2018年08月05日

ベルギー旅5日目(5) フランドル伯の居城を見学 その3

まだまだてくてく城壁散歩。

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荷物とかがテキトーに置いてあるのもご一興。ご一興?
ただ、こんなふうに建物と建物が入り組んでいて、大きなアーチが設けられている通用路みたいなスペースって何とはなしに好きです。
この城砦に実際に領主やその一族が暮らしていたような時代、こういう場所を下働きの人たちが忙しく行き交ったのかな〜、などと想像が膨らみます。
そんでもってまた、この写真だと見切れている左側の建物がいい感じなのだ。

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じゃんっ! あんまり代わり映えしないけど2連続で(注:同じ建物です)。

先ほどの廃墟っぷりには全然至らないけど、いい感じに朽ちていて、頑張れば暮らせないことないかもしれないけどやっぱ無理じゃなかろうか〜という良い塩梅のボロさ。
城砦の内部構造には全く知見がないので完全に勘で言いますけど、こういう付属館っぽい背の低い(つっても2階建てくらいはありそう)建物って調理その他の作業場や、あるいは使用人用の建物だったのかななどと思ったり。

貴顕の人々は、この半廃墟の背後にそびえたつ、背の高い「お城っぽい」方が居住スペースだと思うので。

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この後ろの方ね。「お城っぽい」方って。

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その「お城っぽい」方の外壁と窓のアップ。
うむ、重厚な、いい感じの「お城っぽさ」。好きよ、この感じ。童話の中で森の奥深くとかに建っていそうな風情だ(と思うんですが、どうでしょうかね)。

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手前の建物の正面? 側面? に回りまして、こうしてみると廃墟っぽさがマシマシです。というか紛れもない廃墟ですね。やっぱりどんなに頑張っても住めないぞ! いつ崩れ落ちても不思議はない。

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ぽっかりと開いているドア跡? らしい箇所のアップ。
室内の様子が窺えます…、が、室内も崩れ落ちちゃって煉瓦の土台の凸凹がちょっと分かるくらいですね。

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んで、こちらは建物の足元の土台のアップ。石の一つ一つは不揃いだけど、がっちりしっかりかためられています。
苔むしてあちこち草が生い茂ってるのがいい感じ。
もしかしたら往時にはこの辺まで水が引かれていて堀になっていたのかな?

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またちょっと歩みを進めますと、いかにも「お城っぽい」建物の、小塔を従えた背面へ到達。

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整然と等間隔に設えられたシンメトリーな窓の造りなんかも、廃墟と化している方の建物とは気合の入りっぷりが違う気がする。
いやほんと、窓上の半円のアーチも三重で、めっちゃ気合入ってると思われる。

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その窓も各階にあって、そっくりコピペしたかのような精確さで作られています。

中世の技術力とそれを支える財力に思いを馳せつつ続く。


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posted by 綾瀬 at 17:17| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2018年08月12日

ベルギー旅5日目(6) フランドル伯の居城を見学 その4

そんでもってさらに進んでいくと、こんな感じでところどころ壁の崩れ落ちている界隈へ到達。

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左下の物置といい、何か適当に落っこちてる何かと言い、どことなく場末感を感じさせる一画。
いや、物置はしょうがないとしても、適当に落ちてるものは拾って端に寄せておくくらいしないと、なんかこう廃墟とかそういうのとは別の意味で荒れ果てた感が出てしまう気がして……。

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崩れている壁のアップ。
灰色の煉瓦の下の橙色の煉瓦部分は、後から修復したから色が違うのか、それとも元々橙色の煉瓦があって、その上に灰色の煉瓦を重ねる形で築城していったというものなのか。

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今までお散歩してきた城壁なのですが、実はここが一番端っこで、この先は進めないようになっていました。
この先はお堀で、お堀を囲うように石の壁自体は続いているのですが、どうも人が歩けるようにはなっていない様子。
手前には別途塀のようなものがあったみたいですが、今は写真の通り大きく崩れ落ちてしまっていて、そこからお堀が見えております。

で、次の順路なのですが。
写真に映っていないんだけど、城壁から直接塔のような建物に入れる通路があったのでそこを進みます。

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その入り口はこんな感じ。
石造りの建物の中から撮ったので、とにかく周囲が暗い。そりゃー周囲を石で覆われているんだから当然だよな、とは勿論分かるのですが、石造りの建物のこのおどろおどろした暗さは中世の暗黒に直接繋がっている感じがして、不気味と言うと語弊がありますがやっぱりくらーいイメージ。
木の建物のぬくもりとは全然違う。

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ちゅーても、窓はある。高い位置に、そう大きくはないのが。
建物の壁の厚みがすごい。窓から入ってくる光も、人の行き来する空間に落ちてくる前に石の中に吸い込まれてしまうような錯覚を覚える。

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しかし現代は暗黒の中世ではないので、文明の利器(電気)によって室内は不自由なく明るく照らし出されているのであった。
ファミリー向けイベント用の見学順路案内に沿って適当に進む。

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すると何ということでしょう! 何ともファンシーな一部屋が!

ここは天井が低く、窓も多く取られているので十分明るい。
多分イベント用の飾り付けだとは思われるのですが、クリスマスツリーやソファ、クッション、毛皮(風の)敷物などがセッティングされていました。一家団欒のできそうなくつろぎスペースです。
ここは足元は石造りでなく板敷きとなっておりますが、やはり建物自体は石造りなので、とにかく底冷えがします。きっと、実際にこの城砦が使われていた時代にも、この飾り付けのように足元には寒さ除けの敷物が敷かれていたことと思います。壁にもタペストリーとかが飾られてたかも。
正面の窓が十字形をしているのも素敵である。

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柱の造りも素敵だったのでアップで撮った。壁じゃなく、足元の段差でスペースが区切られていて、柱のある方は足元も石造り。

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で、実はその柱のある方は側防塔のようになっていて、こんな感じで銃眼が並んでいたりして。くつろぎスペースと戦闘用の砦とのギャップが激しい。
そんでもってやはり左下の台は何であろうか…?

