2019年03月05日

ベルギー旅6日目(12) グルーニンゲ美術館へGO

前回の記事で何やらねちねちと書いておりますが、グルーニンゲ美術館へやって参りました。こちらの美術館では大きな荷物はロッカーへ預ける必要があったのですが、私は何と! うっかりカメラもロッカーに預けてしまったのです。なので、写真があまりありません。あまり、と言うのは、グルーニンゲ美術館には本館と別館(?)があって、別館の方に行く時にカメラをロッカーから取り出したため、別館分はちょっとだけ写真も撮れたからです。
ロッカーと言っても無料だったので、横着せずに気付いた段階で取りに行けばよかったのですが、めんどくさいしちょっと疲れていたのもあってまあいいかな…みたいな気分だったんですよね。

さて、こちらのグルーニンゲ美術館ですが、ファン・エイクやメムリンクらの貴重な絵画が収蔵されている、フランドル絵画好きには必見の美術館です。
それにね、何といってもね、ボス(ボッシュ)の「最後の審判」があるんだよ〜〜〜!!!

ボス大好き! ボスのことは前にこの記事とかで少し書きました。グルーニンゲ美術館に来た一番のお目当てもボスの「最後の審判」! チケットを買った時、受付のおねいさんからボスの絵は別館の方に展示されていると教えてもらいました。

んで、こちらのボスの「最後の審判」ですが、どうも真贋の決着はついてないみたいです。あれっ。
ボスの「最後の審判」はウィーンの美術アカデミー付属美術館にも収蔵されているみたいですし、ググったりした時もどちらかというとウィーンの情報の方が多いような…?

ま〜〜〜しゃーない。真作でなくて模写だとしても、議論の余地があるくらい秀逸な模写なわけで、であれば十分鑑賞の価値ありでしょう!
というわけで本館(写真無し)を見学した後、早速別館に足を踏み入れます。

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お部屋に入ると、何だかモノクロの絵が飾られていて…? えっモノクロ? 最後の審判が?

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やっぱりモノクロ! えっどういうこと? 混乱するわたし。

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まあモノクロでもイカしてるよ君ら。

どういうこと? 最後の審判ってモノクロだったの? いやそんなことあるはずない。じゃあここにあるのはやっぱり模写? 模写にしてもモノクロってどういうこと? 何???
と一頻り混乱しつつ、次のお部屋へ進みます。

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じゃーん!!
あるじゃんフルカラー!

というわけで、モノクロの方はまあ演出として展示してあったわけだと思います。最初モノクロしかないかと思って焦ったよ。って我ながらその真贋というか区別というか、判断もつかんのかいって感じですが。

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モノクロでもイカしてたけど、やっぱりカラーもいいね。化け物たち。

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相変わらずとってもイケてる図案だな〜と思う。私がこの右側の悪魔だったらさ〜、人間の踊り食いなんてキモいからちゃんと捌いてほしいなって思うだろうなって思ったんだけど、あんまり深く想像したくなかった。

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お馴染みムール貝の悪魔が右端に。

おどろおどろしくてエキセントリックでグロテスクでちょっとプリティーなボスの悪魔たちにうっとりです。画家の想像力ってすごい。楽しい。本当によく思い付くなあ。素晴らしいなあ。
別館の方は人も少なくて、私ひとりでじっくり鑑賞できました。


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posted by 綾瀬 at 23:19| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2019年03月11日

ベルギー旅6日目(13) グルーニンゲ美術館見学中

グルーニンゲ美術館の別館ではボスの「最後の審判」の展示だけでなく、ブルージュ生まれの芸術家、フランク・ブラングィンの手による各種芸術作品の展示も行われていました。
この方は非常に多彩な方だったようで、絵画、彫刻、版画、家具デザインなど多方面で活躍されたようです。

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お洒落なデスク。

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お洒落な椅子。

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版画作品。とても沢山の版画が展示されていて、見応えがありました。

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カラーもあるよ! 私はこちら、かなりお気に入り。こういった、彼の活躍した19世紀後半〜20世紀半ばくらいの市井の生活を描いた版画が多く、非常に引き込まれるものがありました。エネルギッシュなんですよね〜。古き良き過去、という感じがするのです。

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大きいのもいっぱい。

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ご覧のように作風もかなり多彩。

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こちらは超巨大な絵画。色合いもカラフル! また新たな作風。

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人。

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南国の鮮やかな鳥たち。

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南国のおサル。

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これはまた別の絵ですが、鮮やかな南国の祭りの様子。みんな楽しそう。

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これも大きな絵画だった。こういうのも好きです。「Study for decoration in the "Empress of Britain",1930」と題されていました。
女帝は誰? 全員かな? 私が勝手にそう思っているだけかもしれませんが、キリスト教以前の原始宗教を彷彿とさせるような絵で、そういうのはとても興味を引かれます。


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posted by 綾瀬 at 23:32| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2019年03月21日

ベルギー旅6日目(14) グルーニンゲ美術館から聖ヨハネ施療院の薬局へ

順番が前後しますが、グルーニンゲ美術館本館のことも少し書いておこう。写真ないけど……。

本館の方にも沢山の絵画が展示されていて、たとえばファン・エイクの「ファン・デル・パーレの聖母子」や「マルガレーテ・ファン・エイクの肖像」、メムリンクの「受胎告知」、ヤン・プロヴォーストの「磔刑」「最後の審判」など、じっくり時間をかけて鑑賞したい作品がてんこ盛りでした。勿論他にも沢山。

