2020年01月12日

12/15 マチネ 新国立劇場バレエ団「くるみ割り人形」

やっぱりほぼ1ヶ月遅れのバレエ感想です。


芸術監督:大原永子
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付:ウエイン・イーグリング
美術:川口直次
衣装:前田文子
照明:沢田祐二
指揮:アレクセイ・バクラン
管弦楽:東京フィル・ハーモニー交響楽団
合唱:東京少年少女合唱隊
合唱指揮:長谷川久恵

クララ、こんぺい糖の精:池田理沙子
ドロッセルマイヤーの甥、くるみ割り人形、王子:奥村康祐
ドロッセルマイヤー:中屋正博
ルイーズ:奥田花純
ネズミの王様:木下嘉人
雪の結晶(ソリスト):柴山紗帆、飯野萌子
スペイン:朝枝尚子、廣田奈々、清水裕三郎
アラビア:渡辺与布、宇賀大将、小柴富久修、清水裕三郎、趙載範、中島駿野、福田紘也、中村啓、渡邊拓朗(※男性は交代出演)
中国:広瀬碧、井澤諒、橋一輝、渡部義紀(※男性は交代出演)
ロシア:福田圭吾、加藤朋子、菊地飛和、木村優子、関優奈、多田そのか、徳永比奈子(※女性は交代出演)
蝶々:奥田花純
花のワルツ(ソリスト):寺田亜沙子、細田千晶、速水渉悟、浜崎恵二朗

※すみません、交代出演の方はどなたか特定できていません。

私、くるみ割り人形自体があんまり好きじゃなくて、特にどこが好きじゃないって1幕前半、シュタルバウム家のクリスマスパーティーのシーンが正直退屈なんです。大人のちゃんとした公演を見に行っているのに子役がわちゃわちゃしてるのがなんかもう、つまんなくて。踊りも少ないし。
かといって子供たちの中でクララだけ大人のダンサーが演じているのも「さすがにちょっと」と思う方なんですけど。まあ、とにかくあんまり好きじゃないんです。
そしてこちらのイーグリング版のくるみ、私は今回が初めてなのですが、いまいち評判がよくないみたいですねあせあせ(飛び散る汗) という前評判、プラス元々あんまりくるみ好きじゃない…って、じゃあなんでチケット買ったんだー! って感じですが、でももしかしたら気に入るかもしれないしさ。ある日突然くるみ好きになるかもしれないし。
というわけでチケットを買ったのですが、実際公演を見て、とってもよかったですぴかぴか(新しい)ぴかぴか(新しい)

おい! って自分で突っ込んでしまいますが^^;

1幕前半のクリパのシーンは、まあ、やっぱ、ちょっとね。退屈でしたけど。子役たちがわーっと出てきて頑張って踊っていて、一生懸命踊ってるな〜とは思うけど、子供らの発表会を見ているような気分。
あとパーティーが始まる前のスケートのシーンも長いし、私的にはここは半分でいい。

クリパのシーンでよかったのはドロッセルマイヤーの甥の佇まいかな。少女クララがほのかな恋心というか、少女らしい憧れを抱くのがよく分かる格好いい年上のお兄さんの所作でした。
あと、クララの姉ルイーズとその取り巻きの男性たちの踊りはとてもよかったです。

で、いまいちあんまり得意でないクリパのシーンも終わり、いよいよクララの夢の世界。クララは子役から大人のダンサーへバトンタッチ。真夜中、ねずみたちとおもちゃの兵隊たちの戦いが始まって、大砲の弾が不発というコント(微笑ましい)も交えつつ話が進みます。

白眉はやはり何と言っても雪のワルツだと思います。このイーグリング版の雪のワルツは本当に素晴らしい振付で、終わらないでほしい、もっと見ていないと強く思うくらいでした。はあ、今思い出しても本当に綺麗な群舞だったなあ。ひとりひとりが表現する粉雪、複雑に変化するフォーメーション、振付も、それを見事に実現するダンサーも、抜きん出た技量だと感じます。珠玉の群舞です。

で、その綺麗な雪のワルツの世界に入り込む異物、ねずみたち。ねずみが邪魔ってよく言われてるのを見かけてたけど、うん、確かに邪魔かも…笑
究極に美しい雪たちに集中したい感はある。ねずみたちには悪いけど。