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ちなみにクリスマスツリーの傍からくつろぎスペースを振り返って反対側に写真を撮るとこんな感じ。
イベントのプリンセスのシルエットが浮かび上がっております。
長方形で、結構大きめのお部屋です。13,4畳くらい?

と、ファンシーなプリンセスのくつろぎスペースで、実際はここまでファンシーではないんだろうけれど、イベントの飾り付けも中世にこの城砦が使用されていた時代の暮らし方を想像する一助にはなるな〜などと思いながら続く。


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posted by 綾瀬 at 01:27| Comment(0) | 16年12月ベルギー

8/8 世界バレエフェスティバル Bプロ(1)

3年に1度東京で開かれる世界バレエフェスティバルを初めて観覧して参りました。

公式サイト

3年に1度だしーと奮発してS席です。
とはいえ仕事と予算の関係で全部のプログラムを見ることは叶わず、Bプロのみ。チケットを取る段階ではAプロ、Bプロの演目も決まっていなかったので、「演目も分からんのに26,000円も払うなんてすごいな」と思いつつ、バレエというのはそんなもんじゃろと、仕事の兼ね合いで一番都合のつきやすかった8月8日、Bプロ初日を観に行くことにしました。
勿論本当はAプロも、ガラも、特別全幕のドンキも見たかったよー。でも、結果的にはBプロは私の見たかった演目が目白押しで超ラッキーでした。それにお気に入りのダンサーも何人か見つかったし、今後のバレエ観覧ライフの充実への大きな助けともなりました。
それと当日の予報では台風直撃コースでぎりぎりまで無事開演されるか(そして終演まで保つか)ドキドキしていましたが、意外にも行きも帰りもそんな暴風でも豪雨でもなく、これまたラッキーだったのでした。

19演目、4時間以上にわたる長丁場で(若干腰と背中が心配で)したが、割りと頻繁に休憩を入れてくれたので助かりました。その分1回1回の休憩時間が短いのでトイレは争奪戦でしたが…。

指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:フレデリック・ヴァイセ=クニッテル(「ソナチネ」「椿姫」)

― 第1部 ―
「眠れる森の美女」
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
オレシア・ノヴィコワ/デヴィッド・ホールバーグ


格調高く美しい「眠り」。最終幕、オーロラ姫とデジレ王子の結婚式のパ・ド・ドゥ。ノヴィコワさんの腕と足の動かし方、止めた時の形、とても美しく見惚れてしまいました。でもこの演目を見ている時、すごく心が動いたのですが、何だか違和感があって、瞬間的に「もしかして私が今感動しているのは踊りの方じゃなくてオーケストラの方…?」という思いが芽生えたのも事実。オーケストラ良すぎで踊りが負けてる。そんなあ。
でもこの日のオーケストラは最高に素晴らしかったです。「もっと演奏聴いてたい」って、はっきり思ったもんね。音が豊かで広がりがあって厚みを感じて、とにかく心地よかった。
オーロラ姫もデジレ王子も気品があり、姫と王子!!というのがよく伝わってきて、決して悪い踊りではないと思ったのですが。
初っ端で座が温まってないっていうのも関係あるのかなあ。受け手(つーか私)のテンション的に、公演が始まったばかりだから、大団円の結婚式っていう気分じゃないっていうか…? ガラ形式だから当たり前だけど、ひとつひとつの演目の時間は短くて、やっぱ全幕見たいっちゃーと思いました。

「ムニェコス(人形)」
振付:アルベルト・メンデス
音楽:レムベルト・エグエス
ヴィエングセイ・ヴァルデス/ダニエル・カマルゴ


人形っぽい動きは面白くて好き。結ばれ得ない宿命の人形たちの姿が分かりやすく、コミカルな動きで表現されていてよかったです。まずは女の子の人形が目覚め、兵隊の人形にちょっかいを出し、なかなか思いが通じずすれ違うけれどやがて仲良くなって二人で踊って、なのにいつしか女の子が動かなくなり、兵隊が慌てて起こそうとして、やっと女の子が動いたと思ったら今度は兵隊が動けなくなって、やがて夜が終わって…という、束の間の愛の絶頂とその前後のすれ違い(前半は思いのすれ違い、後半は運命のすれ違い)がとっても切ない演目でした。物語としてはもしかしたらありきたりかもしれませんが、これは人形らしいコミカルな踊りだからこの程度の凹み具合で済むのであって、ドシリアスな踊りだったらめっちゃ凹みそう…と思ったものです。
人形に仮託してるけどさ、人間の営みだって宇宙規模から見たら一夜の幻のような儚さでしょう。
で、人形っぽい動きは面白いし好きなんだけど、超絶技巧が次から次へ、という振付ではないので、折角のヴァルデスさんとカマルゴさんなのでもっとガンガン踊ってる姿も見たかったなー、とも思ったり。

「ソナチネ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:モーリス・ラヴェル
レオノール・ボラック/ジェルマン・ルーヴェ


