2018年11月04日

ベルギー旅5日目(17) ゲント最後の食事と駅への道のり、あともしかしたら差別?

さて、楽しい水路巡りも終わり、前回の記事で書いた通りぼちぼちゲントを後にする時間が近付いてきています。ちなみに電車の時間等は特に調べずてきとーです。ちなみにこのてきとーさがベルギー旅最終日、私の胃をキリキリさせるのですが、それはまだ先の話…。

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目についた適当なお店に入り、遅めのお昼ご飯。お洒落なレストランで、働いている男性陣が美男揃いで素晴らしかった。三次元の男性の美醜があまりよく分からない私をして、「イケメンだらけ」と思わしめる、オーナーの趣味かな? と思うようなシャングリラでした。それも正統派ハンサム系、可愛い系、ワイルド格好いい系など、皆様の細かなニーズに応えて様々なタイプのイケメンを取り揃えておられます。何の話か。
あまりにイケメン過ぎて「一緒に写真撮ってください」と言おうかどうか深刻に迷いましたが、私の顔がイケメンの1.5倍くらいありそうでしたので思い留まりました。今にして思うと、思い留まってヨカッタネ。
ちなみに女性は、失礼ながら普通だった。男性も女性も親切でしたわ。

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で、そんな芸能人のような絶世の美男だらけのレストランで注文したのがこちらのフランドル風カルボナード。前も似たようなの食べてるけど、また食べたくて。牛肉のビール煮込みです。ここのはシチュー部分が多め。で、ベルギーではいつでもどこでも山盛りポテトがついてくるのを忘れてパンを別注してしまった私。奥に置いてある白い袋に包まれているのがそれですが、到底食べ切れず、翌朝食べようと思ってバッグに詰めて持ち帰りました。そしてそのまま食べずに日本にまで持ち帰ってしまいました。ああ…あああーーー!!

それはさておきこちらのベルギーの郷土料理、フランドル風カルボナード、大変美味しゅうございました。お肉も柔らかく、シチューにもコクがあって、かといって味付けが濃すぎることもなく、満足満足。

で、イケメンの館レストランを後にし、2泊お世話になったゲントリバーホテルへ荷物を取りに戻り、近くの停留所からトラムに乗って駅へ向かうことにしました。
実はゲントのトラム、ちょっと難しかったです。というのはあちこちで工事をしていて、私が乗りたい路線がまさに工事にぶち当たっていて、使いたい区画が運行していなかったのですね。なので途中で乗り変えなきゃいけないらしい。うーんよく分かんない。英語の掲示がなくて、オランダ語オンリー。いや英語で書かれててもどうせ大して分かんないけどさ。

なのでもう腹を据えて、これだろうと思うトラムにえいやっと飛び乗りました。
思う方向に走っていくのでとりあえず一安心…。ただ、しばらくして何となく違和感を覚え、Google Mapを見ると、全然違う方向じゃーん!!! あっるぇーーー!!!
工事中の迂回ルートをきちんと読み取れていなかったみたい。とりあえず元の場所に戻らなくちゃ! とにかくトラムから飛び降り、反対方向のトラムへ再び飛び乗る。
椅子に腰かけふーやれやれと一息…あれ、停留所に停まったはいいが、動かないぞ。まだ一、二区画くらいしか戻ってないのに。なんで動かないんだろう。つーかさっきからベルがチンチン鳴ってるけど、なんぞ…って私以外全員降りてる! 終点かよ!!!
あー運転士さんマジごめん、と思いながらやっと乗ったトラムから再び飛び降ります。うーん慌てた慌てた。私が降りるとトラムは急いでそこから立ち去ってゆかれました…。私のせいでダイヤを乱してしまっていたら申し訳ない。察しが悪くて申し訳ない。つーかここどこ。

駅までスーツケースを引きずって歩くか(ただこれは現実的ではない)、タクシーを捕まえるか、もう一度トラムに挑戦するか…。若干悩みましたが、Google Mapやら停留所の路線図やらを見ていると、ここではない近くにある別の停留所からゲント駅まで乗り換えなしでトラムが通っているみたい。しょーがないからそこへ行こう。

というわけで地図を見ながらスーツケースを引きずって歩くこと6、7分くらいかな。人が大勢待っている大きめの停留所が見えてきました。これだけ人がいるんだからきっと駅に行ける路線だろう、と胸を撫で下ろしつつ最後尾に並びます。並びます、が、やはり一抹の不安を覚え…。