そういった中でも特に私が印象深かったのが、ヘラルト・ダフィットの「カンビュセスの裁判」という絵でした。
これ、どんな絵かと言うと、おっさんが足から皮剥ぎの刑に処されている絵なんですね〜〜〜…。
最初は状況が分からなかったので「なんで皮剥がれてるの? 戦争で負けたりしたのかな。おっさん可哀想」と思っていたのですがそうではなく、おっさんは古代に腐敗政治を行っていた裁判官で、それがペルシャ王のカンビュセス2世によって裁かれ、罰として皮剥ぎの刑に処されることになった、というストーリーだそうです。おっさんの自業自得。しかもおっさんの息子は、親父の轍を踏まないようおっさんの生皮をかけた椅子に座らされていたらしい。息子よー。ちなみにその様子も絵の中に描かれています。
で、これは公明正大な裁判を行いましょうという一種の戒めのために描かれるテーマだそうで、グルーニンゲ美術館に展示されていたこちらも元はブルージュの市庁舎の参事会室(裁判が行われる)に飾るために制作されたそうです。

この後もヨーロッパなどを旅している時に、この「カンビュセスの裁判」のテーマの絵をどこかで見かけたりしたんですよね。だから印象に残っているという。でも、どこで見たかは失念してしまった……。

と、色々と興味深い絵画を沢山見て満足したので、そろそろグルーニンゲ美術館を後にして次の目的地へ向かおうと思います。
次に行くのは聖ヨハネ施療院の薬局です! 聖ヨハネ修道院本体部分(=メムリンク美術館)を見た後、散々寄り道してしまいましたが今度こそ薬局を目指すのだ。

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で、写真が一枚もないのも寂しいので、薬局に向かう途中の道々の写真を何枚か。

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なんだかねえ、ゆったりしたスペースの取り方で、ゆとりがあっていいな〜と感じる。

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階段も可愛いし。

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雨が降ったり止んだりしていたので、足元に少し水たまりができています。
石造りの塀の向こう側にまた石造りの古い建物や漆喰塗りの白いお家があったりして、とっても可愛い。

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これはさっき見学してきた聖母マリア教会ですね。

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この橋は人気の(?)橋で、いつも人がいっぱいいた。単に交通の便がいいというだけかもしれないけど、でも、小さくて苔むした雰囲気があって、ゲートハウスみたいなのとも接続していて、可愛いもんね。
やっぱりブルージュは可愛い、お伽噺の街って感じです。


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posted by 綾瀬 at 13:58| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2019年03月28日

ベルギー旅6日目(15) 聖ヨハネ施療院 薬局(1)

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前回の記事に引き続き、聖ヨハネ施療院の薬局に向かってとことこ歩き続けます。街並みの写真をどこまでブログに掲載するか若干迷いましたが、やっぱり可愛い街なので載せてしまえ。進みの悪い旅行記ですみません。

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運河〜。運河は何度見てもいい。いつ見てもいい。こんなの本当に御伽の国じゃん〜〜〜。可愛い家並み。

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運河を跨ぐ橋がそのまま建物になっている。こういうの何ていう名前なんだろう。こういう建物いいよね〜浪漫を感じる。大好き。

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絵を描いている人がいました。絵になる街ですからねえ。

とかやっているうちに、薬局へと辿り着きました。

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また入館前に外観の写真を撮り忘れている。てなわけでこれは後から撮った写真ですが。入口はこっちの方じゃないけど、大体この辺の建物(適当ですみません)。
何故かここの入口ではチケットを売っていなくて、私の前に入ろうとしていた人たちは別の場所にあるチケット売り場へ行くよう言われていました。私はメムリンク美術館の見学時に共通チケットを購入していたので、それでOKでした。ていうかもしかしたら単館のチケットはなくて、共通チケットのみなのかも。

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室内から中庭を。回廊状に四方を囲ってあるような、こういう中庭って大好き。

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大好きなのでアップも撮りました。整えられた庭木なんかもコンパクトで可愛らしい。

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天井はこんな感じですね! 特徴的な木組みで興味深い。格好いい天井です。急角度の船底天井に梁がザクザクといった感じ。

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天井近くの高い位置にあるステンドグラスも可愛い。この辺は壁は勿論、天井も石造りですね。地震のない地域のヨーロッパの建物は、大黒柱で支えるのでなく、壁自身の重みで自立させる構造が基本かと思います。ここもそうですね。勿論色々な建築方式があるとは思いますが。

さてさて、建物自身も勿論興味深いのですが、何はともあれ薬局部分をじっくり見学したい。というわけで。

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おお! 薬局だ!

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ずら〜っと壷たちが。お洒落だねえ。中世の薬局のイメージをそのまま残している感じですね。こういう、ずらっと棚だったり箱だったり瓶だったり壷だったり…がきちんと整理整頓されて並んでいる光景にもやっぱり浪漫を感じる。

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後ろの壁に造りつけの棚も可愛いし。足元に置かれた調剤用の器具もお洒落に感じてしまう。

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瓶たち。

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更に瓶たち。似たような写真を何枚も撮ってどうするんだって感じはするけど、やっぱり撮ってしまうのだ。
だって可愛いんだもん。

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お部屋の中にこれまたお洒落なカウンターキャビネットが置かれています。薬局に用のある人はここで修道女たちとやりとりしたんでしょうねえ。どっしりと重厚な造りで、この聖ヨハネ施療院が経済的にも豊かであったことが窺えます。

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こちらはカウンターキャビネットの背面。色々な器具がここに収納できるようになっている。便利。

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して、その表側。色々と収納力の高そうな造り。中央に置かれた天秤が格好いい。

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薬品棚。格好いい(それしか言うことがないのか)。
薬瓶って格好いい(すみません)。


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posted by 綾瀬 at 07:49| Comment(0) | 16年12月ベルギー