私は物語のあるバレエが好きで、見る時も演劇的アプローチで見てるんだろうなあ、というのが自分自身で分かります。そうすると、音楽をバレエという言語で表現するバランシン作品とは相性が悪く…。見ていて、何を表現しようとしているんだろうとあれこれ考えた挙句、すーぐ男女の愛かな? と短絡してしまうという…。男と女が舞台に上がってたら何がどーでも男女の愛かよバッカじゃねーの? と自分でも思うんですが。そしてどこまでも底の浅い頭の悪さが完全に露呈していて書いてて恥ずかしいんですが。実際、男女の愛が表現されることもあれば、そうでないこともいっぱいあると思うのです。
今回は最初からバランシンの「ソナチネ」と分かっているのだから、あれこれ考えようとせず、見たままを楽しもうと意識して観覧に臨みました。
爽やかなブルーとピンクの衣装が美しく、その衣装を翻して踊る二人が美しく、心地よく見ることができました。しかしふと気が付けばバランシンはこの音色をこの振付でどう表現しようとしたんだろう、とかあれこれ考え出してしまい、振付と音楽が合っていてすごい! 素敵! と思うこともあれば、なんか(私の)音楽の受け取り方と違うな〜と思うこともあり(バランシンに対して烏滸がましいにも程があり、書くのをほんとためらいましたが、まあ正直に書きます)、結局ずっと考えてた。馬鹿の考え休むに似たり。あーああー。
そうやってあれこれ考えてると結局、綺麗に踊っていたなという印象ばかりが残って、折角の踊りをちゃんと堪能できていたか我ながら謎。でもルーヴェさんのピルエットは好きだ! って思ったのをよく覚えている。
相性が悪いバランシンとはいえ寝なかったし、またいつか見てみたい演目です。
あと、舞台上で演奏されたピアノもよかったです。

「オルフェウス」
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー、ハインリヒ・ビーバー、ピーター・プレグヴァド、アンディ・パートリッジ
シルヴィア・アッツォーニ/アレクサンドル・リアブコ


オルフェウスはギリシャ神話のあれですね。奥さんが亡くなって、冥府に奥さんを取り戻しに行って何とか地上まで連れ帰ることの合意が取れたものの、地上に着くまでは振り返ってはいけないという言い付けを破って振り返ってしまい、という黄泉平坂。
でもこの作品は舞台を現代に移し、オルフェウスはバイオリニストという設定。
大好きなノイマイヤー、なんだけどちょっと眠たくなっちゃった。えーなんでだ。ソナチネで寝ないで頑張ったから…? 初の生リアブコめっちゃ楽しみにしてたのに…。
寝はしなかったし、断片的にはここが素敵だったとかあーだこーだ覚えているのですが(奥さんが出てくるところとか、ラストのオルフェウスの嘆きとか)、集中して見ることができなかったのでコメントは控えます。あああ勿体ない……。いつかリベンジしたい。


ローラン・プティの「コッペリア」
振付:ローラン・プティ
音楽:レオ・ドリーブ
アリーナ・コジョカル/セザール・コラレス


睡魔から復活。
コッペリアって苦手なストーリーです。だってDQNが老人に嫌がらせして特に反省もしない(反省は版によるかな?)話に見えてしまうのだ…。フランツは馬鹿で、気が立っている時だと「死ねばいいのに」とさえ思うほどムカつく。スワルニダは特に気が立っていない時でも「何こいつ死ねばいいのに。ていうかフランツみたいなクソ男は捨てとけ」と思う。えー、公序良俗に反する発言で申し訳ございません。フランツとスワルニダに対する私の悪意がすごい。でもそれも演出によりけりだと思うし、プティ版のコッペリアは初見だし、ガラでパ・ド・ドゥだけ抜き出してみるならDQNストーリーも気にならない。やったぜ。
そして初の生コジョカル&コラレス。期待に違わず、明るくてとびきり可愛くて、素敵なカップルでした。きびきび若々しく踊って、大嫌いなフランツ&スワルニダ(死ねばいいのに)ということもちょっとしか気にならない。ちょっと気になるの? と我ながらその執念深さにびっくり。どっちかっていうと、大嫌いなフランツ&スワルニダなのにこんなに可愛く楽しく踊られて好感を持ってしまいそうで困るって感じ。だって楽しそうで可愛かったもん。コジョカルさんは可愛いし、コラレスさんは活きがいい! プティ版コッペリアを全幕見れば、私のこのフランツ&スワルニダに対しての悪意も払拭されますでしょうか。

2幕以降は次の記事で!

posted by 綾瀬 at 18:31| Comment(0) | 雑記・バレエ

2018年08月14日

8/8 世界バレエフェスティバル Bプロ(2)

前回の記事の続きです。2幕から!

― 第2部 ―
「シンデレラ」
振付:ルドルフ・ヌレエフ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
ドロテ・ジルベール/マチュー・ガニオ


この演目の時、前の座席の人がすごく前のめりになって見ていてあまり舞台で踊る二人が見えず、集中できませんでした…。残念。前の座席の人はこの演目になるまでは別に前のめりになったりするわけでなく、普通に座っていただけになんでだよむかっ(怒り)とすごく苛々してしまったんですが、前の前の席の女性がね、パートナーの男性と一緒に来ていてね、その男性の肩に頭を完全に凭せ掛けてだらーんとリラックスして舞台を鑑賞されていてねむかっ(怒り)むかっ(怒り)、そのせいで前の人は前のめりにならないと何も見えんという…。
はあ? ふざけんなマジで家で寝てろこのクソピーーーーーーー!! 男も男でてめーなんで注意しないんだピーーーーーーーと放送禁止なかなり口汚い言葉が胸中を渦巻き、マジで集中できませんでした。
折角ジルベールさんとガニオさんが! 私の目の前で踊っておられるというのに!!
しかし怒りんぼの私はなかなか気分を切り替えられず、苛々したまま珠玉のシンデレラは私の上を通り過ぎていったのでした。いいもん! いつか全幕観に行くもん!
全然踊りの感想が書けない。うぅ…。このブログでわざわざこんな不快な経験を書くのはわずかながらでも啓蒙になれば…という思いからと、鬱憤を晴らしたいから。なんですが。後者の方に寄りすぎ!? という説も。
自分自身も常に絶対人に迷惑をかけずに生きているわけではないですが(当たり前だが)、意識や行動で何とかなることくらいは何とかして(変な日本語)生きていきたいものです。