「えくすきゅーずみー、さー」

生まれて初めて英語の授業以外でExcuse me, sirと口にした気がする。
近くにいたおじさまに、次のトラムは駅に行くかと聞いてみました。

「No,You should go straight and the bridge 云々 right 云々(以下聞き取れず)」

えっ。駅行かないんですか。はああーーーまじかーーー―!!!
おじさんは指を差し、私が渡るべき橋を教えてくれます。そんで渡ったら右に曲がって真っ直ぐだ、ということも何となく分かりました。

おじさんにお礼を言い、停留所を間違えていたショックを抱えつつ再び重たい(よく考えるとそうでもない)スーツケースを引きずって教えていただいた停留所目指して歩き始めます。今度は7、8分くらいかな。途中そこそこ交通量の多い信号のない横断歩道とかもあって、若干疲労を覚えながら歩きます。しばらく歩くと目的の停留所が見えてきたので、再び胸を撫で下ろし…私の目の前で去っていくトラム…。仕方ない。次を待つしかありません。

どこが先頭かよく分からなかったので、端の方で適当に並んでいたのですが、いざトラムが来るともっと手前の方にしか止まらなかったので慌ててスーツケースをもってダッシュしました。

で、ここで、このベルギー旅で最初で最後の、もしかしたら差別かな? と思う出来事がありました。まあ、特に危害を加えられたりしたわけでもなく、本当に些細なことではあるのですが。

私がスーツケースをもって一番近くのトラムの入口に走っていった時、そこに元々並んでトラムに乗り込もうとしていた二十代くらいの白人男性がいたのですね。その人がじっと私のことを見たんです。睨むというほどではありませんが好意的な視線ではありませんでしたので、嫌な感じを受けました。で、その人が先にトラムに乗り込んで、後から私が乗り、切符を検札機に通して適当に空いている席に座ったところ、たまたまその男性の近く(つっても隣とか、前後すぐとかではない)だったんです。
そうしたらその人は荒っぽく足音を立てて別の席に移動していったのですが、足音の立て方とかがすごくわざとらしくて、「何だこいつ」と思わざるを得ませんでした。ていうかこいつ切符に検札機通してねえ。定期持ってるのかもしれないけど。
まー、気にするほどのことはない。暴言を吐かれたり、暴力を振るわれたりしたわけではない。東洋人が嫌いな奴だったんだ、と思う他ないですが、これがもし暴力性を伴う人だったらどうやって対処できるだろう、と考え込んでしまいます。

幸いにして私はベルギーではこの一件の他には一度も差別っぽい扱いを受けたことはなく親切にしてもらったし、次に行ったアイルランドではこの程度のささやかな嫌な思いをすることさえなくずーっと優しくしてもらってたし、どこの国でも楽しいことが99%以上ではあるんだけど、やっぱりこういう出来事があったなあ、とは記憶に残ってしまうものでございます。

それで〆るのも何なので、上記の奴が下車した後トラムから撮った街の写真を何枚か。

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↑と↓で同じ写真かと見紛うレベルですが地味に違うのであります。屋根も可愛いしドアも可愛いので両方撮ろうと思い、こうなってしまうのであった。広角レンズだと違うのかもしれませんが。

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posted by 綾瀬 at 20:20| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2018年11月12日

ベルギー旅5日目(18) グッバイゲント、ハローブルージュ

前回の記事で散々トラムを間違え、ようやく正しいトラムに辿り着いた時にはそこそこ気疲れしておりましたが、まあ何とかゲント駅まで(今度こそ)辿り着くことができました。

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ゲントの街のシンボルの時計塔とよく似た感じの時計の小塔が駅舎にも。

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そして相変わらず大層美しい、駅舎内の宮殿のような装飾。

ここでブルージュ行のICの切符を購入。特に問題なく、自動販売機でクレジットカードで買えました。
ブルージュ方面へ向かうICはそこそこの頻度(20〜30分に1本くらいはあったかと)で通っており、適当に次に来た列車(ブルージュ行じゃなくて、ブルージュより北西にあるオステンド行だった)に乗り込みます。乗り換えなどもなく、簡単で分かりやすい路線です。

そして電車に揺られること…えーと1時間くらいだったかな。無事、ブルージュの街へ到着しました!