そして2幕。
ねずみの王様とくるみ割り人形の対決はお菓子の国にまでもつれ込みます。でも、なんか最終決戦が城の奥で行われて、ドアが閉められちゃうから観客からは見えないのよね。なのでねずみ殺害の決定的場面は観客には公開されず、ドアが閉まって開いたらねずみの王様はやっつけられていた、というのがちょっと尻すぼみかも。
とはいえここからはみんな大好き(最近このフレーズお気に入り)ディベルティスマンのコーナーです。
私は中国の踊りが好きなんだけど、イーグリング版はあの中国連続高難度ジャンプ(正式なパの名前分からずすみません)なしのバージョンでちょっと寂しい。
ロシアの福田さんの踊りはキレがありダイナミックで、客席からも喝采を浴びていました。さもありなんという素敵な踊りでした。
で、イーグリング版はフランスがなくて、代わりに蝶々。この蝶々をクララの姉ルイーズ役の人が演じる。ルイーズだけでなくクララの両親もディベルティスマンの中にこっそり登場しているんだけど、その辺がどうも分かりづらく、言われないと気付かないなーって感じ。クララの夢の世界に家族たちが登場するっていうのは、単純に家族愛の表現かとは思いますが…。
蝶々の踊り自体は、可愛らしく綺麗な振付だと思います。1幕のルイーズと重なる印象は特にはないですが。

花のワルツは、私としては雪のワルツに比べるとそこまで好きではない。振付がかなり難しそうだなと思います。ダンサーはよく踊っていて、新国のレベルの高さが裏打ちされていると感じますが、男性が女性を引きずる振付が多く、それがいまいち私的に綺麗な振付に思えなかったんですよね。
とはいえそこが全部でもないので、綺麗だなと思う瞬間も多かったのですが。特に衣装の裾を翻して回転する華麗な動きは目にも鮮やかでした。女性陣の衣装のオレンジ色が濃すぎる気はしますが。そうだ、そう、女性陣は濃い目のオレンジの衣装で、男性陣は薄い緑色の衣装で、女性が花、男性は茎とか葉っぱなのかなと思ったのですが、それにしても女性陣の衣装の色合いは濃く、それに引き換え男性陣の衣装の色合いはあまりに淡くて、それぞれ綺麗な色ではあるんだけどなんかちぐはぐで統一感がない感じがしてしまいました。

それはさておき、いつしかクララは自分の憧れを体現したような理想の女性、こんぺい糖の精に。くるみ割り人形も王子に。というわけでイーグリング版ではクララとこんぺい糖の精を同じ人物が踊り、ドロッセルマイヤーの甥とくるみ割り人形と王子を同じ人物が踊るバージョンでした。
最後はそのこんぺい糖の精と王子のGPDD。やることの多い、見応えのある振付。
こんぺい糖の池田さんは、緊張していたのかな? というくらい顔が強張っているような時があって、ちょっとハラハラしましたが、次第に笑顔を見せてくれるようになったので安心しました。ただこのように、お顔はちょっと緊張しているのかなとも感じる時間があったのですが、踊りの方は上半身の使い方が美しく、特にアームスが可憐で可愛らしくて好きです。そして音楽によく乗っているというだけにとどまらず、音楽を生み出そうとしているかのような、音のリズム、強弱、メロディーがよく表現された踊りだと感じました。
王子の奥村さんは、ずっと王子らしいスマイルを絶やさず、包容力のある王子で、こういう王子ならパートナーも安心して身を任せられるのではないかと感じました。所作が美しく、王子らしく、テクニックが精確で回転でも跳躍でもそれ以外のパでも手足があるべき美しい場所にぴたりと当てはまっている、素敵な踊りでした。もっと見ていたいな〜と思うけど、イーグリング版って結構王子(含むくるみ割り人形)役の人の踊るシーンが多いから、これ以上踊ってもらうのは鬼かもしれない・笑

気球が去っていくラスト、私はいいと思ったんだけどTwitterとか見るともしかしてあんまり評判よくない感じ?
本当に夢だったのかな? もしかして…? というのがあからさますぎる?
ドロッセルマイヤーと甥がシュタルバウム家を辞してから気球が飛ぶの早すぎ?
う〜ん、まあ私はいいと思うんだぜ。

と、あんまくるみ好きじゃない〜とかほざいておきながら、十分楽しんだ舞台でございました。イーグリング版、前評判ほどよくないことなかったと思いますが、一方でいまいちなところも分からなくはなかった。ただ、総合点で行くとかなり満足でしたグッド(上向き矢印)
見に行ってよかった!

posted by 綾瀬 at 01:17| Comment(0) | 雑記・バレエ