なお肩凭れクソボケ女は本演目の最後の辺りで頭を真っ直ぐになさりまして、それに従い前の席の人も前のめり体勢をやめたのでした。あーあ。

「HETのための2つの小品」
振付:ハンス・ファン・マーネン
音楽:エリッキ=スヴェン・トール、アルヴォ・ペルト
タマラ・ロホ/イサック・エルナンデス


クソボケ女がクソボケ行為をやめたので(やめなかったら係の人に注意してもらおうと思って目の端で人を探してたよね)、今度こそ集中して見ようと臨みました。コンテはまあ、どっちかというとクラシック様式の作品の方が好きだけど、この作品はすぐ引き込まれて、終わらないでほしいーって思いました。
開始間もなく、男性が複雑な激しい動きで観客を引き込み、続く女性の美しい妖艶な動きで更に観客を引き込み、それもただ美しいだけでなく、何かエネルギーが放たれるような踊りでした。エネルギーといっても熱っぽい感じはあまりしなくて、それは黒い衣装のせいかも? 陰というよりは夜のエネルギーだな。じめじめとはしていない、でも舞台上のダンサー二人の駆け引きからも感じ取れる丁々発止? 一触即発? ぴんと張り詰めた緊張のような感じで、でもピリピリするような怖いような緊張とは違って何かリラックスして見れました。
女性側がタマラ・ロホだからという先入観があるかもしれませんが、男性側が女性側に翻弄されている(?)、転がされている(?)、ような、男性側のアプローチを女性側がいなして受け流したり、かといって完全に突き放すでもなく引き戻したりもするような感じで、オネショタかな色々と想像が掻き立てられる舞台でした。
この演目は衣装がなかなかセンセーショナルなのですが(尾籠な言い方をすればスケスケハイレグTバック)、ロホさんはさすがの貫禄で力強く美しく、エルナンデスさんは衣装のともすればエッとなるようなきつさを感じさせない均整の取れた美しい肉体でした。
は〜、それにしてもオランダ国立バレエ団はこんな素晴らしい振付家を抱えてるのかー、オランダ行かなきゃー、という渡蘭への思いを新たにする演目でございました。このブログは元々海外旅行ブログなので、勿論いつかはオランダにも行ってみたい。絶対バレエシーズンに行くぞー!

「白鳥の湖」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アシュレイ・ボーダー/レオニード・サラファーノフ


第3幕、ジークフリート王子が結婚相手を選ぶためのパーティで踊られる黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥです。バレエの中でも屈指の知名度を誇るパ・ド・ドゥだと思いますが、私もこのパ・ド・ドゥ大好きで、やっぱりラストのオディールのグラン・フェッテは本当に本当に大好き。
で、アシュレイ・ボーダーのグラン・フェッテなんですが、私すごく好きになってしまって、今回の公演の中でも一番好きな演目かもしれない。
ボーダーさんのグラン・フェッテは軸が全くぶれず、音楽との協調が素晴らしく、前半は数回に1度両手を上に上げるダブルを入れて回って、観客に対してのサービス精神、楽しませようという強い気概を感じました。さすがアメリカン(?)。
ボーダーさんは大柄なダンサーであることもあって、繊細なオデットに化ける妖艶なオディールというよりは肉食獣のようなダイナミックなオディールでしたが、それがよく合っていた感じがします。例えば同じグラン・フェッテが見せ場にあるキトリなんかだと、私はもっとハイピッチで回る方が好みかな〜とか思ったりもして。
で、私がすごく気に入ったのは自分自身では納得なんですが、多分好みじゃない人もいるだろうな〜とも思うオディールでした。クラシック・バレエ的美の極致とはちょっと方向性が違う感じだったので。でもジークフリート王子は正統派のクラシック・バレエの王子様でしたね。動きの一つ一つが正統派で美しく、特に下半身が素敵だと思った。そういう意味ではちょっとちぐはぐかもしれない。というか、王子を誘惑するというよりは取って食おうとしてない? 王子はオデットとオディールの区別がつかないのはしょーがないにしても、目の前のこの彼女(オディール)と付き合ったら大変だって気付かんかい! という突っ込みはせざるを得ない。
でも大好き。

「椿姫」より 第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン
アリシア・アマトリアン/フリーデマン・フォーゲル


大好きなノイマイヤーの大好きな「椿姫」から白のパ・ド・ドゥ。
アマトリアンさん演じるマルグリットは早くも病の影を感じさせるような儚い姿。一方フォーゲルさん演じるアルマンもどこか影があり(そんでもって超絶ハンサム。実際の顔がどーのということでなく、舞台上のアルマンとしてとても美しい、ハンサムなアルマン)、ふたりの愛の絶頂でありながらどこか破滅を予感させるようなパ・ド・ドゥに感じられました。
椿姫は学生の頃に確か岩波文庫版の、小デュマによる原作を読んだことがあるのですが、まーその時はマルグリットにもアルマンにも苛々苛々……。怒りんぼの私はアルマンのような経済力も常識も(ついでに知性も)ないくせにモラハラだけは一丁前な馬鹿学生に苛々し、そんなアルマンへの愛によって命を縮めていくマルグリットにも苛々し、まあアルマンみたいなクソ男は現代にもよくいるもんですが、マルグリットが金のためならともかく愛のために命を縮めるなんて本当に理解できませんでした。そんな男捨てろよ!! 今ならまだプライド捨てれば娼婦としてやり直せるから!! と内心思ったものです。まあその頃にはマルグリットの体は肺病に冒されつつあるわけですが…。
えーっと話がずれましたが、白のパ・ド・ドゥは二人が他の誰にも邪魔されず、風光明媚な別荘で思うがまま愛を深め合う踊りです。高級娼婦のマルグリットがアルマンの一途で誠実な愛に応えて(こいつが一途で誠実なのもここまで)パトロンと手を切ることを決め、二人で愛を誓い合うわけで、衒いのない愛の発露が物語られるシーンだと思っていたため、どことなくこの先の破局を感じさせるような、二人それぞれに差す陰にとてもドキドキしました。
好みによると思うけど、愛の絶頂にただそれだけを示すもよし、先の不穏の兆しを込めるもよしだなと思います。
次々と繰り出される複雑なリフトや流れるような振付は官能的でドラマチックで、ちょっとピシッとしないところもあったけど(マルグリットのドレスのスカートの始末とか)、総じてとてもよかったと思います! 陶酔して見入ってしまいました。