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ブルージュの駅舎はゲントと違ってシンプル、そして駅前はこんなふうに何もなくだだっ広い。そんで駅前広場の片隅に、バスの切符売り場がありました。なんでそんな端っこに、肩身狭そうにして存在しているのか…と思いつつ、ここでブルージュの中央広場、マルクト行きの切符を購入。やって来たバスに乗り込みます。みんな同じバスに乗るので分かりやすい。

マルクトまではバスで15分くらいだったかな。そんなに遠くないです。

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そして辿り着いたブルージュの街の中心部、世界遺産の一部でもある鐘楼です!
大分日も暮れて空が青黒く、そこにモノトーンで浮かび上がる鐘楼は足元の灯りとのコントラストもあって雰囲気があって素敵。

ブルージュは有名な観光地であることもあり、ゲントに比べると人が多い。ブリュッセルと同じくらいかな。飲食店や土産物のお店が多く、とても賑やか。
更に暮れていく街を、あちこち冷やかしつつ一旦ホテルへ向かいます。

今夜お世話になる宿はHotel Bourgoensch Hof。
よ、読めない。Expediaによるとホテル ブールゴンシュ ホフと読むらしい。ブルージュはやっぱりホテルの相場が少し高くて(って言っても、ベルギーは全体的にヨーロッパとしては宿代は安い方)、お得な宿を探していたところ1泊7、8000円くらいだったのでラッキー! と思って決めました。ダブルの部屋なので、もしひとり旅じゃなければひとり4000円とかよ。お得。スタンダードルームだったと思うけど、お部屋は広く、窓から運河も見えたしね。

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Welcome飴ちゃんの置かれていたベッド。ダブルのお部屋だけど、マットレスはシングルのを二つ横並びに置いた形。

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広い洗面所兼お風呂場。シャワーとバスタブは一緒だけど、私は旅先ではあまりバスタブに漬からないのでそこは最初からチェックポイントではない。

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お部屋の窓から。何だか雰囲気のいい区画だと思いませんか!?

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お部屋から見える運河。建物からこぼれる灯りがいい感じ。

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もう一丁。
お向かいが飲食店のテラス席なので騒がしいかとも思ったけど、音は全然気にならなかった。

と、こんな感じでホテル自体は古いけどマルクトから近くで交通至便、水路に面していて雰囲気はいいし、水回りは使いやすくリノベーションされていて清潔で快適。リネン類も豊富に用意してくれていて、過ごしやすいホテルでした。
家族経営のようで、夜は玄関が閉まるみたいで、その場合の入り方も教わったんだけど英語が理解できなかったいや、パスワード制で、自分のパスワードも分かったんだけど、100%合っているという自信はなかった。フロントのおじいちゃんはフレンドリーで親切で、日本から来たと言うと遠くからファンタスティックだね、など色々話しかけてくれました。英語の分からないポンコツ綾瀬に根気強く色々教えてくれてありがとうございました。

えー、そんな感じで無事ホテルへ落ち着きましたので、ちょっと休憩してから早速夜遊び…夜のブルージュを探検です!
周囲はすっかり日が落ちて真っ暗、でも金色の光があちこちで地上を照らしていて、いかにも観光地らしい浮き立った楽し気な雰囲気です。

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ベルギー名産品、レースのお店。

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照明に照らし出された天使の像。どちらの天使様か未確認。

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運河の突き当りの更に奥に見える、あれは何の塔だろう。教会の尖塔かな。

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運河沿いに建つ建物と、ライトアップの装飾を付けられた枝垂れる木。日の落ちた今では運河は完全に真っ暗で、地上にはあちこち明かりが灯っているのに飲み込まれるように暗い。なんか海苔みたい。などと思う私であった。

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もうちょっと引きの位置から。こうして見るとライトアップが水面に写ってまた一段眩い。

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でも少し外れると、やっぱり暗い。深夜、誰かを暗殺しようと思ったらこの暗闇は味方だなあ、などと誰かを暗殺する予定などないのに陰謀に思いを巡らせる。

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地上の暗闇。照明もあるのに、暗いところはとことんまで暗い。何がどうというわけでもないんだけど、私が日常馴染んでいない闇の種類だと感じる。普段、日本で仕事帰りに深夜道を歩いている時は、こういう色の暗闇ではない気がする。

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やや人の少ないところを歩いてきたので、また人が沢山いる小さな広場のようなところに出てほっと一安心。

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はて、自分が今いるのはブルージュの街のどの辺りなのだろう。地図も見ず気の向くままぶらぶらしていたため、少しばかり方向感覚を失う。まあ、迷ったというほどのことではない。散策を続けながら夕飯のお店を探す。さっきお昼食べたばかりでは、というのは気にしないで!

次回も夜の探索を続けまーす!


