まり、私は懐かしい日本に向かって(ゆーて1週間くらいですが)旅立ったのでありました。直行便なので特にトラブルもなく、行きの飛行機で最後まで見られなかった「超高速! 参勤交代リターンズ」を見つつも、やっぱり頭が痛くなってきてしまったので途中で見るのをやめて後は寝ていました。
なのでこの旅でやり残したことは、「超高速! 参勤交代リターンズ」を最後まで見られなかったことですかね。

反省するべきことは他にも沢山、山ほど、まあ色々、ありそうですが。
とにもかくにも無事日本に帰って参りました。次の日からの友人との京都旅行も楽しみました!

ベルギーいい国でした。町並みは美しく、ご飯は美味しく、ひとは親切で、ご飯は美味しく、私の大好きな運河もあちこちにあり、ご飯は美味しく、治安もまあ、まあまあで、ご飯は美味しく、移動もしやすく、私の海外初ひとり旅は大いなる充実感を以て締めくくられたのでした。これに味を占め、この後ちょくちょく海外ひとり旅に出るようになってしまったわけですが。

ありがとうベルギー! 今回行けなかった地域も沢山あるから、またいつか行きたいな。私の海外初ひとり旅はベルギーで正解でしたかわいいかわいいかわいい


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posted by 綾瀬 at 21:52| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2020年04月25日

2/15  マチネ NBAバレエ団「ホラーナイト」

NBAバレエ団による公演を見てきました。世界初演となる「狼男」と、ミルウォーキーバレエ団の芸術監督であるマイケル・ピンク振付の「ドラキュラ」より第一幕のダブルビルです。
NBAバレエ団はエンタメ性の高さにも注力されていて(と私は思っているのですが)、バレエ初心者でも楽しみやすい演目を多く上演されており、なるべく見る回数を増やしたいなーと思っているバレエ団です。今回、ホラーというテーマにも興味をそそられチケットを取りました。

狼男
芸術監督:久保紘一
振付:宝満直也
キャスト
a man:森田維央
a girl:竹田仁美

ミステリアスでスリリングな抽象バレエでした。これはまた見たいな〜、そして色んな人の解釈を聞きたいな〜と思います。
最初、舞台は真っ暗で何も見えません。自分自身がその暗闇の中にいるような、緊張でドキドキする中で物語が始まります。
この作品は最初から最後までずっと、破局の気配に満ちているような気がしました。
狼男、あるいは狼女の身に降りかかる孤独で悲劇的な運命が普遍化されており、誰しにも起こり得る悲劇として悲愴なエピソードが繰り広げられます。そしてそんなのは関係ないと思っている、どころか想像もし得ない圧倒的大多数の人々の姿の、マイノリティを指弾し嘲笑う姿は醜悪で、その醜悪さに報いるように彼らにも悲劇が訪れます。その悲劇後の姿からは、「狼男(狼女)の悲劇的な宿命を想像もしないマジョリティ」である彼らもひとりひとり自分が主役の人生を生きていた一人の人間で、こんなふうに死んでしまっていいわけではない、もっと生きていたかったのだ、というメッセージが発せられているような気がしました。果たして、私自身はどちらでしょうね? マイノリティの狼男(狼女)か、マジョリティの一般人か…。
後半に差し掛かった辺りで、ドレス姿の男性が登場します。彼は何のメタファーなのか。最初、「悲劇的な運命」のメタファーなのかと思いました。次に「死」のメタファーかと。最後には、狼男を悲劇から守ろうとする「守護的な何か」かなあ、などと。全然違ってたらすみません。
とにもかくにも、彼が狼男から少女を引き離し、舞台から退場します。これによって狼男は永遠に少女を失ってしまうのかとも思ったのですが、少女はそれからしばらくして再び舞台へ登場。今度は狼男を糾弾するようなマイムを見せます。これは裏切りなのか? 愛は終わってしまったのか? やはり狼男と少女では一緒にはなれない? いずれにせよ冒頭から張り詰めていた破局への予感がここでついに結実してしまったような気がしました。
でも物語は一筋縄では終わらず、狼男と少女は緊迫感に満ちながらも再び心を通い合わせようとしていくようで、そこから急転直下、クライマックスに向けて再び破局の予感が満ち満ちていく――という感じ。
かなり抽象的な作品なので、人によって解釈はバラバラかと思います。上記はあくまで私の解釈ですが、また見たら感想も変わるかもね。
踊りはコンテンポラリー寄りで、大地の重みを活用した動きが多いです。地を這うような、狼男がテーマだけに獣を思わせる動きが沢山あり、面白かったです。
上述の通り、ミステリアスでスリリングで、先はどうなるのかとドキドキしながら見ていました。いい感じに不気味な作品で、再演してほしい。
ちょっと言うとすると、マジョリティがマイノリティいじりをするところが少し長かったかなー? あそこはもう少しサクッと進んでもよいかもですね。執拗にやるからこそ普遍化できるというのもあるのですが。