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posted by 綾瀬 at 21:12| Comment(0) | 雑記・バレエ

2018年08月19日

8/8 世界バレエフェスティバル Bプロ(3)

― 第3部 ―
「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
メリッサ・ハミルトン/ロベルト・ボッレ


可愛いロミジュリ! 超お気に入り!
ジュリエットは可愛く、ロミオは格好いい。初恋の甘酸っぱい星屑のようなパ・ド・ドゥ。
メリッサ・ハミルトンのジュリエットは初恋に戸惑い、恐れ戦きつつもロミオに惹かれる、というよりは、初恋のときめきに少し戸惑いつつも、それよりもロミオへの愛情に一直線に飛び込んでいく、積極的な少女のように感じられました。
ロベルト・ボッレのロミオは甘い雰囲気たっぷり、包容力のある大人っぽいロミオで、まあ16歳には見えない・笑 少なくとも24歳くらいに見える。ジュリエットも原作の設定では14歳ですが、まあ17歳くらいには見えました。ロミオの存在に気付いた時に見せた少しの戸惑いがなければ彼女も24歳くらいに感じても不思議はないかも? シェイクスピアの原作が書かれた当初と現代では寿命が違うから、精神年齢的にはプラス10歳くらいしてもそんな変ではないかもですが。
触れ合っては離れ、またくっ付き、軽やかに回転し、ひらひらした衣装を情感たっぷりに翻して、複雑なリフトも軽々と繰り広げ、秘めやかな恋を高め合っていく二人の様子が本当によく表れていると思いました。
可愛くてねえ、応援したくなるカップルです。少女漫画の世界。
ロミオがキャピュレット家のパーティに忍び込んだのはジュリエット以外の女性ロザラインへの恋心ゆえだったという事実も忘れてしまいます。って、忘れてない・笑
いや、まあ、若干ロミオに対しての不信感はありますが、でももうこの時の二人には関係ないことですね。

「ジュエルズ」より "ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
ミリアム・ウルド=ブラーム/マチアス・エイマン


バランシンからロシアバレエへのリスペクト。美しい古典美を期待して鑑賞。
ただやっぱりバランシンはどうも苦手で、というか抽象的なバレエのどこに心を寄せればいいかよく分からないというか…、すみません。
確かに美しい動きが続くけど、これが一番美しい動きなのかな? と思うと何だかぎこちなさを感じるシーンがもあって…。何だろう。よく分からないんだけど、肘や、上半身が気になったんですよね。
う〜〜〜ん。とはいえ「変」とまでは思わず。ふつーに終わったというか。パリ・オペのエトワールよ! 宝石の王者ダイヤモンドよ! という圧倒的キラキラ力(造語)みたいなのは感じず。

「マノン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ
アリーナ・コジョカル/ヨハン・コボー


沼地のパ・ド・ドゥ。
ん、ん、ん〜〜〜、沼地ってこんなだっけ? というのが率直な印象でした。
振付は大分少ないような? 動けてないような? この間英国ロイヤル・オペラ・ハウス・シネマシーズンでサラ・ラム/ワディム・ムンタギロフのペアで見た沼地は、息絶えつつあるマノンを必死で励まし、生き永らえらせようとするデ・グリューの献身の振る舞いが(揺さぶったり振り回したり)盛り込まれていたように思うのですが。
なんかさらっとしてない? という違和感を抱えつつ、振付を完全に暗記しているわけでもないので、これからだっけ? これからだっけ? と思っているうちにいつの間にか終わってしまいました。
あっるぇ〜〜〜?
ガラで見るのと、1幕、2幕と積み重ねて全幕見るのとでは積み重ねが違うからそう感じるだけかなあ? って思ったけど、やっぱりあまりに違い過ぎたと思うの。
「???」と思っているうちに終わってしまったので、ラスト、デ・グリューの慟哭も「もしかしたらまだ生きてるんじゃない? とりあえず振り回してみれば?」って思ってしまったのであった。

「アポロ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
サラ・ラム/フェデリコ・ボネッリ


初の生サラ・ラム! と期待して鑑賞。ラムさんは、冬物語のシネマ見た時は特に印象に残らないなーって感じだったけど(失礼である)、マノンはよかった!
で、演目も今回上演されるバランシン作品の中では何となく一番とっつきやすそうだな〜と思っていたのですが、あー…、すみません、心地よく寝てしまいました…。折角の生サラが…。
幕が開いた時、フェデリコ・ボネッリ演じるアポロが、辺りを圧倒するような威風堂々たる姿で座っていて、それがこの作品における私の印象と感想の全てになってしまいました…。勿体ない……。

