目についた適当なお店に入り、遅めのお昼ご飯。お洒落なレストランで、働いている男性陣が美男揃いで素晴らしかった。三次元の男性の美醜があまりよく分からない私をして、「イケメンだらけ」と思わしめる、オーナーの趣味かな? と思うようなシャングリラでした。それも正統派ハンサム系、可愛い系、ワイルド格好いい系など、皆様の細かなニーズに応えて様々なタイプのイケメンを取り揃えておられます。何の話か。
あまりにイケメン過ぎて「一緒に写真撮ってください」と言おうかどうか深刻に迷いましたが、私の顔がイケメンの1.5倍くらいありそうでしたので思い留まりました。今にして思うと、思い留まってヨカッタネ。
ちなみに女性は、失礼ながら普通だった。男性も女性も親切でしたわ。
で、そんな芸能人のような絶世の美男だらけのレストランで注文したのがこちらのフランドル風カルボナード。前も似たようなの食べてるけど、また食べたくて。牛肉のビール煮込みです。ここのはシチュー部分が多め。で、ベルギーではいつでもどこでも山盛りポテトがついてくるのを忘れてパンを別注してしまった私。奥に置いてある白い袋に包まれているのがそれですが、到底食べ切れず、翌朝食べようと思ってバッグに詰めて持ち帰りました。そしてそのまま食べずに日本にまで持ち帰ってしまいました。ああ…あああーーー!!
それはさておきこちらのベルギーの郷土料理、フランドル風カルボナード、大変美味しゅうございました。お肉も柔らかく、シチューにもコクがあって、かといって味付けが濃すぎることもなく、満足満足。
で、
実はゲントのトラム、ちょっと難しかったです。というのはあちこちで工事をしていて、私が乗りたい路線がまさに工事にぶち当たっていて、使いたい区画が運行していなかったのですね。なので途中で乗り変えなきゃいけないらしい。うーんよく分かんない。英語の掲示がなくて、オランダ語オンリー。いや英語で書かれててもどうせ大して分かんないけどさ。
なのでもう腹を据えて、これだろうと思うトラムにえいやっと飛び乗りました。
思う方向に走っていくのでとりあえず一安心…。ただ、しばらくして何となく違和感を覚え、Google Mapを見ると、全然違う方向じゃーん!!! あっるぇーーー!!!
工事中の迂回ルートをきちんと読み取れていなかったみたい。とりあえず元の場所に戻らなくちゃ! とにかくトラムから飛び降り、反対方向のトラムへ再び飛び乗る。
椅子に腰かけふーやれやれと一息…あれ、停留所に停まったはいいが、動かないぞ。まだ一、二区画くらいしか戻ってないのに。なんで動かないんだろう。つーかさっきからベルがチンチン鳴ってるけど、なんぞ…って私以外全員降りてる! 終点かよ!!!
あー運転士さんマジごめん、と思いながらやっと乗ったトラムから再び飛び降ります。うーん慌てた慌てた。私が降りるとトラムは急いでそこから立ち去ってゆかれました…。私のせいでダイヤを乱してしまっていたら申し訳ない。察しが悪くて申し訳ない。つーかここどこ。
駅までスーツケースを引きずって歩くか(ただこれは現実的ではない)、タクシーを捕まえるか、もう一度トラムに挑戦するか…。若干悩みましたが、Google Mapやら停留所の路線図やらを見ていると、ここではない近くにある別の停留所からゲント駅まで乗り換えなしでトラムが通っているみたい。しょーがないからそこへ行こう。
というわけで地図を見ながらスーツケースを引きずって歩くこと6、7分くらいかな。人が大勢待っている大きめの停留所が見えてきました。これだけ人がいるんだからきっと駅に行ける路線だろう、と胸を撫で下ろしつつ最後尾に並びます。並びます、が、やはり一抹の不安を覚え…。
「えくすきゅーずみー、さー」
生まれて初めて英語の授業以外でExcuse me, sirと口にした気がする。
近くにいたおじさまに、次のトラムは駅に行くかと聞いてみました。
「No,You should go straight and the bridge 云々 right 云々(以下聞き取れず)」
えっ。駅行かないんですか。はああーーーまじかーーー―!!!
おじさんは指を差し、私が渡るべき橋を教えてくれます。そんで渡ったら右に曲がって真っ直ぐだ、ということも何となく分かりました。
おじさんにお礼を言い、停留所を間違えていたショックを抱えつつ再び重たい(よく考えるとそうでもない)スーツケースを引きずって教えていただいた停留所目指して歩き始めます。今度は7、8分くらいかな。途中そこそこ交通量の多い信号のない横断歩道とかもあって、若干疲労を覚えながら歩きます。しばらく歩くと目的の停留所が見えてきたので、再び胸を撫で下ろし…私の目の前で去っていくトラム…。仕方ない。次を待つしかありません。
どこが先頭かよく分からなかったので、端の方で適当に並んでいたのですが、いざトラムが来るともっと手前の方にしか止まらなかったので慌ててスーツケースをもってダッシュしました。
で、ここで、このベルギー旅で最初で最後の、もしかしたら差別かな? と思う出来事がありました。まあ、特に危害を加えられたりしたわけでもなく、本当に些細なことではあるのですが。
私がスーツケースをもって一番近くのトラムの入口に走っていった時、そこに元々並んでトラムに乗り込もうとしていた二十代くらいの白人男性がいたのですね。その人がじっと私のことを見たんです。睨むというほどではありませんが好意的な視線ではありませんでしたので、嫌な感じを受けました。で、その人が先にトラムに乗り込んで、後から私が乗り、切符を検札機に通して適当に空いている席に座ったところ、たまたまその男性の近く(つっても隣とか、前後すぐとかではない)だったんです。
そうしたらその人は荒っぽく足音を立てて別の席に移動していったのですが、足音の立て方とかがすごくわざとらしくて、「何だこいつ」と思わざるを得ませんでした。ていうかこいつ切符に検札機通してねえ。定期持ってるのかもしれないけど。
まー、気にするほどのことはない。暴言を吐かれたり、暴力を振るわれたりしたわけではない。東洋人が嫌いな奴だったんだ、と思う他ないですが、これがもし暴力性を伴う人だったらどうやって対処できるだろう、と考え込んでしまいます。
幸いにして私はベルギーではこの一件の他には一度も差別っぽい扱いを受けたことはなく親切にしてもらったし、次に行ったアイルランドではこの程度のささやかな嫌な思いをすることさえなくずーっと優しくしてもらってたし、どこの国でも楽しいことが99%以上ではあるんだけど、やっぱりこういう出来事があったなあ、とは記憶に残ってしまうものでございます。
それで〆るのも何なので、上記の奴が下車した後トラムから撮った街の写真を何枚か。
↑と↓で同じ写真かと見紛うレベルですが地味に違うのであります。屋根も可愛いしドアも可愛いので両方撮ろうと思い、こうなってしまうのであった。広角レンズだと違うのかもしれませんが。
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