ドラキュラ 第一幕
芸術監督:久保紘一
振付:マイケル・ピンク
キャスト
ドラキュラ:平野亮一
ジョナサン・ハーカー:宮内浩之
ミーナ:峰岸千晶
ヴァン・ヘルシング:三船元維
レンフィールド:河野崇仁
3人の女バンパイア:浅井杏里、佐藤圭、関口祐美


ダブルビルの2演目目。ドラキュラ役として何と、英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルである平野亮一さんが客演されています(ダブルキャストで、ソワレは狼男の振付の宝満直也さんがドラキュラ役)。以前シネマで見た冬物語の平野亮一さんの素晴らしい怪演が印象深く、その平野さんのドラキュラを是非見たい! と思い、この日を心待ちにしていました。
原作は勿論、ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」です。といっても実は私は原作を読んだことはなかったので、事前にさらっとネットであらすじをチェックしていきました。まあ、大体知っていた通りではありますが…。
セット、衣装、不気味な色合いの照明、これらとても手が込んでいてよかったですexclamation 特にセットはヴィクトリアンなゴシックホラー感がよく出ている、ゴージャスで素敵なセットでした。列車に乗り込みくるくる回って時間と距離の過ぎるのを表現するのもよかったです。
そして物語は、おいおいここで終わりかよ〜〜〜続きめっちゃ見たいわ!!といういいところで幕。今回は1幕だけの上演なのだ…。全幕は8月に公演予定で、勿論チケット申し込んじゃったよね(この記事を書いている時点でもう届いていますわーい(嬉しい顔))。

ドラキュラ役の平野さん、言うまでもないですがめっちゃよかった〜〜〜〜!!! カーテンコールでもドラキュラの役作りをしたままで、すごく不気味な迫力。弁護士のジョナサン・ハーカー役の宮内さんと繰り広げる男性同士のパ・ド・ドゥは淫靡で力強くド迫力で、見ている側もハラハラして息を飲んでしまいます。ジョナサンに対するドラキュラの執着、逃げたくても圧倒的な力の前に逃げられずもがくジョナサン、運動量もすさまじく、ダイナミックなパ・ド・ドゥでした。男性同士のパ・ド・ドゥいいですね〜。これからの時代は男女、男男、女女のパ・ド・ドゥもよいのではないでしょうか。
順番が前後しましたが、民族舞踏のシーンも迫力があってよかったですね。ジョナサンがドラキュラの本拠地に到着すると、地元住民たちが狂気的な踊りを踊っているのです。コールドのキレもよく、ゴシックホラー的な狂乱がよく表れていたと思います。
あと私は3人の女吸血鬼たちがすごくよかったるんるん キャスト表を見たら上手い方ばかりなので、この満足度もさもありなむって感じかもしれませんが。淫靡で美しい女の形をしているのにどー見てもまともな人間じゃない、素晴らしく不気味で気持ち悪いでも美しい女吸血鬼たちなのでした。こんなのに(失礼)絡みつかれるジョナサンおつ…って感じ!

このドラキュラは(まだ1幕しか見てませんけど)、場面の繰り返しが多用される渦巻のような構造の構成なのですが、話は停滞することなく目まぐるしく進み退屈する暇がありません。引き算がとても行き届いているな〜って思いました。ほんと面白かった!
8月の全幕が待ち遠しいです。圧倒的強者であり執拗に執着してくるドラキュラに、我らがジョナサン・ハーカー(とヘルシング教授)はいかに立ち向かうのかexclamation&question
そして不気味で凄まじい存在感を放つ平野ドラキュラは2幕以降どう演じられるのか。
とにもかくにも楽しみです! ホラーナイト、見れてよかったグッド(上向き矢印)


posted by 綾瀬 at 15:13| Comment(0) | 雑記・バレエ