「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン
アンナ・ラウデール/エドウィン・レヴァツォフ


わーいまた大好きな椿姫だー、白と黒両方見られるなんて嬉しい! そして白と黒なら黒の方がより好きなのでワクワクしながら鑑賞。
病の影の差すラウデールさん演じるマルグリットの立ち姿が印象的。ベールを剥ぎ取った瞬間の、全身から発散されるアルマンへの懇願の念が強烈で、強烈という言葉に反するかもしれないけど、やはり死にゆく者なのだなあと。
レヴァツォフさんはハンサムな金髪で長身で、着やせするのかひょろりとした姿の印象で、いいとこのボンボンのアルマンっぽさ満載。そういう意味ですごくハマってる気がしました。
はじめ、アルマンはマルグリットを拒絶しますが、徐々に逆転して、最後にはアルマンの方からマルグリットを求めて愛を乞う。激情に抗えずに最後に一度だけ情を通じる二人が本当に切ないなあ〜。その時マルグリットが黒いドレスを脱いで白い下着姿になるのが本当に印象的。
二人の愛の絶頂の白のパ・ド・ドゥと、破滅の前の最後の愛の交歓の黒のパ・ド・ドゥ。
マルグリットの命が消え去る前の最後の一瞬の強い煌きと逃れ得ない破滅が究極なまでにドラマティックで心打たれます。
レヴァツォフさんがアルマンっぽいな〜っていうのが、ガキっぽくマルグリットを虐待し、拒絶し、でも拒み通すことができなくて、結局彼女にまつわり付いて自分を捨てないでほしいと懇願する年下っぽさというか、弱さというか、そういうのがよく表現されているように感じたのです。
本質的にはマルグリットの方がずっと強くて優しくて、パ・ド・ドゥを踊りながら次第に彼女の方にリードが移っていくような印象を受けて、美男美女で素敵なドラマを見せてもらったと思いました。
ショパンの難曲が生ピアノで沢山聞けたのも嬉しかったです。


― 第4部 ―
「じゃじゃ馬馴らし」
振付:ジョン・クランコ
音楽:ドメニコ・スカルラッティ
編曲:クルト・ハインツ・シュトルツェ
エリサ・バデネス/ダニエル・カマルゴ


原作に比べてよい意味で少女漫画な仕上がり。だって原作通りだったらねえ〜、財産目当てで兵糧攻めしてくる夫に白旗上げてそれがハッピーエンドとかちょっと笑うところ分からないもん…。そういう、現代人にとっては笑うところの分からないDVぽさをかなり薄めてコミカルにして、何はともあれ愛情で包み込んだ演出に仕上げており、しかもそれをキレッキレに踊るエリサ・バデネスとダニエル・カマルゴのカップルはとってもお似合いでした。
冒頭、ペトルーチオを思い切りビンタするキャタリーナ。バシィッと鋭い音が場内に響き渡り、思わずどよめきが上がりました。演者はちょっとにやっとしたような気がします(気のせいかも)。
ここはしょーじき女性から男性へのDVに当たりますが、ビンタくらったあとのペトルーチオが元気いっぱい鋭く力に満ちたアクロバティックな振付で舞台を飛び回るので、「DVじゃん…」みたいな引いちゃう感じがなく、ああ、これがきっかけでペトルーチオの大作戦が炸裂するのね、という説得力を感じます。
跳ねっかえりのキャタリーナもキレッキレ(これがまた手の付けられないじゃじゃ馬っぷり)、彼女を押さえ込んで言うことを聞かせようとするペトルーチオもキレッキレ(いやーキャタリーナみたいな子は大変だねえ、という共感を覚える)、見ていて楽しい絶妙なやりとりの応酬です。とってもパワフルでエネルギッシュなカップル。
クランコ振付のえらいところは、そういう荒っぽい暴力的な動作も含む踊りを、でも暴力的でなく、ちゃんと愛情として表現したところで、鼻につくところも厭味なところもない点だと思います。
ペトルーチオがキャタリーナのことが大好きなのが分かって、キャタリーナが次第にペトルーチオにほだされていく過程も分かって、最後は二人の心が通じ合ってラブラブハッピーエンドという、幸せな演目。
見ていてとっても楽しかったです。

「ヌレエフ」より パ・ド・ドゥ
振付:ユーリー・ポソホフ
音楽:イリヤ・デムツキー
マリーヤ・アレクサンドロワ/ウラディスラフ・ラントラートフ


ボリショイの話題の新作「ヌレエフ」から、ヌレエフと運命のパートナー、マーゴ・フォンテインとのパ・ド・ドゥを。
おおおー見れて嬉しい! この「ヌレエフ」は、ニュースにもなっていましたが、ロシア当局の厳しい締め付けにあい、初演が直前で急遽ドンキに差し替えられたり、演出・台本等を手掛けたキリル・セレブレンニコフ氏が何と逮捕されたりするなど、色々曰く付きの作品、というか母国ロシアにおいて不当な弾圧を受けた作品で、ヌレエフが亡命してから何十年も経ってもやっぱり旧ソって…という思いを抱かせる感があります。偏見はよくないですが。
あー日本に全幕もってきてほしいー! と思います。
そして演じるマリーヤ・アレクサンドロワとウラディスラフ・ラントラートフは、さすがはボリショイのダンサーで、鍛え上げられた肉体が的確なところに的確な動きでぴしぴし嵌まる感じで、とはいえ全体が滑らかで濃密でエレガントで、二人のパートナーシップが情熱的に流れるように歌い上げられていました。夜明けのような爽快感もありました。
衣装はタートルネックぽい、地味な色合いでした(めっちゃヌレエフっぽい)。もしかしたら全幕見たら英国ロイヤル・バレエらしい豪華絢爛な舞台衣装で踊るシーンもあるのかな? やはり全幕見たい。