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posted by 綾瀬 at 17:59| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2018年11月23日

ベルギー旅5日目(19) ブルージュを夜の探検

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どこか分からないけど夜の市街をうろつきまーす。つってもそんな遅い時間帯ではないのですが。7時か8時か、それくらいだったかと。

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似た造りの建物が左右に位置し、その真ん中に橋と小路がかかっているという見目麗しき街づくり。
このブルージュもゲント同様、運河の街。街中に運河が張り巡らされ、入り組んだ小路や水路が多い。当然、その上にかかるちょっとした小さな橋も数多く、歩いているだけで楽しい。

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この彫像が飾られている、入り口上部のスペースのことをタンパンとかティンパヌムとかいうそうです。その周囲の縁取りはアーキボルトと。で、こちらの入口のタンパンにはかなり年季の入った胸像がででんと鎮座ましましている。さて、どなた様か。このお宅にどんな由縁がある方か。気になるけれど解はなく、妄想は膨らむ。正直男性か女性かもよく分からないけど。多分男性かな…。ローマ風の彫像だ。

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こういう建築物のことを何て言うんだろう。分からないけど、建屋自体は個別に別れていて、二階や三階などの中空で渡り廊下で繋がっているの。連絡通路と言ってしまうとあまりに情趣に欠けるので、何か雅な呼び名があるといいのだけど。呼び名はともかく、こういう造りってほんと大好き。ヨーロッパのお家にはちょいちょい見かけますね。

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そんでその連絡通路(情趣無し)の下をくぐって進むと、また建物に四方を囲われた中庭的広場に辿り着きました。こういった、建物に囲われた小広場みないなのがあちこちにある、複雑な街の造りです。いいねえいいねえ。

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今自分がどこにいるか知らんけど、立派な建物がぐるりと周囲を取り囲んでいるので、きっと何か有名な観光スポットだろうと思う。明日か明後日か、明るい時にもう一度来よう。

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その立派な建物の小さな戸口。小さい、といっても立派な造りで、石段も丁寧に半円形かつ相似形に造られていて、職人の丁寧な仕事が窺えます。そしてタンパンには紋章が飾られています。

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紋章のアップ。
中央の獅子の紋章を、左右から動物たちが支えている。向かって左側のは獅子でいいと思う。右側のは…熊? かな?? うーん、違うかな??? 空想上の生き物かも。
と思って後に調べたところによると、やっぱり熊で合っていた。伝説上の熊で、ブルージュ最古の住人と言われているそう。

伝説の内容はざっと下記の様なもののようです。
9世紀の昔、フランク王国の大貴族フランドル伯ボードゥアン1世は西フランク王国国王にしてローマ皇帝の、禿頭王と呼ばれたシャルル2世(カール2世)の娘、ジュディトを誘拐して結婚(……)、王の許可を得ないで結婚したため罰として二人はフランドルの僻地へ追いやられる(王の処罰を恐れて逃亡した先がフランドルだった、という説も)。その地では凶暴な熊が住民たちを圧迫していたが、そこは鉄腕伯の異名をとるボードゥアン1世、見事熊を斃して住民たちを救ったのでした。それを記念して住民たちは熊を剥製にしてボードゥアン1世に贈り、以来その熊は「フランドル最古の住人」と呼ばれてきたそう。

熊は土蜘蛛、つまり先住民族を指しているのでしょうね。多分。

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黄色いライトアップは黄金を、富裕なるフランドルを想起させる。その富裕なるフランドルのイメージは何故か、容易に寂寥に結び付く。美しく豊かな土地で、長い歴史も持っている地域だ。それがどういうわけか、ほの寂しさに繋がっていく。過去の栄光に目を向けるが故の、これはもしかしたらいささか失礼な感慨かもしれない。でも、寂寥という言葉の重みに耐え得るだけの力を感じさせる国だとも思う。

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美しい街灯。蔦を象った瀟洒な細工が素敵。

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これも何だか由来のありそうな建物だ。入口のアーチが3つもある。
それと、木製の(多分)鎧戸の格子がすっごく可愛い! アーキボールトの外側の装飾もおおらかな感じがして良い感じではないですか。また明日以降の再訪が楽しみ(*'▽')

そろそろお腹が空い…てはいないが、ぼちぼちご飯をゲットしないとお店が閉まってしまうかもしれない。というわけで広場を離れて、もう少し飲食店や土産物店などの多そうな通りに足を向けます。


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posted by 綾瀬 at 11:44| Comment(0) | 16年12月ベルギー