「アダージェット」
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:グスタフ・マーラー
マリア・アイシュヴァルト/アレクサンドル・リアブコ


ノイマイヤーのドラマティック・バレエは大好き! しかし抽象バレエはちょっとよく分からん…というのをもう取り繕う余地もないわたくしであります。
でも、この演目は何となく心地よく見てたなあ〜というのを覚えています。
具体的にどういうこと? というとそれが難しい。ただアイシュヴァルトさんがさっと足を伸ばした時や、リアブコさんが彼女をサポートする時の動きが、ただただ美しかった。
もしかしたら抽象バレエの中の動きの一つ一つにダンサー自身の物語るものがある、ていうのはこういうことなのかなあ、その片鱗に少しだけでも触れられたのかなあ、という(勝手な勘違いかも)感慨を抱きました。
美しい踊りが見られて満足。

「オネーギン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アレッサンドラ・フェリ/マルセロ・ゴメス


まだオネーギンを全幕見たことはないのですが。有名な手紙のパ・ド・ドゥ。
世界バレエフェスティバル Bプロ全体を通じての白眉でした。
特に最後、アレッサンドラ・フェリ演じるタチヤーナの声なき慟哭はいつまでも胸に残り続けました。彼女のこれまでの人生、これからの人生を感じさせる渾身の演技だったと思います。
オネーギンは若い頃の傲慢さを捨て、タチヤーナの衣装に縋り付いて愛を乞うものの、既に小娘でないタチヤーナには通じない。でも、彼女の心が動かないわけではない。千々に思い乱れ、涙を流して葛藤し、それでも人生にたった一度、物語のような恋に身を任せるのでなく、拒絶して公爵夫人としての矜持と家庭を守ったタチヤーナ。
弩級のドラマですな〜。
人生にたった一度の物語のような恋、というと、源氏物語の空蝉とか、ローマの休日とか、色々ありますけども。タチヤーナとオネーギンは中年同士ということもあって、重い。
オネーギンはソロルとタメを貼るレベルのクソ男だと思いますが(すぐクソとか言ってしまう)、今ここにいるオネーギンはアレッサンドラ・フェリのためのオネーギンという感じがしました。オネーギンの振る舞いは全て、マルセロ・ゴメスがアレッサンドラ・フェリのために行う献身であると、そういう感慨を抱かせるような舞台。見ているのはオネーギンとタチヤーナなのか、アレッサンドラ・フェリとマルセロ・ゴメスなのか? だからなのか、クソ男オネーギンという印象がなくて(そもそも踊りを見ながらいちいちこの登場人物はクソだのどーのとか考えるのもどーかという気はする)、ひどく弱った気の毒な中年という感じがして、しつこくタチヤーナに取り縋る姿は「これ以上タチヤーナを苦しめないで!」と思わせる反面、やっぱりちょっと可哀想な感じもして、彼に救いがあればいいのにという同情心も湧き起こらせる。
しかし芝居が素晴らしすぎて、その印象が強烈に胸に焼き付けられて、踊りのことがあまり思い出せないという…。うぅ、もう一度見たい! けどきっともう、そんな機会はないんだろうなあ〜。
とにもかくにも素晴らしいドラマでした。

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ
音楽:レオン・ミンクス
マリア・コチェトコワ/ダニール・シムキン


世界バレエフェスティバルBプロのトリはドンキです。
賑やかな音楽と振付が楽しく、お祭りの最後を締めくくるに相応しい盛り上がる演目だと思います。
ひとつ前のオネーギン、フェリさんの魂の慟哭がまだ目に焼き付いているうちに始まるのですが、会場の空気に臆することなく、言うならば最初からドヤ感を纏って登場するコチェトワさんとシムキンさんなのでした。
冒頭の180度開脚片手リフト、あまりの見事さに会場からどよめきが出ました。オネーギンの気分から、一気にドンキの世界へ引き込まれました。
マリア・コチェトワは一本のマッチ棒のように美しい開脚を長時間キープ。マッチ棒という言葉の選定が悪いかもしれないけど見た時そう感じたんだもん。コチェトワさんと支えるダニール・シムキンは小柄な体躯ながら全くぐらつかずに美しい姿勢でコチェトワさんを掲げて、普段の鍛錬のストイックさが窺われます。
シムキンさんは公式サイトの出演者紹介でも「お祭り男」と紹介されていましたが、お祭り男の称号に相応しい基本に忠実な超絶技巧の連発で、場内は大いに盛り上がりました。
超絶技巧といっても、スピードと迫力でただ押しまくるのでなく、腕の動き、足さばき、見せる時の姿勢、ひとつひとつが丁寧で美しく、どんな時でも軸がぶれることなく、見ていて気持ち良かったです。
コチェトワさんのキトリも小柄で可愛いしさ。グラン・フェッテは全部シングルだったけど、余裕が感じられました。
キトリとバジルらしい、きびきびした気風のいい踊りでした。シムキンさんは次シーズン(つーか今シーズンつーか、来月)からベルリン国立バレエ団に移籍らしいので、ますますドイツ行きたくなったなあ。


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posted by 綾瀬 at 00:14| Comment(0) | 雑記・バレエ

2018年08月25日

ベルギー旅5日目(7) フランドル伯の居城を見学 その5

そんでファンシーゾーンを抜けまして。

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こんな感じの狭い石造りの螺旋階段がありましたので昇りました(これは下る時に撮った写真だけど)。

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そうすると建物の屋上へ出ました。小さめの木の戸口が可愛い。

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フランドル伯の居城には幾つかの建屋があって、今いる建屋はメインタワーではないので、隣にもっと背の高い建屋が見えています。メインタワーとの間にほんのり突端が突き出ている付属塔の屋根が可愛い。塔とはかくやと言いたくなるような三角屋根。

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今いるスペースの全体はこんな感じ。あまり広くはない。

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胸壁の隙間から下界を。もし砦を攻められて、私が守る側の兵士だったらここから熱した油を注ぎたいと思った(謎の感想)。

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外部に面した方を少し引きで。直線と曲線はこんなふうに重なり合うようにして胸壁が築かれている。

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苔むした城砦の外壁。飛来した種子が外壁のわずかな窪みに芽吹き廃墟っぽい雰囲気を湛える(廃墟じゃないけど)。

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で、今いるスペースから更に一段上がった所もあって、数段の石段を上がります。

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いい眺めだったのですが、逆光だったので写真が上手く撮れなかった。まあ順光でもいつも上手く撮れてないんだけどさ。あといくらいい眺めでも高いところ怖い私にとっては若干興味の度合いが薄れるというか…はあ。ゲントのシンボルの時計塔が左側に見えています。高いところ怖くてもこれくらいは頑張ってカメラにおさめたかった!

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さらに欲たましく、時計塔だけでなく大聖堂の鐘楼たちをも写した結果。逆光にもほどがあり、ゲントのシンボルというか太陽を撮りたかったのか? と見紛うレベル。
まあいいんだ、時計塔、鐘楼たち、太陽を一枚におさめ、神々しいじゃん? と思い込むことにしておく。
何はともあれ眩しい。

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眩しいばかりでは目に悪い切ないので眩しくない方へ回りました。ゲントの街の屋根屋根。伝統的なギザギザ屋根はこの高さと角度だとあまり分からない。それより大きな三角屋根と、遠くの方にはマンションかな? 高層建築も。

さてさて、この建屋は満喫したのでそろそろ次の建屋へ参りましょうか。
というわけで石段を下り、一旦建物の外へ出ました。
しかーし、次にどの順路を辿ればよいか分からない。適当に隣の建物の入口に突入してみたところ、明らかにイベントのなんかクライマックス的な飾り付けで、かつ私の順路とは逆向きに歩くことを想定した手すりや照明で、歩きにくいは暗いは、ていうかもうこれ足滑らせて転ぶんじゃね? って感じだったので慌てて退散しました。

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色々迷った挙句、入り口付近の建屋の前まで戻ってきた私。
でももうここしか進む道ないよね? と思い、石段を上がってみる。いや、なんかねえ、この建屋、見学路っぽくない雰囲気が出てたんですよ。説明しづらいんですが。だから本当にこっちかな〜と訝りながら進みました(後から考えれば、ここがメインの建屋なんだから見学路じゃないわけがないんですが)。

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ん? 順路を示す掲示が!?
やっぱりここで合ってたんだ、ラッキー! とばかりに、このぽっかり開いた小さな入口へ突入…したところ、また順路逆走してました。なのでとっとと退散。

おいいいいいいこんなことばっかりだなこの城は!
いや分かってるんだ本当は、それはこの城のせいでなく誰にも行き先を縛られたくない、とかいうわけじゃないけど、掲示を無視して後先考えず、適当に目についたところから突き進んでばかりいる自分のせいだということは。

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でも今度こそ正しい順路を見つけ出しました。この写真に映っている入口で合っていました。以前の記事でも少し触れたけど、入口の真上に木戸があるのが可愛い。室内側から間違ってこのドアを開けたらそのまま地面に落下する罠かな? という気もしないではないですが。
そんでもって左側にある窓も凝っていて可愛いねえ〜。

なお写真に後ろ姿の写っている見知らぬ方は、私同様迷っており私の後についてきたせいであちこち彷徨わせられた見知らぬ方です。自分の行く先は自分で見つけ出さなければならない、羅針盤は自分で握らねばならないという教訓が窺い知れます。
でも一番恥ずかしいのは私だったと思います。許してください。


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posted by 綾瀬 at 15:58| Comment(0) | 16年12月ベルギー

2018年08月30日

台湾旅0日目(1) 台北&台中! お友達とふたり旅!

去る2018年7月、お友達と台湾へ行って参りました。訪れたのは台北・台中で、基本的に食い倒れの旅。
記事はおいおい(いつだよ)…って感じですが、先に何枚か写真だけでも。

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途中にいるコナン君は、コナンの映画上映中だったので。安室の女が話題の時期でもありました。お友達(一緒に台湾に入った子とは別)の安室の女のために撮りました。台湾でもコナンは人気。

台湾に行くのは初めてだったのですが、想像以上に、そう、優しい。
そしてご飯が美味すぎ。

親切な現地の方に、まさにそう介護され、日本語メニューを渡してもらったり、ティッシュをもらったり、英語でメールしたら日本語で返事が返って来たり…、すげえ国だぞ! ここは!

そんな親切な優しい国で、私は友達が「買う」とも言っていないものを、店員さんに「彼女買うって言ってます」と放言する等の悪行を働くのでした。

えー、それはさておき、暑い年だったこともあり、マンゴーの出来もよかったそうで、とろとろの激うまマンゴーもいっぱい食べられました。台湾のマンゴー最高! 外国に比べて日本サゲみたいなのはしたくないけど、日本で食べてきたマンゴー(高級マンゴーは食べたことないけど、それにしたってまあまあのお値段)は…なんだろ、味うすっ…っつか全く別物って感じで、ついつい比べてしまうのでした。1日1マンゴーをモットーに活動しました。ていうか普通に1日2マンゴーくらいキメてたね。

聞きしに勝る親切さと食べ物の美味しさに大満足のふたり旅でした。近いし、また行きたいね。できるだけ早く。


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posted by 綾瀬 at 23:45| Comment(0) | 18年7月台湾